トロンビン

成分名

トロンビン

適応症状

<トロンビン液モチダソフトボトル5千/1万>
通常の縫合や手術(結紮)によって止血が難しい下記の出血。
・小血管、毛細血管及び実質臓器からの出血

具体的な例としては以下の通りです。
・外傷に伴う出血/手術中の出血/骨性出血/膀胱出血/抜歯後の出血/鼻出血もしくは上部消化管からの出血等

<経口用トロンビン細粒5千単位/1万単位>
上部消化管出血

簡易説明

トロンビンは血液凝固因子の1つで、血液を固める過程の最終段階で重要な働きをしています。本剤は血液がとまらない症状に対して、止血する役割を持っています。上部消化管以外からの出血がある場合は、ソフトボトルのみ使用できます。牛乳や炭酸と混ぜて服用することができます。現在日本では持田製薬が販売しています。ジェネリックも複数種類販売しております。

処方可能な診療科目

心臓外科/脳神経外科/循環器内科/一般内科/一般外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
<先発品>
トロンビン液モチダソフトボトル5千【製薬メーカー:持田製薬】1キット1029.7円(薬価)
トロンビン液モチダソフトボトル1万【製薬メーカー:持田製薬】1キット1321.2円(薬価)
経口用トロンビン細粒5千単位【製薬メーカー:持田製薬】1包845.4円(薬価)
経口用トロンビン細粒1万単位【製薬メーカー:持田製薬】1包1268.6円(薬価)

<後発品>
トロンビン経口・局所用液5千「F」 【製薬メーカー:富士製薬工業】1瓶677.2円(薬価)
トロンビン経口・外用剤5千「F」【製薬メーカー:富士製薬工業】1瓶754.9円(薬価)
トロンビン経口・外用剤1万「F」【製薬メーカー:富士製薬工業】1瓶1139.7円(薬価)
経口用トロンビン細粒0.5万単位「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】1包354円(薬価)
経口用トロンビン細粒1万単位「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】1包406.1円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

<トロンビン液モチダソフトボトル5千/1万>2003年7月発売
<経口用トロンビン細粒5千単位>1994年8月発売
<経口用トロンビン細粒1万単位>1992年7月発売

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

・トロンビン液モチダソフトボトル5千/1万/経口用トロンビン細粒5千単位/1万単位【製薬メーカー:持田製薬】

関連製品(ジェネリック)

・トロンビン経口・局所用液5千「F」/トロンビン経口・外用剤5千「F」/トロンビン経口・外用剤1万「F」【製薬メーカー:富士製薬工業】
・経口用トロンビン細粒0.5万単位「サワイ」/経口用トロンビン細粒1万単位「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】

効果・作用

トロンビンは、血液凝固因子の1つで、血液を固める過程の最終段階で重要な働きをしています。本剤は、蛋白分解酵素であり、血を止める薬剤として使用されております。
有効性に関しては、上部消化管出血に対する臨床試験が行われています。上部消化管から出血をしている72例を対象として、経口のトロンビン細粒を投与しました。方法としては、1回1万~4万単位を緩衝剤に溶かして、1日1~6回を3日間以上服用としています。内視鏡を通じた投与あるいは胃ゾンデ注入、もしくは経口投与をと限定しています。臨床試験に参加した症例のうち、評価対象となった58例中49例に止血効果が認められ、止血割合は84.5%でした。なお、止血の効果判定は、【有効】:投与1週間後の内視鏡検査で投与7日以内に血が止まりし、再出血しなかった例、【無効】:再出血が確認された、もしくは投与7日後にも止血し得なかった例と定義しました。

