ロミプロスチム(遺伝子組換え)

成分名

ロミプロスチム(遺伝子組換え)

適応症状

・慢性特発性血小板減少性紫斑病
・これまでの治療で効果が不十分な再生不良性貧血

簡易説明

ロミプロスチム(遺伝子組換え)は、血小板を増やす、もしくは維持する薬剤です。血小板以外にも赤血球や好中球も増やすことが分かっていることが特徴です。日本では協和キリンが開発・販売をしており、世界でも70か国以上で販売されています。薬剤の相互作用がないため、一緒に使えない薬剤がなくさまざまな薬剤と併用しやすいです。

処方可能な診療科目

血液内科/小児科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ロミプレート皮下注250μg調製用【製薬メーカー:協和キリン】1瓶71209円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2011年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ロミプレート皮下注250μg調製用【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ロミプロスチム(遺伝子組換え)は、血小板を増やす薬剤で、慢性特発性血小板減少性紫斑病や再生不良性貧血に使用されます。
巨核球系前駆細胞に直接的に作用することで効果を発揮します。また、TPO受容体に結合し、活性化させることにより、巨核球系前駆細胞の増殖や分化を促進しています。加えて、骨髄造血幹細胞や造血前駆細胞にも作用することがわかっており、細胞の分化や増殖を同じく促進します。
TPO受容体は、骨髄のさまざまな場所に発現しており、TPO受容体を活性化させることが多くの種類の血球を生み出すことにつながるとされています。結果、血小板だけではなく赤血球や好中球の増加ももたらします。

過去に1種類以上、慢性特発性血小板減少性紫斑病にかかったことがあり、血小板数が30,000/μL未満の血小板減少のある成人慢性特発性血小板減少性紫斑病患者を対象に、臨床試験を実施しています。脾臓摘出の経験有無はといませんでした。本剤群22例、プラセボ群12例にわりあてられ、本剤を1kgあたり3μgから投与開始しました。12週間の投与期間において、血小板数が50,000/μL以上に増加する血小板反応が認められた週の数は、本剤群で9.5±3.3週、プラセボ群で0.2±0.4週であり、本剤群で有意に高い値であることが示されました。

過去に1種類以上の慢性特発性血小板減少性紫斑病にかかったことがあり、血小板数が30,000/μL未満の成人慢性特発性血小板減少性紫斑病患者63名を対象に試験を実施しました。本剤群42例、プラセボ群21例をわりあて、本剤を1kgあたり1μgから投与開始しました。
24週間の投与期間において、持続血小板反応が認められた患者の割合は、本剤群で38.1%、プラセボ群で0%でした。明らかな本剤群での効果が認められました。

抗胸腺細胞免疫グロブリンを含む免疫抑制療法で効果不十分、もしくはシクロスポリンで効果不十分かつ抗胸腺細胞免疫グロブリンが適用とならない成人再生不良性貧血患者31名を対象に試験を実施しました。日本人24例、韓国人7例をわりあて、本剤を1kgあたり10μgで週1回投与を開始し、血球数等にあわせて用量を5~20μg/kgの間で調整しました。投与27週目の血液学的反応率は、83.9%でありました。なお、本臨床試験において血液学的反応率は1系統以上の血球に改善を認めた患者の割合と定義しています。

使用方法

慢性特発性血小板減少性紫斑病の場合、初回投与量1kgあたり1μgを皮下投与します。投与開始後、血小板数や状態に応じて投与量を随時増減し、週1回皮下投与してください。最高投与量は週1回1kgあたり10μg/kgとしています。

既存治療で効果不十分な再生不良性貧血に使用する場合、初回投与量1kgあたり10μgを皮下投与します。投与開始後、患者の症状に合わせて投与量を増減し、週1回皮下投与してください。最高投与量は週1回1kgあたり20μgとしています。

