イダルシズマブ(遺伝子組換え)

成分名

イダルシズマブ(遺伝子組換え)

適応症状

イダルシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とするプリズバインド静注液2.5gを使用する事により発生する以下の状況におけるダビガトラン(プラザキサカプセル75mg/110mg)の抗凝固作用の中和に対し適応を持ちます。具体的な状況とは1)生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、2)重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時になります。

簡易説明

イダルシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるプリズバインド静注液2.5gはダビガトラン特異的中和剤になります。ダビガトランは抗凝固作用を示す直接トロンビン阻害剤です。プロドラッグであるダビガトランエテキシラートの活性本態で、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制に有効です。イダルシズマブ(遺伝子組換え)はダビガトランに対して高い親和性で結合する事により、抗凝固作用を中和します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/循環器内科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:2.5g約203,600円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

イダルシズマブ(遺伝子組換え)を主成分とするプリズバインド静注液2.5gは日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が製造販売元であり、2016年9月28日に製造販売が承認され、2016年11月18日に薬価基準に収載されました。その後2016年11月18日に販売が開始されました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

プリズバインド静注液2.5g【製薬メーカー:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国では2015年10月に承認され、発売されています。欧州では2015年11月に承認され、ドイツ、
オーストリア、イギリス、スイスなどでも発売されています。そのほかニュージーランド、オーストラリア、カナダ、韓国などでも承認・販売されています。

効果・作用

プリズバインド静注液2.5gはイダルシズマブ(遺伝子組換え)を主成分としており、これを使用する事にで生じる次の状態に対し、1)生命を脅かす様な危険な出血又は止血する事が困難な重篤な出血の発現時、2)緊急を要する手術もしくは緊急を要する処置を行うときであらかじめ重大な出血が予見できる場合において、ダビガトランの抗凝固作用により生じる出血に対して中和効果のある医薬品になります。

プリズバインド静注液2.5gの主成分であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)の薬理作用は、血漿中において、ダビガトラン及びその代謝物と高い親和性で且つ特異的に結合する事によって、ダビガトラン及びその代謝物における抗凝固作用を中和します。In vitro試験において、イダルシズマブ(遺伝子組換え)を投与した際におけるダビガトランとの結合する速度を見た結果、結合する速度は速く、しかし解離速度は遅い為、複合体は安定であることが示されています。

プラザキサ(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)の作用機序について
プラザキサカプセル75mg/110mgはトロンビンの活性を直接かつ選択的に阻害し抗凝固作用を発揮する、経口の直接トロンビン阻害剤になります。プラザキサ(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)を経口投与した場合、速やかに吸収され、エステラーゼにより加水分解さえて活性代謝物であるダビガトランに変換されます。またダビガトランの一部は、更にグルクロン酸抱合を受ける事によって、ダビガトランと同様の薬理活性を有するグルクロン酸抱合体を生成します。生体内における反応により生成されたダビガトラン、そしてそのグルクロン酸抱合代謝物は選択的かつ可逆的にトロンビンの活性部位に結合し、フィブリノゲンからフィブリンに変換するトロンビンの触媒反応を阻害する事により止血作用を発現します。

イダルシズマブ(遺伝子組換え)によるダビガトランの中和効果
臨床試験においてヒトへ投与する際の有効血中濃度を大幅に超える血漿中濃度になるような投与方法として、ダビガトランを経口及び静脈内から投与し、標的に外傷を誘起し、外傷によって生じた出血に対して投与したダビガトランの抗凝固作用について、プリズバインド静注液2.5gを投与したときの薬理効果について検討した結果、イダルシズマブ(遺伝子組換え)を静注により投与した後、5分以内に抗凝固作用における検査結果のすべてがベースライン値に戻り、15分以内に止血が誘起されました。

使用方法

通常、成人に使用する場合には、プリズバインド静注液2.5gを用いて主成分の用量として1回5gを、患者の状況に応じて点滴静注または急速静注にて投与します。ただし、点滴静注による投与方法で投与する場合、1バイアルにつき5分から10分かけて投与する事とされています。

副作用

重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー(0.2%)
ショック、アナフィラキシーを含む過敏症状が現れる事があります。

その他の副作用
血液及びリンパ系障害、神経系障害、心臓障害、血管障害、呼吸器・胸郭及び縦隔障害、胃腸障害、皮膚及び皮下組織障害、筋骨格系及び結合組織障害、一般・全身障害及び投与部位の状態の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)血液及びリンパ系障害
血小板減少症(1%未満)
2)神経系障害
脳血管発作、頭痛(1%未満)
3)心臓障害
心停止、心房血栓症、徐脈、上室性頻脈(1%未満)
4)血管障害
深部静脈血栓症、低血圧(1%未満)
5)呼吸器、胸郭及び縦隔障害
肺塞栓症(1%未満)
6)胃腸障害
下痢、びらん性胃炎(1%未満)
7)皮膚及び皮下組織障害
発疹(1%未満)
8)筋骨格系及び結合組織障害
四肢痛(1%未満)
9)一般・全身障害及び投与部位の状態
溢出、注入部位疼痛(1%未満)

上記症状等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■イダルシズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、プリズバインド静注液2.5gはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼プリズバインド静注液2.5gの有効成分
イダルシズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・氷酢酸、ポリソルベート20、酢酸ナトリウム水和物、D-ソルビトール

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①遺伝性フルクトース不耐症の患者
本剤は添加物としてソルビトールを含有する為使用には注意が必要です。
2)妊婦
妊婦、産婦への投与は検討されていません。
3)授乳婦
授乳婦への投与は検討されていません。
4)小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、イダルシズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
イダルシズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イダルシズマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
くすりを投与し始めてどのぐらいで効果が現れますか?

第Ⅰ相試験において中和に要した時間の中央値は、投与後最初の試料を採取した実験の時間に応じて、約5~6分でした。
インタビューホーム 【日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社】

薬を投与終了後どのくらいの時間持続しますか?

第Ⅰ相試験において、完全中和を達成した被験者の中和の持続時間中央値は72時間でした。
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イダルシズマブ(遺伝子組換え)はダビガトラン以外の抗凝固剤に対しても同様に止血効果はありますか?

イダルシズマブ(遺伝子組換え)はダビガトランの抗凝固作用ノミを中和する薬剤です。出血の根本的な原因を治療したり、止血作用を有する薬剤ではありません。
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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。