エルゴメトリンマレイン酸塩

成分名

エルゴメトリンマレイン酸塩

適応症状

子宮復古不全の子宮収縮促進/出血治療/出血予防
人工妊娠中絶の子宮収縮促進/出血治療/出血予防
胎盤娩出後の子宮収縮促進/出血治療/出血予防
流産の子宮収縮促進/出血治療/出血予防

簡易説明

麦角アルカロイド系の子宮収縮止血薬です。子宮の収縮を引き起こし、陣痛を促進したり増強させたりする作用があります。出産時に、なかなか赤ちゃんが下りてこずに分娩にならなかったり、母子ともに体力的な問題があったりする場合、子宮を収縮させて陣痛を促すために使われます。また、出産後では、子宮を元の大きさに戻し、出血を防ぎます。主に、出産後で子宮の回復が遅い時や、流産や人工妊娠中絶の後に使用されます。

処方可能な診療科目

内科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:0.125mg10.1円(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:0.2mg59円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1971年5月

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

メチルエルゴメトリン錠0.125mg「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】
パルタンM錠0.125mg【製薬メーカー:持田製薬】
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩錠0.125mg「F」【製薬メーカー:富士製薬工業】

関連製品(ジェネリック)

パルタンM注0.2mg 【製薬メーカー:持田製薬】
メチルエルゴメトリン注0.2mg「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「F」 【製薬メーカー:富士製薬工業】

効果・作用

子宮の筋肉を収縮させて、出血を抑制する作用があります。出産後など、子宮を元の大きさに戻すのを助けます。また、出血を予防したりおさえたりする働きもあります。

▼薬効薬理
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩は、バッカクアルカロイドをメチル化した合成化合物です。エルゴメトリンと比べて、子宮収縮作用の強さと持続性が上昇してます。臨床的には子宮収縮薬として使用されます。
▼作用機序
子宮平滑筋に選択的に作用し、子宮を持続的に収縮させます。子宮血管を圧迫して止血効果をあらわします。
▼子宮収縮作用
臨床的には子宮収縮薬として使用されます。妊娠子宮に対してのみ収縮作用があります。非妊娠子宮にはほぼ作用しません。血圧上昇作用はエルゴメトリン、エルゴタミンより弱くなります。
▼「子宮収縮剤」と「陣痛促進剤」の違い
違い陣痛の促進のみに使用されるわけではありません。子宮収縮剤は、分娩前・分娩後・流産・死産のときに、子宮の中にたまったものを排出するために使用されることもあります。
▼メチルエルゴメトリンが陣痛促進剤ではない理由
一般的に麦角アルカロイドは、子宮平滑筋のα受容体を刺激し、少量では律動的な収縮、多量では強縮させます。また、β受容体の刺激は子宮筋を弛緩させます。子宮のα・β受容体の存在比は、性ホルモンに依存するので、麦角アルカロイドに対する感受性は子宮の生理状態で異なり、妊娠末期でメチルエルゴメトリンを投与すると強い収縮が生じます。これにより陣痛促進薬としては不適切で、産後の胎盤剥離促進、出血防止に使われます。

使用方法

成人1回0.125~0.25mgを1日2~4回経口投与してください。
※症状により適宜増減します。

副作用

主な副作用
過敏症、発疹、動悸、頻脈、徐脈、胸痛、胸部圧迫感、血圧上昇、血圧低下、静脈血栓、末梢循環障害

重大な副作用
アナフィラキシー、心筋梗塞、狭心症、冠動脈攣縮、房室ブロック

その他の副作用
血管痙攣、痙攣、頭痛、めまい、眠気、耳鳴、幻覚、興奮、口渇、錯感覚、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、筋痙攣、胎盤嵌頓、多汗

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/授乳者

■エルゴメトリンマレイン酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方メチルエルゴメトリンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼メチルエルゴメトリンの有効成分
エルゴメトリンマレイン酸塩
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム(等張化剤)、酒石酸

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、エルゴメトリンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
エルゴメトリンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
リトナビル
アタザナビル
ホスアンプレナビル
ダルナビル
エファビレンツ
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール
ボリコナゾール
ポサコナゾール
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
シメチジン
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
スチリペントール
スマトリプタン
ゾルミトリプタン
エレトリプタン
リザトリプタン
ナラトリプタン
ブロモクリプチン
ネビラピン
リファンピシン類
グレープフルーツジュース
ニルマトレルビル・リトナビル

上記を使用している方は、エルゴメトリンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
エルゴメトリンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
HIVプロテアーゼ阻害剤
アゾール系抗真菌剤
コビシスタットを含有する製剤
レテルモビル
5-HT1B/1D受容体作動薬
エルゴタミン・カフェイン・イソプロピルアンチピリン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

エルゴメトリンマレイン酸塩に関する
よくある質問
乳汁へ移行はしますか?

母乳中に移行することが報告されている

インタビューフォームメチルエルゴメトリン錠0.125mg「あすか」

【上記引用元:あすか製薬株式会社】

静脈注射の場合注意することはありますか?

静脈内注射は血圧等に注意しながら徐々に行うこと(特に麻酔剤、昇圧剤等を併用する場合)。

インタビューフォームメチルエルゴメトリン錠0.125mg「あすか」

【上記引用元:あすか製薬株式会社】

参考元一覧

インタビューフォームメチルエルゴメトリン錠0.125mg「あすか」【あすか製薬株式会社】

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