ポリドカノール

成分名

ポリドカノール

適応症状

一次性下肢静脈瘤

簡易説明

身体全体に行き渡った血液が、心臓に戻ってくるための血管を静脈といい、中でも足の静脈が太くなってこぶ状に浮き出て見えるようになった状態を「下肢静脈瘤」といいます。
ポリドカノールは下肢静脈瘤治療のうち硬化療法で使用されます。
下肢静脈瘤にポリドカノールを注射して固めてしまう治療です(硬くなった静脈は、半年ぐらいで吸収されて消えてしまいます)。
下肢静脈瘤では何も症状がないことが多く命にかかわるようなことはまずありません。
しかし、日常生活において急激な炎症や化膿が生じる可能性があるため早めに治療を受けることが推奨されています。

処方可能な診療科目

心臓血管外科・血管外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~3,000円
薬代1管あたりの目安:2ml 843円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※硬化療法の場合上記に追加:約20,000円
※「弾性ストッキング」または「弾性ソックス」:約5,000~約7,000円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1管あたりの目安」は「ポリドカスクレロール3%注2mL」の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2006年12月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ポリドカスクレロール0.5%注2mL/ポリドカスクレロール1%注2mL/ポリドカスクレロール3%注2mL

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

外国においてフォーム硬化療法実施により、脳血管障害(一過性脳虚血発作等)、視覚障害、片頭痛の発生頻度が高まることが報告されています。
全身状態を深く観察し、異常が生じた場合は直ちに投与を中止する等の適切な処置ができる環境での使用が推奨されています。

効果・作用

身体全体に行き渡った血液が、心臓に戻ってくるための血管を静脈といい、中でも足の静脈が太くなってこぶ状に浮き出て見えるようになった状態を「下肢静脈瘤」といいます。
下肢静脈瘤では何も症状がないことが多いのですが、だるさ、重さ、かゆみ、痛み、むくみ、こむら返り、湿疹、色素沈着、潰瘍、出血の症状が出ることがあります。
動脈瘤(心臓から身体全体にでていく動脈にこぶができること)では、破裂して命にかかわることもありますが、下肢静脈瘤では命にかかわるようなことはまずありません。
しかし、滞った血液が原因で血のかたまりができて感染や炎症が起きたり、かゆくてひっかいたり、ケガで出血したり、蜂窩織炎という疾患を起こしたりすると治療が必要になってしまいます。
このような症状が長期間続くと、皮膚がボロボロになったり、出血しやすくなったりするので、日頃から注意することはもちろんのこと、早めに治療を受けることが推奨されています。
ポリドカノールは下肢静脈瘤治療のうち硬化療法で使用されます。
下肢静脈瘤にポリドカノールを注射して固めてしまう治療です(硬くなった静脈は、半年ぐらいで吸収されて消えてしまいます)。
硬化療法は軽症の下肢静脈瘤にのみ有用性の高く、進行した静脈瘤には治療効果が期待できない場合もあり注意が必要です。
また硬化剤を空気と混ぜて泡状にする「フォーム硬化療法」もでもポリドカノールは使用されるようになり、治療できる下肢静脈瘤の範囲が広がっています。

使用方法

①ポリドカノール0.5%の場合は以下の使用方法を守りましょう
・直径1ミリメートル未満のこぶが対象となります
・投与量は0.1〜0.5ミリリットルが基準です
・こぶの中に1箇所又は2箇所以上使うことができます
・1回の治療で治療が終了しない場合は1週間後に改めて処置することがあります

②ポリドカノール1%の場合は以下の使用方法を守りましょう
●「液状硬化療法」で使用する場合
・直径1ミリメートル以上、3ミリメートル未満のこぶが対象となります
・投与量は0.5~1ミリリットルが基準です
・こぶの中に1箇所又は2箇所以上使うことができます
・1回の治療で治療が終了しない場合は1週間後に改めて処置することがあります

