成分名 |
モノエタノールアミンオレイン酸塩 |
適応症状 |
・食道静脈瘤出血の止血もしくは食道静脈瘤の硬化退縮
・胃静脈瘤の退縮 |
簡易説明 |
モノエタノールアミンオレイン酸塩は、体内に注射することで緊急で起こった出血を止める効果が認められています。手術を行うよりも効果的とされており、現在は止血に加えて、2017年から胃静脈瘤の退縮にも適応を取得しています。胃静脈瘤の退縮に使用できるようになったのは、日本消化器学会からの強い要望があり、実現しました。 |
処方可能な診療科目 |
外科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
オルダミン注射用1g【製薬メーカー:富士化学工業】1g1瓶16092円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1991年10月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
オルダミン注射用1g【製薬メーカー:富士化学工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
主な海外での発売実績とと発売会社は以下の通りです。
【ペルー】販売会社:AC Farma
【アメリカ】販売会社:Questcor
【ブラジル】販売会社:Farmoquimica
【エジプト】販売会社:Eipico |
効果・作用 |
モノエタノールアミンオレイン酸塩は、静脈内に投与することで、血栓を形成し、硬化させることで止血もしくは退縮効果をもたらします。
食道静脈瘤患者の急性出血、内視鏡ステージ分類Ⅱ~Ⅳの出血既往例および非出血既往を対象として、本剤を投与した50名の効果について検討しました。
急性出血を起こした10名すべてで1週間以上の止血効果が認められました。
また、最後に投与してから1~3か月後と半年後に内視鏡を用いて効果判定を行ったところ、出血既往42例および、非出血既往37例すべてで、有効以上の効果であることが認められました。
最後に本剤を投与してから長期間出血が起こったか、起こらなかったかをみたところ、3か月以上出血がなかったのは46例中39例であり、84.8%の有効性が示されました。
胃静脈瘤患者45名を対象に、医師主導臨床試験を実施しています。
治療実施後3か月の効果観察が実施された44名のうち、胃静脈瘤が消失したのは35例であり、割合では79.5%でした。また、胃静脈瘤が完全に血栓化した割合を腹部造影CTで観察したところ、治療実施後1週間以内で70.5%であり、3か月後では93%でした。本剤の長期的な退縮効果が示されています。 |
使用方法 |
食道静脈瘤出血の止血や食道静脈瘤の硬化退縮の場合、胃カメラを使用して出血時に静脈瘤を治療する経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用います。
1バイアルあたり10mLの注射用水もしくは血管造影用X線造影剤を追加し、5%溶液にします。その後、1から5mLを食道静脈瘤内に投与します。
投与量は患者の状態によって増減することが可能ですが、1回の治療では最大20mL以内の投与量としてください。
胃静脈瘤の退縮の場合、バルーンカテーテルを用いるバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術に用います。1バイアルあたり10mLの注射用水もしくは血管造影用X線造影剤を追加し、5%溶液にします。その後、1kgあたり0.4mL以内を胃静脈瘤内に投与します。
1回の治療では最大30mL以内の投与量としてください。 |
副作用 |
主な副作用
主な副作用はAST・ALT・ビリルビン上昇、発熱、食道狭窄、血色素尿・クレアチニン・BUN上昇、CK上昇、アルブミン低下などがあげられます。
血液・・溶血(5%以上)、白血球増多/貧血(赤血球/ヘモグロビン/ヘマトクリットの減少)/血小板減少(1~5%未満)、白血球減少(1%未満)
腎臓・・肉眼的血色素尿/BUN/クレアチニンの上昇(1~5%未満)、蛋白尿(1%未満)
肝臓・・LDH,ビリルビンの上昇(5%以上)、AST(GOT)/ALT(GPT)の上昇/アルブミン低下(1~5%未満)、γ-GTP/ALP/尿ウロビリノーゲンの上昇/血清総蛋白低下(1%未満)
食道・・食道狭窄/食道潰瘍/食道静脈瘤(1~5%未満)、食道内巨大血腫/食道びらん・潰瘍出血(1%未満)、食道静脈瘤出血(頻度不明)
消化器・・腹痛(5%以上)、出血性胃炎/胃・十二指腸潰瘍出血(頻度不明)
胸部・・胸痛(1~5%未満)、胸水貯留/縦隔炎(1%未満)
中枢神経系・・血圧上昇/頭痛(1%未満)
循環器・・血圧低下(1%未満)
筋肉・・CK(CPK)上昇(1~5%未満)
その他・・発熱(5%以上)、嘔気,心窩部痛(1%未満)、菌血症(頻度不明)
重大な副作用
<ショック>
0.1%未満の発現率ですが、もし症状が現れた場合には投与を中止し適切な処置をしてください。
<急性腎障害>
0.1%未満の発現率ですが、内皮細胞が傷つけられることで急性腎障害に至ることがあります。定期的に血液検査をしてください。
<播種性血管内血液凝固症>
0.1%未満の発現率ですが、定期的に血液検査をするなどして異常がないか確認してください。
<肝性昏睡>
頻度不明ですが、もし症状が現れた場合には投与を中止し医療機関を受診してください。
<重篤な血栓症>
門脈血栓が1%未満、肺塞栓・脳血管障害が頻度不明として報告されています。適応範囲外に投与することは避けるとともに、異常が認められた場合は、すぐに投与を中止してください。
<食道穿孔>
<胃潰瘍>
巨大な胃潰瘍が発現した報告がありますので、患者の状態を観察しながら投与してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■モノエタノールアミンオレイン酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オルダミン注射用1gの有効成分
モノエタノールアミンオレイン酸塩
▼代表薬の添加物
ベンジルアルコール
・以前、モノエタノールアミンオレイン酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・ショックあるいは前ショック状態にある方は症状が悪化する可能性があるため、使用できません。
・多臓器障害もしくははDICと呼ばれる播種性血管内血液凝固症の方は、症状が悪化する可能性があるため、使用できません。
・胃潰瘍出血・十二指腸潰瘍出血もしくは胃びらん出血のある方は、出血が悪化する可能性があるため使用できません。
・全身衰弱状態・心肺機能低下など内視鏡検査のリスクがある方は、内視鏡の挿入操作により症状が悪化する可能性があるため使用できません。
・心肺や腎に重篤な合併症を有する方は、心肺機能や腎障害が悪化する可能性があるため使用できません。
使用に注意が必要な方 ・重篤な肝障害のある方は、肝障害を悪化させる可能性があります。
・腎障害のある方は、腎障害を悪化させる可能性があります。
・全身消耗性疾患を有する方は、症状が悪化する可能性があります。
・心/脳血管障害のある方は、症状が悪化する可能性があります。
上記にあてはまる方は、モノエタノールアミンオレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 モノエタノールアミンオレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <ポリドカノール製剤>
併用すると,食道に潰瘍が出来たりや食道狭窄,胸水貯留の発現率が高くなったりすることが報告されています。
上記を使用している方は、モノエタノールアミンオレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 モノエタノールアミンオレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
モノエタノールアミンオレイン酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
モノエタノールアミンオレイン酸塩 添付文書 |
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