ウロキナーゼ

成分名

ウロキナーゼ

適応症状

ウロキナーゼを主成分とする医薬品であるウロナーゼ静注用6万単位の適応症状は、
①脳血栓症(発症後5日以内で、コンピューターによる断層撮影において出血の認められないもの)
②末梢性の動・静脈閉塞症(発症後10日以内)
の2点における血栓・塞栓性疾患の治療に対し適応を持ちます。

簡易説明

ウロキナーゼを主成分とする医薬品には、ウロナーゼ静注用6万単位とウロナーゼ冠動注用12万単位が発売されており、共に線維素溶解酵素剤になります。
ウロキナーゼはヒトの尿中より分離精製して得た糖たんぱく質であり、プラスミノーゲンを活性化する一種のアクチベーターになります。形成されたプラスミンにより血栓を溶解する為、種々の血栓・塞栓症の治療に供されています。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:6万単位約4,700円/12万単位約8,600円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ウロキナーゼを主成分とする医薬品であるウロナーゼ静注用6万単位は販売名変更に伴い2007年9月27日に製造販売が承認され、2007年12月21日薬価基準に収載。旧販売名として1985年12月17日に販売が開始となりました。またウロナーゼ冠動注用12万単位も同様に販売名変更に伴い2007年9月10日に製造販売が承認され、2007年12月21日薬価基準に収載。旧販売名として1988年11月16日に販売が開始となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ウロナーゼ静注用6万単位【製薬メーカー:持田製薬株式会社】
ウロナーゼ冠動注用12万単位【製薬メーカー:持田製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ウロキナーゼを主成分とする医薬品であるウロナーゼ静注用6万単位の適応症状は、
①脳血栓症(発症後5日以内で、コンピューターを用いた脳の断層撮影において出血の認められないもの)
②末梢性の動・静脈閉塞症(発症後10日以内)
の2点における血栓・塞栓性疾患の治療にたいして効果のある医薬品になります。
また、ウロナーゼ冠動注用12万単位の適応症状は急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
ウロキナーゼはプラスミノーゲンをプラスミンに変換し、形成されたプラスミンにより血栓を溶解します。
臨床試験より
1)ウロキナーゼはプラスミノーゲン分子中のアルギニンーバリン結合を加水分解して直接プラスミンを生成します。生成されたプラスミンはフィブリンを分解する事によって血栓、及び塞栓を溶解します。
2)ウロキナーゼにより活性化されたプラスミンは、フィブリンに対し強い親和性を持ちます。従ってフィブリンに対する分解作用は強いです。しかし他の凝固因子例えばフィブリノーゲン等に対する作用は弱いです。

【警告】
重篤な出血性脳梗塞の発現が報告されています。出血性脳梗塞を起こしやすい脳梗塞の患者に投与する事の無いように、脳血栓の患者であることを十分確認後投与する事とされています。
脳内出血の有無については、コンピューター断層撮影により確認する事が原則です。

使用方法

ウロキナーゼを主成分とするウロナーゼ静注用6万単位を用いて10mLの日本薬局方生理食塩液に用事溶解し、静脈内に注射を行います。
なお、日本薬局方生理食塩液又は日本薬局方ブドウ糖注射液に混合して点滴注射する事が望ましいとされています。

血栓・閉塞性疾患
1)脳血栓症に対する用法・用量:1日1回60,000単位を約7日間投与します。
2)末梢動・静脈閉塞症に対する用法・用量:初期1日量として60,000~240,000単位を投与します。以後漸減しながら約7日間投与します。

副作用

重大な副作用
1)出血性脳梗塞(0.1~5%未満)、脳出血(0.1%未満)、消化管出血(0.1%未満)等の重篤な出血が現れる事があります。
t-PA製剤において、出血の増大に伴い出血性ショックに至る事が報告されています。
2)ショック(頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、胸内苦悶、脈拍の異常、発汗等が現れる事があります。

その他の副作用
過敏症、出血傾向、肝臓、消化器、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹(0.1%未満)
蕁麻疹等(頻度不明)
2)出血傾向
血尿、歯肉出血等(0.1%未満)
3)肝臓
AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等(0.1%未満)
4)消化管
悪心、嘔吐、食欲不振(0.1%未満)
5)その他
発熱、悪寒、頭痛(0.1%未満)
倦怠感(頻度不明)