また、上部消化管以外への有効性に関しては、以下、毛細血管や小血管、実質臓器からの漏出性出血、に対する効果が認められています。


<泌尿器関連>
前立腺切除術等・泌尿器科関連のオペにともなう出血(例:膀胱出血)・癌性出血

<外科/口腔外科/整形外科関連>
外傷の創・切開による創・裂傷・挫傷またはさまざまな外科手術にともなう出血・骨性出血・口腔外科手術にともなう出血

<耳鼻咽喉科関連>
鼻出血または副鼻腔や口蓋・兎唇・鼓室形成術等の手術タイミング

<皮膚関連>
火傷・熱傷等にともなう植皮術時または形成手術タイミング

<産科/婦人科関連>
出血性子宮腟部びらん・子宮癌末期の出血・癌生検タイミングでの出血等の産科、婦人科関連の出血

<歯科関連>
抜歯・歯根切除タイミングでの出血・歯肉出血

<その他>
食道出血・胃出血など上部消化管もしくは下部消化管からの出血

使用方法

<トロンビン液モチダソフトボトル5千/1万>
上部消化管出血以外は、血が出ている箇所に直接噴射またはそそぐか、まきちらしてください。なお、出血の部位及び程度によって薬剤量は増減可能です。
上部消化管からの出血は、緩衝剤で希釈済みの液を経口で服用します。なお、出血の部位及び程度により薬剤量は増減可能です。

<経口用トロンビン細粒5千単位/1万単位>
緩衝剤で希釈済みの液を経口で服用します。なお、出血の部位及び程度により薬剤量は増減可能です。

副作用

主な副作用
主に、ショック、凝固異常、異常出血、発疹や発赤、嘔気、発熱などがあげられます。
いずれも頻度不明として報告されています。

重大な副作用
・ショック(頻度不明)
呼吸困難、チアノーゼ、血圧降下等があらわれた場合は、初期症状の可能性があるため投与を中止してください。
・凝固異常(頻度不明)、異常出血(頻度不明)
ウシ由来トロンビン投与により、抗ウシ・トロンビン抗体及び抗第Ⅴ因子抗体を生じ、凝固異常あるいは異常出血が認められたとの報告があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
<使用できない方>
■トロンビンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼トロンビンの有効成分
トロンビン

▼代表薬の添加物
【トロンビン液モチダソフトボトル5千/1万】
濃グリセリン、L-アルギニン、塩化ナトリウム、氷酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル

【経口用トロンビン細粒5千単位/1万】
ゼラチン(ブタ皮由来)、D-マンニトール、精製白糖

・以前、トロンビンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・重篤な肝障害、播種性血管内凝固症候群(DICと呼ばれています)など網内系活性の低下が考えられる病態を有する方は、わずかな量のトロンビンが血管の中に入り込むことにより、血管内で血栓を形成してしまうおそれがあります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児

上記にあてはまる方は、トロンビンを使用する事が出来ない可能性があります。
トロンビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
<ヘモコアグラーゼ(レプチラーゼ)、トラネキサム酸(トランサミン)、アプロチニン>
血栓形成傾向があらわれるおそれがあります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

トロンビンに関する
よくある質問
上部消化管出血に対しトロンビン液モチダソフトボトルを経口投与する時に使用する緩衝剤にはどのようなものがありますか?

上部消化管出血に対しトロンビン液モチダソフトボトルを経口投与する時に使用できる緩衝剤として、牛乳、リン酸緩衝液、0.5%重曹水があります。これらはトロンビンと配合変化を起こすことなく、胃酸を中和する作用があることがin vitroの試験で確認されています。
牛乳は調製する手間が必要なく、便利です。牛乳を飲むことができない患者さんの場合は、緩衝液の調製が必要となります。比較的簡便に調製できるのは0.5%重曹水です。
なお、アジ化ナトリウム等の防腐剤を含有している市販の緩衝液は使用しないでください。

トロンビン液モチダソフトボトル 製品Q&A

【上記引用元:持田製薬株式会社医療関係者向けサイト】

トロンビン液モチダソフトボトルを妊婦に投与できますか?

妊婦に対する臨床試験は実施しておらず、安全性が確立していないことから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

トロンビン液モチダソフトボトル 製品Q&A

【上記引用元:持田製薬株式会社医療関係者向けサイト】

参考元一覧

トロンビン液モチダソフトボトル5千/トロンビン液モチダソフトボトル1万添付文書

経口用トロンビン細粒5千単位/経口用トロンビン細粒1万単位添付文書

トロンビン液モチダソフトボトル5千/トロンビン液モチダソフトボトル1万インタビューフォーム

経口用トロンビン細粒5千単位/経口用トロンビン細粒1万単位添付文書

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。