パルナパリンナトリウム

成分名

パルナパリンナトリウム

適応症状

血液透析/血液透析ろ過/血液ろ過など血液体外循環時の灌流血液の凝固防止

簡易説明

ローヘパは低分子量ヘパリンの一種であるパルナパリンナトリウムを成分として含んでおり、血液が固まることを阻止する薬剤です。本剤はこれまで問題となっていた、出血増悪や脂質代謝への影響、血小板活性化、骨代謝への影響を改善しました。血液透析においても単回投与が可能である点から血液ろ過や血液透析などさまざまな臨床現場において血液凝固防止薬として使用されています。

処方可能な診療科目

腎臓内科/血液内科/外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
<先発品>
ローヘパ透析用100単位/mLシリンジ20mL【製薬メーカー:エイワイファーマ】1筒455円(薬価)
ローヘパ透析用150単位/mLシリンジ20mL【製薬メーカー:エイワイファーマ】1筒618円(薬価)
ローヘパ透析用200単位/mLシリンジ20mL【製薬メーカー:エイワイファーマ】1筒823円(薬価)
ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL【製薬メーカー:エイワイファーマ】1瓶766円(薬価)

<後発品>
パルナパリンNa透析用100単位/mLシリンジ20mL「フソー」【製薬メーカー:扶桑薬品工業】1筒455円(薬価)
パルパルナパリンNa透析用150単位/mLシリンジ20mL「フソー」【製薬メーカー:扶桑薬品工業】1筒618円(薬価)
パルナパリンNa透析用200単位/mLシリンジ20mL「フソー」【製薬メーカー:扶桑薬品工業】1筒823円(薬価)
パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」【製薬メーカー:ILS】1瓶809円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

<ローヘパ透析用100単位・150単位・200単位/mLシリンジ20mL>
2006年9月発売
<ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL>
1998年11月発売

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ローヘパ透析用100単位・150単位・200単位/mLシリンジ20mL、ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL【製薬メーカー:エイワイファーマ】

関連製品(ジェネリック)

パルナパリンNa透析用100単位・150単位・200単位/mLシリンジ20mL「フソー」【製薬メーカー:扶桑薬品工業】
パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」【製薬メーカー:ILS】

海外での使用実績

以下の国々で発売されています。
イタリア/中華人民共和国/インド/メキシコ/インドネシア/韓国/トルコなど

効果・作用

ローヘパは低分子量ヘパリンの一種であるパルナパリンナトリウムを成分として含む血液凝固防止薬剤です。パルナパリンナトリウムは、これまで使用されていたヘパリンを過酸化水素と酢酸第二銅により低分子化することによって得られており、ヘパリンと同じ構造をしています。
トロンビンに対する阻害がヘパリンと比較して弱く、血液凝固時間延長を抑えつつ抗凝固作用が得られる特徴を持っています。このことから、出血性の病変がある方にも投与することができ、さらに血液透析などでも単回投与法が可能となっています。

出血性病変もしくは出血傾向のある血液透析患者55名を対象に、国内第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験を実施しています。1回投与量は、ほとんどが血液透析開始時点で1kgあたり10~15単位、透析中は毎時6~9単位/kg、投与期間は1~2週間でした。安全性と有効性が本試験より認められています。

出血性病変もしくは出血傾向のない血液透析ろ過、血液ろ過患者18名を対象に、国内第Ⅲ相試験を実施しています。投与回数は1回でした。1回投与量はほとんどが治療1時間あたり7~13単位/kg、投与期間は3週間であり、副作用も報告されなかったことから、本剤の有効性と安全性が示されました。

使用方法

出血性病変もしくは出血傾向を有しない患者には、治療1時間あたり7~13単位/kgを体外循環路内血液に単回投与します。また、15~20単位/kgを体外循環路内血液に単回投与し、体外循環開始後は毎時6~8単位/kgを持続投与します。患者の状態に応じて増量や減量が可能です。
出血性病変又は出血傾向を有する患者には、10~15単位/kgを体外循環路内の血液に単回投与し、体外循環開始してからは毎時6~9単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続投与します。

副作用

主な副作用
主に、貧血やAST/ALT上昇、頭痛、動悸などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。

血液・・点状出血、貧血(0.1%~5%未満)、鼻出血(頻度不明)
過敏症・・そう痒感、発疹(頻度不明)
皮膚・・脱毛、白斑、出血性壊死(頻度不明)
肝臓・・AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇(0.1%~5%未満)
長期投与・・骨粗鬆症、低アルドステロン症(頻度不明)
その他・・胸部圧迫感、両頬のつっぱり感、頭痛、動悸(0.1%~5%未満)

重大な副作用
<ショック、アナフィラキシー>
頻度不明ですが、血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の症状がみられた場合には投与をすぐに中止し、適切な処置を実施してください。

<血小板減少>
頻度不明ですが、ヘパリンに起因した血小板減少があらわれることがあります。血小板数が明らかに減少していたり、血栓症が疑われる異常があった際には、投与を中止してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■パルナパリンナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ローヘパの有効成分
パルナパリンナトリウム

▼代表薬の添加物
<ローヘパ透析用100単位・150単位・200単位/mLシリンジ20mL>
塩化ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム

<ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL>
塩化ナトリウム

・以前、パルナパリンナトリウムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性

使用に注意が必要な方
・高度な出血がある方は悪化する恐れがあるため使用に注意をしてください。
・以前、ヘパリン起因性血小板減少症になったことがある方は、再発しやすくなるため使用に注意をしてください。
・重篤な肝障害もしくは以前、なったことのある方は肝障害を悪化させる可能性があるため使用には注意をしてください。
・小児への有効性、安全性は確立していません。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しています。

上記にあてはまる方は、パルナパリンナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
パルナパリンナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<抗凝固剤、血栓溶解剤(ウロキナーゼ/t-PA製剤等)、サリチル酸誘導体(アスピリン等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(ジピリダモール/チクロピジン塩酸塩等)、非ステロイド性消炎剤、糖質副腎皮質ホルモン剤、デキストラン>
併用することで、出血しやすくなり恐れがあります。

<テトラサイクリン系抗生物質、強心配糖体(ジギタリス製剤)>
併用することで本剤の作用が減弱することがあります。

<筋弛緩回復剤(スガマデクスナトリウム)>
抗凝固作用が増強される恐れがあります。

上記を使用している方は、パルナパリンナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
パルナパリンナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

パルナパリンナトリウムに関する
よくある質問
過量投与してしまった場合、どのように対処したらよいでしょうか?

本剤を過量投与すると、出血性の合併症を引き起こす
リスクが考えられています。もし、過量投与をしてしまった場合には、プロタミン硫酸塩を投与してください。プロタミン硫酸塩1.2mgは本剤の100単位の効果を抑制することが示されております。

過量投与

【上記引用元:パルナパリンナトリウム 添付文書】

投与する際の注意点はありますか?

以下の3点に注意してください。①シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジに強い衝撃を与えないでください。特に低温下ではシリンジが破損しやすいので注意してください。
②押子(プランジャー)が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出するおそれがあるので押子のみを持たないよう注意してください。③押子を反時計回りに回転させないでください。

適用上の注意

【上記引用元:パルナパリンナトリウム 添付文書】

参考元一覧

パルナパリンナトリウム添付文書

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