過敏症症状における発疹や頻度不明の蕁麻疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)止血処置が困難な患者(頭蓋内出血、喀血、後腹膜出血等)
出血が助長されることがる為使用できません。
2)頭蓋内あるいは脊髄の手術又は損傷を受けた患者(2ヶ月以内)
出血を惹起し、止血が困難になる恐れがある為使用できません。
3)動脈瘤のある患者
出血を惹起し、止血が困難になる恐れがある為使用できません。
4)重篤な意識障害を伴う患者
意識障害の原因の一つとして脳内出血を発症している可能性が高い為使用できません。
5)脳塞栓又はその疑いのある患者
出血性脳梗塞を起こす事がある為使用できません。
6)デフィブロチドナトリウム(デファイテリオ静注200mg)を投与中の患者
7)心房細動のある患者(うち特にに僧帽弁狭窄症患者)
8)感染性心内膜炎の患者
9)陳旧性心筋梗塞の患者
10)人工弁使用患者
7)~10)の患者においては、脳塞栓である可能性が高い、また、脳塞栓を惹起する恐れがある為使用できません。

使用に注意が必要な方
1)出血している患者(手術等外科的処置時(肝、腎生検討を含む)、糖尿病性出血性網膜症等の出血性眼疾患、流早産、分娩直後、消化管出血、尿路出血、月経期間中等)
出血を助長し、止血が困難になる恐れがある為使用には注意が必要です。
2)出血の可能性のある患者(重症高血圧症、大腸炎、消化管の憩室炎、活動性結核、消化管潰瘍、頭蓋内出血の既往歴等)
出血を惹起する恐れがある為使用には注意が必要です。
3)治療困難な凝固能低下状態の患者(血小板減少症、凝固因子欠乏症等)
出血を惹起する恐れがある為使用には注意が必要です。
4)血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤又は他の血栓溶解剤を投与している患者
5)重篤な肝障害、腎障害のある患者
代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強する事がある為使用には注意が必要です。
6)高齢者
高齢者では出血の危険性が高まる恐れがある為使用には注意が必要です。
7)本剤又は組織培養によるウロキナーゼに対して過敏症の既往歴のある患者
8)ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して過敏症の既往歴のある患者
■ウロキナーゼを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ウロナーゼ静注用6万単位はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用には注意が必要です。
▼ウロナーゼ静注用6万単位の有効成分
ウロキナーゼ
▼代表薬の添加物
・精製ゼラチン、塩化ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、結晶リン酸二水素ナトリウム
9)妊婦・産婦・授乳婦等
10)小児等

上記にあてはまる方は、ウロキナーゼを使用する事が出来ない可能性があります。
ウロキナーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)血液凝固阻止作用を有する薬剤:ヘパリン、ワルファリン、アルガトロバン水和物等
2)血小板凝集抑制作用を有する薬剤:アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩等
3)血栓溶解剤:t-PA製剤、ナサルプラーゼ等
出血の危険性が増大する為使用には注意が必要です。
4)アプロチニン製剤
ウロキナーゼの線維素溶解作用を減弱する恐れがある為使用には注意が必要です。

上記を使用している方は、ウロキナーゼを使用する事が出来ない可能性があります。
ウロキナーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
1)肝類洞閉塞症候群治療剤:デフィブロチドナトリウム(デファイテリオ静注)
デフィブロチドナトリウムが本剤の抗血栓作用を増強する為出血の危険性が増大する恐れがある為使用できません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ウロキナーゼに関する
よくある質問
ウロキナーゼは投与後どのくらいの時間効果が持続しますか?

ウロキナーゼを静脈内投与したときの血漿中半減期は2~7分及び17~33分と二相性を示し、速やかに消失します。
インタビューホーム 【持田製薬株式会社】

ウロキナーゼの使用において6時間以内や5日以内、10日以内等適応症に時間指定があるのはなぜですか?

血栓・塞栓性疾患の治療は時間との戦いです。治療開始が速ければ早いほど後遺症が出る可能性が減少し予後に影響してくるからです。
インタビューホーム 【持田製薬株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【持田製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

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