トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)

成分名

トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

汎発性血管内血液凝固症(DIC)

簡易説明

トロンボモデュリンアルファは汎発性血管内血液凝固症に対して効果を発揮します。天然のトロンボモジュリンを元に遺伝子組み換え技術を駆使して作られたので、トロンボモデュリンアルファの効果としてはトロンビンによるプロテイン C の活性化促進、その結果生じた活性化プロテインCが凝固第Ⅴa 因子および凝固第Ⅷa 因子を不活化、最終的にトロンビンの生成をブロックし血液凝固系の活性化をブロックする流れとなります。

処方可能な診療科目

内科/血液内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:12800U約39,726円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2008年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

リコモジュリン点滴静注用12800【製薬メーカー:旭化成ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

トロンボモデュリンアルファは汎発性血管内血液凝固症(DIC)に対して効果を発揮します。
汎発性血管内血液凝固症(DIC)は、感染症の重症例、造血器における悪性腫瘍、固形がんなどの重篤な基礎疾患をベースに合併します。汎発性血管内血液凝固症(DIC)の発生メカニズムはその基礎疾患によって異なりますが、トロンビンと呼ばれる物質が過剰に生成されることは共通です。トロンビン過剰生成の結果、全身の微小血管において血栓が生じてしまい微小循環障害が引き起こされ、各臓器における障害、あるいは消費性凝固障害、線溶系の異常亢進よって出血症状が引き起こされます。
トロンボモデュリンアルファは天然のトロンボモジュリンに対して遺伝子組み換え技術を駆使して開発されています。したがって、トロンボモデュリンアルファはトロンビンによるプロテイン C の活性化を促進することができます。その結果生じた活性化プロテインC(APC)は、凝固第Ⅴa 因子および凝固第Ⅷa 因子を不活化し、最終的にトロンビンの生成をブロック、血液凝固系の活性化をカスケード的にブロックします。
トロンボモデュリンアルファは、上記のとおりアンチトロンビンに依存しない流れで抗凝固作用を発揮するので、アンチトロンビン活性が低下している状態の方にも効果が期待され、半減期が約20時間と長く、用法が1日1回30分の点滴静注である点は簡便でありメリットと言えます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:トロンボモデュリンアルファとして1日1回体重あたり380Uを約30分かけて点滴静注します。
なお、症状に応じて、医師の判断のもと適宜減量しながら使用します。

副作用

重大な副作用
・出血(頭蓋内出血、肺出血、消化管出血などの重篤な出血)

その他の副作用
・全身障害:胸の痛み、むくみ、発熱
・皮膚系:多形滲出性紅斑様皮疹、発疹、丘疹
・消化管系:胃潰瘍
・肝臓系:ALTの上昇、ASTの上昇、黄疸、ビリルビン血症
・呼吸器系:呼吸困難
・血管系:アレルギー紫斑病
・赤血球障害:貧血
・泌尿器系:尿潜血陽性、タンパク尿、尿沈渣白血球、尿沈渣赤血球
・出血系:筋肉内出血、穿刺部位における出血、口腔内における出血、紫斑病、尿に血が混じる、鼻血、血腫、消化管出血、皮下出血、腹腔内出血、便潜血陽性、気道出血、創傷出血、胸腔内出血
・代謝系:低血糖状態、アルカリフォスファターゼ値の上昇、高カリウム血症、高コレステロール値の血症、低クロール血症、低コレステロール血症、コリンエステラーゼ低下、血中尿酸低下、高TG血症、LDHの上昇、高クロール血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、糖尿

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・トロンボモデュリンアルファを配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、リコモジュリン点滴静注用12800はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼リコモジュリン点滴静注用12800の有効成分
トロンボモデュリンアルファ
▼代表薬の添加物
pH調節剤、L-アルギニン塩酸塩

