フォンダパリヌクスナトリウム

成分名

フォンダパリヌクスナトリウム

適応症状

静脈血栓塞栓症が発症リスクの高い、次の病態における静脈血栓塞栓症の発症抑制
・下肢整形外科の手術を行う方
・腹部の手術を行う方

簡易説明

フォンダパリヌクスナトリウムは静脈血栓塞栓症の発症を抑制する目的で使用されます。血液凝固プロセスにおいて、フォンダパリヌクスはアンチトロンビンIIIと結合し、血液凝固第Xa因子と呼ばれる物質を阻害します。第Xa因子の作用は静脈における血栓生成に必須なフィブリンの形成なので、フォンダパリヌクスが第Xa因子を阻害することで結果として静脈血栓の形成を予防することになります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/消化器外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1筒あたりの目安:1.5mg約1,303円/2.5mg約1,698円/5mg約2,924円/7.5mg約3,478円
薬代後発薬1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2007年 6 月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アリクストラ皮下注1.5mg/アリクストラ皮下注2.5mg/アリクストラ皮下注5mg/アリクストラ皮下注7.5mg(サンドファーマ)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

フォンダパリヌクスナトリウムは下肢整形外科の手術を行う方や、腹部の手術を行う方の中で、静脈血栓塞栓症の発症リスクの高い方に対して静脈血栓塞栓症の発症を抑制する目的で使用されます。
静脈血栓塞栓症とは、静脈において血栓が形成されてします病態のことです。深部静脈血栓症(下肢の深部静脈に血栓ができる病態)、肺血栓塞栓症(深部静脈で発生した血栓が肺まで飛んで肺動脈が閉塞する病態)などが含まれています。血管の障害、血流が滞ること、血液凝固能の亢進などが原因ですが、視覚的に確認できる症状があまりないので早期発見が困難で、万が一急性肺血栓塞栓症を引き起こした場合の死亡率は高くなります。
この静脈血栓塞栓症は、とくに下半身の整形外科手術後に引き起こされる危険性が高く、ワルファリンカリウム、へパリンカルシウム、へパリンナトリウムなどの抗血栓薬で予防するケースが多く、フォンダパリヌクスでも同様な位置づけとなります。
フォンダパリヌクスは血液が凝固するプロセスにおいてアンチトロンビンIIIと結合し、血液凝固第Xa因子と呼ばれる物質を阻害します。第Xa因子の作用は、プロトロンビンからトロンビンを産生させ、トロンビンは静脈における血栓生成に必須なフィブリンの形成を促します。したがって、フォンダパリヌクスが第Xa因子を阻害することで結果として静脈血栓の形成を予防することができます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:フォンダパリヌクスナトリウムとして2.5mgを1日1回皮下注射してください。
腎臓に機能障害のある方のケース:腎機能のレベルに応じて1.5mg1日1回に減量してください。

<使用上の注意>
・皮下注射のみに使用に限定されています(筋肉内投与は絶対にしないでください)。
・初回使用に関しては、硬膜外カテーテル抜去または腰椎穿刺から最低でも2時間以上が経ってから行ってください。また、初回使用以降に上記の処置を行うケースにおいても、前回の使用から十分な時間をあけ、予定している次回使用タイミングの少なくとも2時間以上前に実施してください。
・初回使用時は、手術が完了して24時間が経ち、手術部位などからの出血がない状況を確認してから行ってください。また、使用した後も病態を十分にモニタリングするため、夜間などに初回投与をしないことが推奨されています(海外の臨床試験においては、手術のあと6時間以内にフォンダパリヌクスを使用したとき、出血リスクが増大したとのデータがあります)。
・フォンダパリヌクスの投与中においては血栓塞栓症の有無を、臨床症状のモニタリングや超音波検査などの実施により観察し、歩行機能が十分となり静脈血栓塞栓症の危険性が減少するまでフォンダパリヌクスの使用を続けてください(下肢整形外科手術を行う方に対しては15日間以上、腹部の手術を行う方では9日間以上継続使用したケースでの有効性および安全性は、国内臨床試験では検討されていません)。
・2回目以降の使用は、ほぼ一定の時間帯で1日1回使用することが推奨されていますが、投与タイミングをずらすケースでは、前回の使用から最低でも12時間以上の間隔をあけてから使用してください。

