成分名 |
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
アデノシンデアミナーゼ欠損症 |
簡易説明 |
アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症は指定難病に分類される、遺伝子変異により核酸代謝酵素のADAが欠損する極めてまれな疾患です。
帝人ファーマ株式会社が製造販売しているレブコビ筋注2.4mgの主成分であるエラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)は遺伝子組換えADA酵素製剤であり、ADA欠損症に対するADA酵素補充療法として、治療効果のある医薬品として開発されました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1瓶あたりの目安:2.4mg約862,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
原発性免疫不全症候群は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品としてレブコビ筋注2.4mgが、帝人ファーマ株式会社により2019年3月26日に製造販売が承認され、2019年5月22日には薬価基準に収載。その後2019年5月29日に販売が開始となりました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
レブコビ筋注2.4mg【製薬メーカー:帝人ファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
米国ではrevcovi_injection(販売名)としてleadiant_biosciences,_inc(会社名)が2018年10月に承認を受け、効能・効果は成人及び小児の重症複合免疫不全症を伴うアデノシンデアミナーゼ欠損症です。 |
効果・作用 |
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)はアデノシンデアミナーゼ欠損症にたいして効果のある医薬品になります。
【作用機序】
アデノシンデアミナーゼはアデノシン、デオキシアデノシンをそれぞれイノシン、デオキシイノシンへ代謝を行うプリン代謝経路のける酵素です。アデノシンデアミナーゼ遺伝子の変異によって発症するアデノシンデアミナーゼ欠損症では、アデノシンデアミナーゼ酵素の基質やリン酸化した基質が蓄積し、これらが主に免疫細胞に対して細胞毒として働くことによって、進行性に免疫不全を招きます。アデノシンデアミナーゼ欠損症のその他の特徴には肺障害があり、一般的に免疫不全によって引き起こされる二次的な病態と考えられていますが、アデノシンデアミナーゼ欠損による一時的な病態の可能性も示唆されています。
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品としてレブコビ筋注2.4mgは、欠損したアデノシンデアミナーゼの補充療法として機能し、ポリエチレングリコールを不可する事により、生体内からのクリアランスを遅延させ、分解酵素による代謝を低減して薬剤の半減期を延長させました。筋肉内に投与された本剤は、血液を循環し、血液中に蓄積したアデノシン及びデオキシアデノシン濃度が正常化され、免疫機能等の改善が図られると考えられています。
【薬理作用】
アデノシンデアミナーゼ欠損マウスにおいて、本剤は脾臓及び胸腺における細胞内アデノシン濃度及びデオキシアデノシン濃度の減少、胸腺及び脾臓重量の回復、T細胞及びB細胞数の回復、生存率の改善効果が認められています。 |
使用方法 |
通常、エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)として0.2mg/kgを1週間に1回筋肉内に注射します。なお、患者の状態に応じては適宜増減する事が認められていますが、1回あたりの最大投与量としては0.3mg/kgとされています。
但し、速やかにADA活性を上昇させる必要がある場合には、1回0.2mg/kgを1週間に2回筋肉内に注射する事が可能です。
【注意事項】
1)本剤投与中においては、血清中アデノシンデアミナーゼ活性値、またリンパ球数等の免疫に関する臨床検査値、及び臨床症状等については定期的に確認する事とし、患者の状態に応じて投与量を調節する事が認められています。更に投与量を調節する場合には、原則として4週間毎に検討を行い、1回あたり0.033mg/kgまでの範囲で増減する事とされています。
2)通常、本剤の投与は1週間に1回ですが、ADA欠損に伴う免疫不全症状が重度を判断され、速やかにADA活性を上昇させる必要がある場合にのみ、1回あたりの最大投与量を0.2mg/kgとしたうえで、投与回数を週2回(3日~4日に1回:1週あたりの最大投与量として0.4mg/kg)にする事ができます。 |
副作用 |
その他の副作用
注射部位の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)注射部位
注射部位不快感(頻度不明)
注射部位不快感等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。また、記載ない副作用と思われるような症状が出る場合にも速やかに主治医に相談を行うようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分及び添加物に対し過敏症の既往歴のある患者
■エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、レブコビ筋注2.4mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、投与できません。
▼レブコビ筋注2.4mgの有効成分
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム七水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物
使用に注意が必要な方 1)妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を行う事とされています。
臨床試験での妊婦、産婦等への使用経験はありません。
ADA欠損症患者で2例の妊娠成功例が報告されましたが、催奇形性作用の報告はされませんでした。
また動物実験において、胎児に対する催奇形性は認められませんでした。
2)授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討する事とされています。動物を用いた乳汁移行試験の実施はしていません。
臨床試験における授乳婦等への投与経験はありません。
3)小児等、高齢者
設定されていません。
上記にあてはまる方は、エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)ビダラビン(ビダラビン点滴静注用300mg「F」)、ネララビン(アラノンジー静注用250mg)
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)のアデノシンデアミナーゼ活性により、ビダラビン、及びネララビンが代謝される為、本剤との併用は注意が必要です。
2)ペントスタチン(コホリン静注用7.5mg)
ペントスタチンのアデノシンデアミナーゼ酵素の阻害により、併用によりエラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)の作用が減弱する恐れがある為併用には注意が必要です。
上記を使用している方は、エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【帝人ファーマ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】 |
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