ミリモスチム

成分名

ミリモスチム

適応症状

・同種・同系の骨髄移植後における顆粒球数増加促進
・下記疾患、状態における顆粒球数増加促進
①卵巣癌(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤を繰り返し投与したが、顆粒球数1000/mm以下となった顆粒球減少症)
②急性骨髄性白血病(シタラビン、エノシタビンなどの抗悪性腫瘍剤を投与したが、顆粒球数500/mm以下が観察された重度の顆粒球減少症)

簡易説明

ミリモスチムは白血球の減少を改善する薬剤です。これまでの薬剤で問題となっていた、がん化学療法時の血球減少に対して、増加をもたらす作用を持っています。森永乳業と田辺三菱製薬株式会社が開発を実現させており、その後、協和発酵キリン株式会社に販売権が移管されていましたが、2019年に販売が中止されました。そのため、現在本薬剤は使用されていません。

処方可能な診療科目

血液内科

健康保険の適応

現在販売されておりません。

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は現在発売されておりません。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1991年9月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ロイコプロール点滴静注用800万単位【製薬メーカー:JCRファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

海外では発売されておりません。

効果・作用

ミリモスチムは白血球の減少を改善し、増加させる作用を持っています。これまでの薬剤では、がん化学療法に伴い、血球の減少がみられ、たびたび問題となっていました。しかし、M-CSFが血球の増加をもたらすことが示唆され、森永乳業と田辺三菱製薬株式会社が、開発に着手しました。M-CSFは、ヒト単球系になる前の細胞に作用して、分化、増殖させ、単球・マクロファージからなるコロニーを形成します。本剤は、2019年に販売が中止されていますので、現在臨床現場で使用されることはありません。

臨床試験に関しては、骨髄移植に対して本剤を投与した結果、有効率は55.2%であり、本剤の有用性が認められました。
卵巣癌に対して本剤を投与した結果、有効率は50%であり、本剤の有用性が認められました。
急性骨髄性白血病に対して本剤を投与した一般臨床試験の結果、本剤の有効率は70%でした。同時に、顆粒球数が500/mm3、1000/mm3に到達するまでの日数は、非投与群に比べ短縮する傾向が示されました。

急性骨髄性白血病患者の白血病細胞もしくは各種白血病株化細胞に対する試験管内での増殖促進作用はみられませんでした。また、臨床試験において、本剤投与による白血病細胞の増殖を促進した症例はなく、骨髄移植において1年6 ヵ月投与した患者を追跡で調査した結果、白血病再発率は偽薬を投与した群と比べて低い傾向がみられました。

使用方法

日本薬局方生理食塩液に溶解後、輸液200~500mLと希釈して、100mLあたり30分以上かけて点滴静注します。使用する目的によって投与方法が異なっています。

・骨髄移植後(同種・同系)の顆粒球数増加促進の場合、骨髄移植直後から1日1回800万単位を、 2週間毎日投与します。
・卵巣癌(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤を繰り返し投与したにもかかわらず、顆粒球数1000/mm3(白血球数2000/mm3)以下となった顆粒球減少症)の場合、抗悪性腫瘍剤投与後から1日1回800万単位を、 1週間毎日投与します。
・急性骨髄性白血病(シタラビン、エノシタビンなどの抗悪性腫瘍剤)を投与することにより、顆粒球数500/mm3(白血球数1000/mm3)以下となった重度の顆粒球減少症)の場合、1日1回800万単位を、1~2週間毎日投与します。

年齢や状態に応じて増やしたり減らしたりすることが可能です。

副作用

主な副作用
主な副作用として、発熱や発疹、手指のしびれ、悪心などがあげられます。最も多い副作用でも5%未満となっています。
2093名を対象としたデータでは、92名に副作用が認められました。割合としては4.4%でした。

項目別の発現頻度は以下の通りです。

全身症状・・発熱/悪寒/頭痛(0.1~5%未満)、全身倦怠感(0.1%未満)
過敏症・・発疹/皮疹/紅斑(0.1~5%未満)、発赤等(0.1%未満)
神経・筋・・手指・顔のしびれ(0.1~5%未満)、
呼吸器・・呼吸困難/胸痛(0.1%未満)
肝臓・・黄疸等の肝障害(0.1~5%未満)、
消化器・・悪心/嘔吐/食欲減退/下痢(0.1~5%未満)、
腎臓・・尿蛋白/BUN上昇/下肢浮腫(0.1%未満)
その他・・血清鉄の異常高値/CRP陽転(0.1%未満)

重大な副作用
<ショック>
頻度不明ですが、もし症状が現れた場合には投与を中止しすぐに医療機関を受診してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
<使用ができない方>

■ミリモスチムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ロイコプロール点滴静注用800万単位の有効成分
ミリモスチム

▼代表薬の添加物
人血清アルブミン、日局リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、日局D-マンニトール

・以前、ミリモスチムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・重篤な肝障害のある患者
・重篤な腎障害のある患者
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているので、注意しながら投与してください。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦
・小児に対しては使用経験が少ないため、投与する際は慎重に行ってください。

上記にあてはまる方は、ミリモスチムを使用する事が出来ない可能性があります。
ミリモスチムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ミリモスチムに関する
よくある質問
投与する際に気を付けることはありますか?

1点目は、本剤は輸液以外の他剤と混合して投与しないでください。また2点目として、生理食塩液などと溶解した後はすみやかに使用してください。3点目に、本剤は非常にゆっくり下ペースで点滴静脈にて投与をしてください。目安のペースとしては100mlを30分以上かけるとされています。

重要な基本的注意

【上記引用元:ロイコプロール点滴静注用800万単位 医薬品インタビューフォーム】

投与を中止する基準はありますか?

患者に応じて、休薬や減量、中止などを検討してください。しかし、定期的に血液検査、必要に応じて骨髄検査を行い、芽球の増加が認められた場合には、投与を中止してください。

適用上の注意

【上記引用元:ロイコプロール点滴静注用800万単位 医薬品インタビューフォーム】

発熱が起こった場合はどのように対処したらよいでしょうか?

患者の症状に応じて、解熱剤の投与を検討してください。

重要な基本的注意

【上記引用元:ロイコプロール点滴静注用800万単位 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ロイコプロール点滴静注用800万単位 日経メディカル

ミリモスチム 添付文書

ミリモスチム 医薬品インタビューフォーム

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