成分名 |
代用血漿増量剤 |
適応症状 |
循環血液量の維持目的 |
簡易説明 |
ボルベン輸液6%は輸液製剤の代用血漿増量剤に分類され、循環血液量の維持目的で使用されます。大量出血に伴った体内循環血液量の減少対策に用いられることが多いとされています。従来の同類薬の分子量が70,000だったのに対し、ボルベン輸液6%は130,000と高くなっていますが血液凝固系へのリスクも低く、従来の同類薬の上限を超える高用量な投与が可能になっています。 |
処方可能な診療科目 |
外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1袋あたりの目安:500ml約907円
薬代後発薬1袋の目安:ボルベン輸液6%に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2013年10月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
サヴィオゾール輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
低分子デキストラン糖注【製薬メーカー:大塚製薬】
低分子デキストランL注【製薬メーカー:大塚製薬】
サリンヘス輸液6%【製薬メーカー:フレゼニウスカービジャパン】
ヘスパンダー輸液【製薬メーカー:フレゼニウスカービジャパン】
ボルベン輸液6%【製薬メーカー:フレゼニウスカービジャパン】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
※本ページは、代表的な代用血漿増量剤に分類されているボルベン輸液6%に関する記載となります。
※この分類は「輸液製剤協議会」の分類方法を参照しております。
■ボルベン輸液6%の組成
1袋(500mL)中に下記成分を含んでいます。
<有効成分>
・ヒドロキシエチルデンプン130000:30.0g
<添加剤>
・塩酸:適量
・塩化ナトリウム:.5g
・水酸化ナトリウム:適量
<電解質濃度(mEq/L)>
・Na+:154
・Cl−:154
<性状>
・pH:4.0〜5.5
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):約1
<効果・作用>
ボルベン輸液6%は輸液製剤の代用血漿増量剤に分類され、循環血液量の維持目的で使用されます。
代用血漿増量剤は膠質浸透圧の高い輸液製剤で、大量の出血に伴い体内の循環血液量が減少しているケースの治療に用いられることが多く、日本ではヒドロキシエチルデンプン製剤、アルブミン製剤、デキストラン製剤などが使用されています。その中でも、ボルベン輸液6%が含まれているヒドロキシエチルデンプン製剤は約40年以上さまざまな手術や火傷治療、外傷治療における体内の循環血液量減少の予防や治療に幅広く使用されていて有用性と安全性が担保されています。
その他の代用血漿増量剤と比較すると、従来のヒドロキシエチルデンプン製剤の分子量が70,000だったのに対し、ボルベン輸液6%は130,000と高くなっているものの、血液凝固系へのリスクや組織への蓄積リスクも低く、従来のヒドロキシエチルデンプン製剤の上限を超える高用量な投与が可能になった代用血漿増量剤といえます。ボルベン輸液6%の登場によってヒドロキシエチルデンプン製剤の使用上限用量が増え、アルブミン製剤の使用が減少する可能性も考えられます。ただし、一部の心不全、乏尿などを伴った腎臓の機能障害を患っている方には禁忌であり、ショックやアナフィラキシーといった副作用には十分に注意が必要です。 |
使用方法 |
・成人(15歳以上)のケース:ボルベン輸液6%500mLあたり30分以上かけて持続的に点滴静注することが推奨されています。
・小児のケース10mL/kg当たり30分以上かけて持続的に点滴静注することが推奨されています。
投与量および投与スピードは、体重や症状に応じ医師の判断のもと適宜調節することができますが、1日あたり50mL/体重kgを上限としてください。
<注意事項>
・血液中の電解質を定期的にモニタリングしてください。
・組織残留性を鑑み、投与量は必要最小限にとどめてください。
・アナフィラキシーが引き起こされる可能性があるので、とくに最初の10〜20mLは患者さんの病態をよく確認しながらゆっくりと投与してください。
・投与しているあいだは、血行動態、循環血液量減少、血液希釈の程度に応じて用量を適宜調節してください。
・ボルベン輸液6%の高用量投与によって、凝固因子およびその他の血漿タンパクなどの血液中の成分が薄まる可能性があります。またそれとは関係なく血液の凝固異常が引き起こされる可能性があるので、患者さんの病態に応じてボルベン輸液6%の用量を調節した上で、必要な場合は血液製剤を使用するなど医師の判断のもと適切な処置を行ってください。 |
副作用 |
重大な副作用
・アナフィラキシー、ショック
・腎臓の能障障害
※急性腎障害などの腎臓の機能的障害が引き起こされ、腎代替療法が必要となる可能性があります。
その他の副作用
・臨床検査:血中クレアチニンの増加
血中クロールの増加、血清アミラーゼの増加、血中ナトリウムの増加、プロトロンビン時間の延長、血中ナトリウムの減少、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、血中カリウムの減少
・皮膚系:かゆみ
・血液系:貧血、赤血球減少
・呼吸器系:呼吸不全
・その他:創傷部位における出血、処置後の出血
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ヒドロキシエチルデンプン130000を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ボルベン輸液6%はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ボルベン輸液6%の有効成分
ヒドロキシエチルデンプン130000
▼代表薬の添加物
塩酸、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム
・重度の高クロール血症を患っている方
※ボルベン輸液6%は塩化ナトリウムを含むため上記症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・重度の高ナトリウム血症を患っている方
※ボルベン輸液6%は塩化ナトリウムを含むため上記症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・頭蓋内出血中の方
※頭蓋内出血がさらに悪化す可能性があります。
・うっ血性心不全、肺水腫などの水分過負荷の状態にある方
※ボルベン輸液6%によって循環血液量が増加されるため、上記症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・透析療法を受けている方
※ボルベン輸液6%に含まれる成分の体外への排泄が遅れる可能性があります。
・重症の敗血症を患っている方
※全身状態を悪化させる可能性があります。
・乏尿あるいは無尿を伴った腎不全を患っている方
使用に注意が必要な方 ・心不全を患っている方
※ボルベン輸液6%によって水分過負荷状態が引き起こされる可能性があります。
・出血性素因をお持ちの方
※現状の出血傾向がさらに助長される可能性があります。
・外傷性大出血を引き起こしている方
※ボルベン輸液6%の高用量投与によって血液成分が過度に薄まり出血がさらに悪化する可能性があります。
・敗血症を患っている方(重症の敗血症を患っている方を除く)
※重症化してしまうと、全身状態をさらに悪化させる可能性があります。
・重度の腎臓の機能的障害を患っている方
※ボルベン輸液6%によって水分過負荷の状態となり、腎臓の機能がさらに悪化する可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。(ただし、ボルベン輸液6%の母乳中への移行は不明とされています)。
・小児など
※新生児、低出生体重児を対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
上記にあてはまる方は、代用血漿増量剤を使用する事が出来ない可能性があります。 代用血漿増量剤を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 アミノ糖系抗生物質(ゲンタマイシン、カナマイシンなど)
※上記薬剤の腎臓に対する毒性をさらに増強させる可能性があります。腎臓の機能障害が引き起こされたケースでは、適切な処置を行ってください。
上記を使用している方は、代用血漿増量剤を使用する事が出来ない可能性があります。 代用血漿増量剤を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
代用血漿増量剤に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ボルベン輸液6% 【ボルベン輸液6% 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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