●フォーム硬化療法で使用する場合
・投与量はフォーム硬化剤として2〜6ミリリットルが基準です
・1回の治療で治療が終了しない場合は1週間後に改めて処置することがあります

③ポリドカスクレロール3%の場合は以下の使用方法を守りましょう
●液状硬化療法で使用する場合
・直径3ミリメートル以上、8ミリメートル以下のこぶが対象となります
・投与量は0.5〜1ミリリットルが基準です
・こぶの中に1箇所又は2箇所以上使うことができます
・1回の治療で治療が終了しない場合は1週間後に改めて処置することがあります

●フォーム硬化療法で使用する場合
・投与量は2〜6ミリリットルが基準で6ミリリットルが最大量です
・1回の治療で治療が終了しない場合は1週間後に改めて処置することがあります

副作用

主な副作用
●301例の臨床試験において、副作用が報告されたのは146例でした。
・こぶの中の血栓95件(31.6%)/色素の沈着79件(26.2%)/水疱7件(2.3%)/皮下の出血6件(2.0%)/異常な感覚6件(2.0%)/かゆみ3件(1.0%)/むくみ3件(1.0%)/赤み3件(1.0%)等でした。

●2,403例の使用成績調査、製造販売後臨床試験において、副作用が報告されたのは347例でした。
・こぶの中の血栓172件(7.2%)/色素の沈着111件(4.6%)/静脈の炎症22件(0.92%)/痛み21件(0.87%)/水ぶくれ18件(0.75%)

重大な副作用
なし

その他の副作用
なし

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
以下の方はポリドカノールを使用できません。
●液状硬化療法、フォーム硬化療法で使用する場合
・深部静脈血栓症、あるいは血栓症になったことのある方
※現在の深部静脈血栓症の悪化、あるいは血栓形成のおそれがあります
・動脈性血行障害の方(動脈硬化又は糖尿病性細小血管症の方も含みます)
※末梢血管病変が悪化するおそれがあります
・歩行の困難な方
※下肢の運動によって避けることのできる深部静脈障害が生じることがあります
・多臓器障害あるいはDIC(播種性血管内血液凝固症候群)状態の方
※全身状態が悪いので各種障害が起こりやすい状態です
・経口避妊薬を服用している方
※血栓ができるおそれがあります
・抗凝固剤、抗血小板剤を服用している方
※ポリドカノールの作用がうまく発揮されない可能性があります
・重篤な心疾患のある方
※障害が悪化するおそれがあります
・ショックあるいは前ショック状態にある方
※ショックによる障害を起こしやすい状態です
・ポリドカノールに対し過敏症の経験のある方
※硬化剤によるアレルギー反応を起こしやすい状態です
・投与部位、その周辺に炎症又は潰瘍のある方
※現在の起きている炎症の悪化、また潰瘍部よりの出血のおそれがあります
・気管支喘息の方
・妊婦又は妊娠の疑われる方

●フォーム硬化療法で使用する場合
・卵円孔開存症を介した奇異性塞栓症による脳卒中、一過性脳虚血発作等の疾患のある方
・上記の疾患の経験のある方

上記にあてはまる方は、ポリドカノールを使用する事が出来ない可能性があります。
ポリドカノールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・麻酔剤
※麻酔剤の心臓に対する作用を増強してしまう可能性があります。

上記を使用している方は、ポリドカノールを使用する事が出来ない可能性があります。
ポリドカノールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
かなり大きなこぶになってきましたがポリドカノールで治療できますか?

メーカーの使用方法には「一次性下肢静脈瘤」への使用の記載があります。
大きくなりすぎたこぶには使用ができないため医師と相談の上、治療方法を選択してください。

治療後に弾性ストッキングを使用するように言われましたがいつまで使用すればよいでしょうか。

圧迫は最低1週間行いますが、医師の治療方針によりますので不明の場合は必ず医師に問い合わせましょう。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。