・肺出血、頭蓋内出血、消化管出血(継続的な吐血、下血、消化管潰瘍による出血など)のある方
※さらに出血が長引く可能性があります。
・妊娠している方または妊娠している可能性のある方
※動物実験:母動物の死亡(ラット)、胎児の死亡(サル)、膣からの出血(ラット、サル)が確認されています。

使用に注意が必要な方
・重篤な腎機能障害を患っている方
・劇症肝炎によってDICが引き起こされている方
・重篤な肝機能障害を患っている方
・急性前骨髄球性白血病を患ったことによってDICを発症した方
※重篤な出血系の有害事象が引き起こされる可能性が高くなります。
・過去1年のあいだで頭蓋内出血、脳梗塞などの脳血管障害を患ったことがある方
※再出血、出血性脳梗塞を引き起こし、重篤な状態になる可能性があります。
・中枢神経系疾患に対する手術または外傷後においてまだ日の浅い方
※出血がさらに悪化する可能性があります。
・白血病などの病態で末梢血白血球数が100,000/μLを超えている方
※leukostasisを引き起こす可能性が高くなります。
・小板数が50,000/μL以下の方、また検査において線溶系の過度な活性化がみられる方
※出血系の有害事象が引き起こされる可能性が高くなります。
・プロテインCの濃度が過度に低下しているリスクのある方
※プロテインCの濃度が10%以下の検出限界以下まで低下したケースでは、トロンボモデュリンアルファの効果が減弱する可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。

上記にあてはまる方は、トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・抗凝固剤(ナファモスタットメシル酸塩、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム、未分画ヘパリン、ガベキサートメシル酸塩、乾燥濃縮人アンチトロンビンIIIなど)
※併用により作用が相加的に作用し合いトロンボモデュリンアルファの作用が増強される可能性があります。その他の抗凝固剤とトロンボモデュリンアルファとの併用の安全性は不明なので、併用するケースでは慎重投与が推奨されています。また、上記薬剤を単独で使用しても効果が不十分なケースにのみトロンボモデュリンアルファとの併用を検討してください。
・血栓溶解剤(t-PA製剤、ウロキナーゼなど)
※トロンボモデュリンアルファの抗凝固作用と上記薬剤のフィブリン溶解作用によって出血するリスクが増強される可能性があります。
・血小板凝集抑制作用をもっている薬剤(ジピリダモール、アスピリン、チクロピジン塩酸塩、NSAIDsなど)
※トロンボモデュリンアルファの抗凝固作用と上記薬剤のフィブリン溶解作用によって出血するリスクが増強される可能性があります。
・デフィブロチドナトリウム
※出血傾向がさらに増強される可能性があります。

上記を使用している方は、トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
トロンボモデュリンアルファの使用中に腎機能障害が起こった時の対処法はありますか?

とくに重篤な腎機能障害が引き起こされるケースでは以下の点に注意してください。
・重篤な腎機能障害によって出血症状が引き起こされたり、それがさらに悪化したりする場合にはトロンボモデュリンアルファの使用を中止してください。
・トロンボモデュリンアルファの有効性が確認できたケースでは、凝固・線溶系マーカー、血小板数、出血状態をモニタリングしながら、用量を130U/体重kgに減量することが推奨されています。
・トロンボモデュリンアルファの有効性が確認できないケースでは、その他の薬剤への変更を検討してください(トロンボモデュリンアルファ130U/体重kgを重篤な腎機能障害を患っている方へ使用した経験が多くありません)。リコモジュリン点滴静注用12800 【リコモジュリン点滴静注用12800 添付文書】

トロンボモデュリンアルファはDIC以外の血液障害時にも使用可能ですか?

トロンボモデュリンアルファは、患者さんが臨床的にみてDICの状態であることが確認されたケースに限定して使用することとされています。リコモジュリン点滴静注用12800 【リコモジュリン点滴静注用12800 添付文書】

参考元一覧

リコモジュリン点滴静注用12800 【リコモジュリン点滴静注用12800 添付文書】

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