副作用

重大な副作用
・出血
・肝臓の機能的障害、黄疸
・アナフィラキシー、ショック

その他の副作用
・全身症状:むくみ、発熱、胸の痛み、潮紅、下肢部の痛み、疲れ、失神
・循環器系:低血圧
・血液系:貧血、血小板数の増加、凝固障害、紫斑、血小板異常、血小板の減少
・肝臓系:肝臓の機能的障害、高ビリルビン血症
・消化器系:消化不良、便秘、下痢、はきけ、お腹の痛み、胃炎、嘔吐
・皮膚系:かゆみ、発疹
・精神神経系:めまい、頭の痛み、不安、錯乱、眠気
・注射した部位:局所的反応
・その他:せき、手術部位における感染、低カリウム血症、アレルギー反応、創部分泌、呼吸困難

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・フォンダパリヌクスナトリウムを配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、アリクストラ皮下注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アリクストラ皮下注の有効成分
フォンダパリヌクスナトリウム
▼代表薬の添加物
等張化剤(塩化ナトリウム)、pH調節剤(水酸化ナトリウム、塩酸)

・出血している方(頭蓋内出血、後腹膜出血、脊椎内出血、あるいはその他の重要器官における出血を含む)
※上記出血が悪化する可能性があります。
・急性細菌性心内膜炎を患っている方
※血栓が剥離して血栓塞栓症状のような病態発症の可能性があります。
・重度の腎機能障害のある方(クレアチニンクリアランス20mL/min未満)
※フォンダパリヌクスは腎臓から排泄されるので、機能障害があると血液中の濃度が上昇し、出血リスクの増大が引き起こされる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・出血リスクの高い方(出血傾向にある方、消化管潰瘍を患っている方、頭蓋内出血後または脳脊髄や眼の手術を最近行った方など)
・ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型を患ったことがある方
・腎機能障害を患っている方
・体重が40kg未満の方
・重度の肝機能障害を患っている方
・授乳している方
・妊娠している方
・小児など
・高齢者

上記にあてはまる方は、フォンダパリヌクスナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
フォンダパリヌクスナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・血小板凝集抑制薬(アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩など)、抗凝固剤(ヘパリン、低分子ヘパリン、ワルファリンなど)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤など)
※上記薬剤との併用によって出血リスクが増大する可能性があります。

上記を使用している方は、フォンダパリヌクスナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
フォンダパリヌクスナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

フォンダパリヌクスナトリウムに関する
よくある質問
腎機能が低下している方への投与について、具体的な目安はありますか?

腎機能に障害のある方ではフォンダパリヌクスの血液中濃度が上昇して、出血リスクが増大する可能性があることから以下の基準を目安に使用してください。
・クレアチニンクリアランス20〜30:フォンダパリヌクスナトリウムとして1.5mgを1日1回
・クレアチニンクリアランス30〜50:フォンダパリヌクスナトリウムとして2.5mgを1日1回(※出血リスクが高い場合は1.5mgを1日1)アリクストラ皮下注 【アリクストラ皮下注 添付文書】

フォンダパリヌクスの効果をモニタリングする凝固能検査の指標は何がありますか?

活性化部分トロンボプラスチン時間やプロトロンビン時間など通常の凝固能検査は、フォンダパリヌクスに対する感度低く、効果をモニタリングする指標とはなりません。したがって、患者さんの臨床症状を注意深くモニタリングし、出血が確認された場合には使用を中止するなどの適切な処置を行うことが有効なモニタリング方法となります。アリクストラ皮下注 【アリクストラ皮下注 添付文書】

アリクストラ皮下注においてアレルギーが起こる可能性があると聞きましたがどのようなアレルギーですか?

アリクストラ皮下注の注射針カバーが天然ゴムラテックスを含んでいます。こちらにアレルギー反応を起こす可能性があるので使用までに問診を行うことが推奨されています。また、アレルギー歴がなくてもモニタリングを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止してください。アリクストラ皮下注 【アリクストラ皮下注 添付文書】

参考元一覧

アリクストラ皮下注 【アリクストラ皮下注 添付文書】

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