アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

ファブリー病

簡易説明

アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるリプレガル点滴静注用3.5mgはαーガラクトシダーゼ酵素製剤になります。酵素製剤を点滴で補充する事により、蓄積したグロボトリアオシルセラミドを分解させる治療法です。酵素補充療法は、全てのファブリー病患者に対して有効ですが、2週間に1回の点滴治療を続ける必要があります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/耳鼻咽喉科/腎臓内科/心臓内科外科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:3.5mg約271,600円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

ファブリー病は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

アガルシダーゼアルファを主成分とする医薬品であるリプレガル点滴静注用3.5mgは2006年10月20日に製造販売が承認され、2006年12月1日に薬価基準に収載されました。その後、2007年2月15日に販売開始となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

リプレガル点滴静注用3.5mg【製薬メーカー:武田薬品工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

英国においてTakeda UK Ltd(会社名)がReplagal 1mg/ml concentrate for solution for infusion. (販売名)を2001年8月に承認されています。

効果・作用

アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるリプレガル点滴静注用3.5mgはファブリー病に対して効果のある医薬品になります。

【ファブリー病とは】
ファブリー病は、細胞内ライソゾームの酵素αーガラクトシダーゼA(GLA)の遺伝子変異によって発症する先天代謝異常症になります。GLAの酵素活性が低下する事により、基質のグロボトリアオシルセラミド(別名セラミドトリヘキソシド)が腎臓や心筋、血管内皮細胞、汗腺、自律神経節、角膜などの組織に蓄積する事により病変を呈し、全身において組織障害が認められます。その症状は、発汗障害や四肢末端痛、脳血管障害、心機能障害、腎機能障害、下痢・腹痛などの消化器症状、難聴・眩暈等の耳鼻科的症状、角膜混濁、被角血管腫など様々な臨床症状を呈します。
【病状・病型】
ファブリー病の典型的な症状として発汗障害や四肢末端痛がありますが、これら症状は幼児期・学童期から認められますが、30歳以降になると自然軽快する傾向があります。20歳以降よりタンパクや糸球体濾過率の低下、血清クレアチニン値の上昇などを呈する進行性の腎機能障害、30歳以降より心不全や心肥大、不整脈を呈する進行性の心機能障害、脳血管障害等の症状が認められています。

【作用機序】
アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)は、ヒトリソソーム加水分解酵素であり、基質のグロボトリアオシルセラミドの末端にαーグリコシド結合したガラクトース残基を切り離す酵素活性を保持します。また、糖たんぱく質であるアガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)は、その糖鎖のマンノースー6-リン酸残基が細胞表面のマンノースー6-リン酸レセプターに結合する事によって、細胞内に取り込まれ、細胞内に蓄積した基質のグロボトリアオシルセラミドを分解する事によりその効果を発揮します。

使用方法

【用法及び用量】
通常、アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり0.2mgを隔週、点滴静注します。

【注意事項】
本剤はファブリー病と確定診断された患者にのみ使用しなければなりません。
点滴静注において投与速度が速いと、infusion related reactionが発現しやすいので、投与は40分以上かけて行わなけれななりません。
infusion related reactionの主な症状は発熱、倦怠感、胸部不快感、悪寒、四肢疼痛、顔面潮紅、頭痛、呼吸困難、腹痛、嘔気、胸痛、掻痒、浮腫、蕁麻疹等のアレルギー反応等があります。

副作用

重大な副作用
1)アナフィラキシー(頻度不明)

その他の副作用
皮膚、精神神経系、循環器、肝臓、泌尿器、消化器、呼吸器、血液、眼、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)皮膚
ざ瘡、紅斑性発疹、掻痒(5%以上)
発疹、網状皮斑、蕁麻疹、脱毛、皮膚乾燥、皮膚剥離(5%未満)
2)精神神経系
頭痛、眩暈(5%以上)
振戦、眩暈、パニック発作、傾眠、不眠、情動変動(5%未満)
3)循環器
血圧上昇、動悸、頻脈(5%未満)
4)肝臓
AST上昇、LDH上昇(5%未満)
5)泌尿器
腎機能異常、クレアチニンクリアランス低下、クレアチニン上昇(5%未満)
6)消化器
嘔気(11.7%)、腹痛、下痢(5%以上)
口渇、胃部不快感、嘔吐(5%未満)
7)呼吸器
呼吸困難、咳嗽、肺うっ血、呼吸不全、低酸素血症(5%未満)
8)血液
好酸球増多(5%未満)
9)眼
結膜炎、流涙、瞬きが増える(5%未満)
10)その他
顔面潮紅(ほてり)(20.8%)、悪寒(20.8%)、発熱(19.5%)、疼痛(四肢疼痛、下肢痛等)(11.7%)、アレルギー反応、胸痛、浮腫、熱不耐性、背部痛、異常感覚(冷感、ピリピリ感)、疲労感、倦怠感、咽頭絞扼感(5%以上)
嗄声、神経痛、味覚異常、インフルエンザ様症状、筋肉痛、温度感覚変化、CK上昇、鼻炎、咽頭炎、知覚不全、喉頭炎、耳鳴、胸部圧迫感、熱感、胸部不快感、痺れ感、眼窩周囲浮腫、骨痛、嗅覚錯誤、いびき(5%未満)

皮膚の蕁麻疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分又はαーガラクトシダーゼ製剤に対するアナフィラキシーショックの既往歴のある患者
■アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、リプレガル点滴静注用3.5mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼リプレガル点滴静注用3.5mgの有効成分
アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・リン酸二水素ナトリウム一水和物、ポリソルベート20

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①本剤の成分又はαーガラクトシダーゼ製剤に対する過敏症の既往歴のある患者
2)妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与が認められています。
3)小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
4)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)ヒドロキシクロロキン硫酸塩(プラケニル錠200mg)
細胞内αーガラクトシダーゼの活性を阻害する可能性があり、本剤の作用が減弱する恐れがある為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アガルシダーゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
アガルシダーゼアルファを用いて治療を行う場合、Infusion related reactionの発生は投与初期に現れやすい症状ですか?

Infusion related reaction は本剤投与中又は投与終了後1時間以内に現れる事がありますが、通常本剤による治療開始してから2~4か月で発現しやすい症状です。しかし1年以降に発現した例も報告されています。
インタビューホーム 【武田薬品工業株式会社】

アガルシダーゼアルファによる治療開始後、Infusion related reactionで治療を中断した場合二度と本剤による治療はできないのでしょうか?

アガルシダーゼアルファにより生じた急性輸液反応が軽快又は消失した場合、投与再開を考慮します。再開する場合には、必要に応じ、投与速度を中断前の1/2を目安として投与を行います。また前投薬(抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤等をアガルシダーゼアルファ投与1~3時間前に投与)の処置を行うなど考慮して治療を行います。
インタビューホーム 【武田薬品工業株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【武田薬品工業株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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