副作用

主な副作用
主に頭痛などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

血液およびリンパ系障害・・血小板血症/血小板減少症(1~10%未満)、貧血(1%未満)
精神障害・・不眠症(1~10%未満)、うつ病(1%未満)
神経系障害・頭痛(10%以上)、浮動性めまい/錯感 覚( ピリピリ感等)(1~10%未満)、感覚鈍麻/嗜眠/片頭痛/末梢性ニューロパチー/味覚異常(1%未満)
血管障害・・ほてり/潮紅/高血圧(1%未満)
呼吸器/胸郭および縦隔障害・・呼吸困難/咳嗽/鼻出血(1%未満)
胃腸障害・・悪心/下痢/腹痛(1~10%未満)、嘔吐/上腹部痛/腹部不快感/消化不良/便秘(1%未満)
皮膚および皮下組織障害・・発疹/そう痒症(1~10%未満)、脱毛症/斑状出血/そう痒性皮疹/点状出血/多汗症(1%未満)
筋骨格系および結合組織障害・・関節痛/筋肉痛/四肢痛/筋痙縮/筋骨格痛/背部痛(1~10%未満)、骨痛/筋骨格系胸痛/筋力低下/筋骨格硬直(1%未満)
全身障害および投与局所様態・・疲労、注射部位反応(疼痛、血腫、刺激感、腫脹、紅斑、出血、発疹を含む)、浮腫(末梢性浮腫、全身性浮腫、顔面浮腫を含む)、 発熱、倦怠感、疼痛、感冒様症状、悪寒、無力症(1~10%未満)、胸痛(1%未満)
その他・・食欲不振、挫傷、回転性めまい(1~10%未満)、鼻咽頭炎、血小板数増加、イン
フルエンザ、体重減少、膣出血、動悸、フィブリンDダイマー増加(1%未満)

重大な副作用
<血栓症や血栓塞栓症>
肺塞栓症(0.8%)、深部静脈血栓症(0.8%)、心筋梗塞(0.6%)、血栓性静脈炎(0.5%)の割合でそれぞれ発現する可能性がありますので注意をしてください。
<骨髄レチクリン増生>
1.7%の割合で発現し、骨髄線維化があらわれる可能性があります。血球系の形態異常もしくは血球減少があらわれた場合は、初期症状の可能性がありますのですぐに投与を中止してください。また定期的に骨髄生検や特殊染色などを実施してください。
<出血>
本剤を投与中止した後にあらわれる可能性があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ロミプロスチムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ロミプレートの有効成分
ロミプロスチム
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、精製白糖、L-ヒスチジン、ポリソルベート20、希塩酸
・以前、ロミプロスチムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の方もしくは以前かかった方は、血栓症あるいは血栓塞栓症を起こす可能性があるため使用には注意をしてください。
・抗凝固剤もしくは抗血小板剤を使用中の方は、本剤の投与を中止すると出血リスクが上昇する可能性があるため、使用には注意をしてください。
・腎機能障害患者は臨床試験を実施していないため、使用する際には慎重に投与をしてください。
・肝機能障害患者は臨床試験を実施していないため、使用する際には慎重に投与をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性、または授乳婦は、投与するメリットがあるとされる場合にのみ検討してください。
・18歳未満の小児に対しては、臨床試験を実施していないため、使用する際には慎重に投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、使用する際には注意をしてください。

上記にあてはまる方は、ロミプロスチム(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ロミプロスチム(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ロミプロスチム(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
薬剤を調整するときに注意をすることはありますか?

本剤は1回で使い切るタイプのバイアルです。注射用水0.72mLで溶解をしますが、正確に値をはかるために0.01mLもしくは0.1mLの目盛り注射器を用いてください。また、注射用水以外で溶解は絶対にしないでください。

適用上の注意

【上記引用元:ロミプレート皮下注250μg調製用 医薬品インタビューフォーム】

定期的に行わなければならない検査はありますか?

血小板測定は毎週行ってください。血小板が安定するまで少なくとも4週間は用量調節はしないでください。血小板数が50,000/μLと安定した後でも4週間に1回を目安に血小板数は必ず測定し続けてください。

用法及び用量に関する注意

【上記引用元:ロミプレート皮下注250μg調製用 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ロミプレート皮下注250μg調製用 添付文書

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。