成分名 |
カルボキシマルトース第二鉄 |
適応症状 |
鉄欠乏性貧血 |
簡易説明 |
カルボキシマルトース第二鉄を主成分とする医薬品であるフェインジェクト静注500mgは鉄欠乏性貧血治療剤になります。
貧血とは、末梢血中のヘモグロビン濃度が低下した状態になります。鉄欠乏性貧血はその中でも、鉄の欠乏によってヘモグロビンの産生が低下して起こる貧血になります。原因として最も多いのは女性の性器出血、次いで女性の消化管出血、男性の消化管出血が最も高い割合を示します。
鉄欠乏性貧血は鉄剤の投与により治療する事ができます。一般的に経口鉄剤での治療から開始されます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/泌尿器科/消化器内科外科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1瓶あたりの目安:500mg約6,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
カルボキシマルトース第二鉄を主成分とするフェインジェクト静注500mgは2019年3月26日に製造販売が承認され、2020年8月26日に薬価基準が収載されました。その後2020年9月1日に販売が開始されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
フェインジェクト静注500mg【製薬メーカー:ゼリア新薬工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
2007年にオランダ、英国、ドイツ、スイスで承認され、2010年にはフランスで承認されました。更に2013 年には米国で承認されました。
2021年6月現在では、世界84ヵ国で承認さています。
1)オランダ、2)英国、3)デンマーク、4)スロバキア共和国、5)ポルトガル、6)ドイツ、7)エストニア、8)スイス、9)オーストリア、10)リヒテンシュタイン、11)チェコ共和国、12)ラトビア、13)アイルランド、14)スペイン、15)スウェーデン、16)ギリシャ、17)フィンランド、18)ポーランド、19)アイスランド、20)フランス、21)ベルギー、22)韓国、23)アルゼンチン、24)ハンガリー、25)スロベニア、26)ブルガリア、27)ロシア、28)キプロス、29)ルーマニア、30)ノルウェー、31)ルクセンブルク、32)オーストラリア、33)レバノン、34)イスラエル、35)イタリア、36)シンガポール、37)ニュージーランド、38)トルコ、39)ペルー、40)ブラジル、41)イラン、42)クロアチア、43)パキスタン、44)メキシコ、45)ホンジュラス、46)米国、47)チリ、48)エクアドル、49)ボリビア、50)エルサルバドル、51)コスタリカ、52)グアテマラ、53)インド、54)ウクライナ、55)バングラデュ、56)クウェート、57)南アフリカ、58)カザフスタン、59)コロンビア、60)ヨルダン、61)ブルネイ、62)モロッコ、63)ウルグアイ、64)ベラルーシ、65)ジャマイカ、66)サウジアラビア、67)香港、68)ベネズエラ、69)ドミニカ共和国、70)ニカラグア、71)インドネシア、72)フィリピン、73)オマーン、74)カタール、75)パナマ、76)パレスチナ、77)ナミビア、78)アラブ首長国連邦、79)バーレーン、80)日本、81)アルジェリア、82)チュニジア、83)タイ、84)マレーシア
米国ではINJECTAFER(販売名)として、また欧州連合においてはFerinject (販売名)として発売されています。 |
効果・作用 |
カルボキシマルトース第二鉄を主成分とする医薬品であるフェインジェクト静注500mgは鉄欠乏性貧血にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序は、カルボキシマルトース第二鉄を投与すると、αーアミラーゼによる部分的な分解を受けながらマクロファージ内に取り込まれます。取り込まれた第二鉄はエンドソーム内にて分解されFe3+となり、Fe3+はSteap3によりFe2+へと変換された後、DMT1よりマクロファージ内に排出されます。Fe2+はフェロポーチンを介してマクロファージ外に送られます。血漿中に排出されたFe2+はセルロプラスミンによってFe3+へと変換されます。変換された鉄は血漿トランスフェリンと結合する事により体内を循環します。トランスフェリンと結合した鉄は骨髄や肝臓などへ移行します。骨髄に移行した鉄は赤芽球に取り込まれ、ヘモグロビン合成に利用される事により鉄欠乏性貧血を改善します。
1)造血作用
動物実験にて本剤を単回静脈内投与した結果、血中ヘモグロビン値が上昇したとの報告がります。
2)ヒトでの作用
臨床試験において本剤を緩徐に静注又は点滴静注したとき、血清フェリチン値は用量依存的な増加が認められました。また全ての群において、不飽和鉄結合能の低下傾向、血清トランスフェリンの緩やかな低下傾向が認められました。また網状赤血球数の増加が認められました。 |
使用方法 |
通常、成人に対して使用する場合には、体重が35kg未満の患者には、フェインジェクト静注を用いて、500mgを1回、緩徐に静注又は点滴静注します。総投与量は、鉄欠乏性貧血を患っている患者への投与を考えた場合、血中ヘモグロビン値及び患者の体重によって変りますが、体重が70kg以上の患者には、血中ヘモグロビン値によらず上限を1500mgと設定されています。1500mgを投与する場合週1回、1回あたり500mgを計3回投与する事になります。
フェインジェクト静注を使用する条件として経口鉄剤の投与が難しい場合等に限り使用する事が認められています。 |
副作用 |
重大な副作用
1)過敏症(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれる事があります。
その他の副作用
精神神経系、肝臓、消化器、皮膚、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
頭痛(4.3%)
倦怠感(0.1%~1%未満)
2)肝臓
γGTP増加、肝機能検査値上昇(1%以上)
3)消化器
上腹部痛、悪心(1%以上)
4)皮膚
蕁麻疹(1%以上)
5)その他
血中リン減少(20.1%)
発熱、月経過多(1%以上)
背部痛、投与部位疼痛(頻度不明)
皮膚症状の蕁麻疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。また報告されている副作用以外の症状がある場合でも異常を感じた場合には直ちに主治医に相談するようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)鉄欠乏状態にない患者
鉄過剰を来す恐れがある為使用できません。
2)本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
■カルボキシマルトース第二鉄を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、フェインジェクト静注500mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼フェインジェクト静注500mgの有効成分
カルボキシマルトース第二鉄
▼代表薬の添加物
・pH調整剤
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①発作性夜間ヘモグロビン尿症を合併している患者
溶血を誘発する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)肝機能障害患者
鉄過剰により肝機能障害が悪化する可能性がある為使用には注意が必要です。
3)妊婦
動物実験において過量投与した場合、胎児の奇形が、また胎盤通過性が報告されています。
4)授乳婦
臨床検査においてヒトの乳汁中への移行が認められています。
5)小児等
小児を対象とした臨床試験は実施していません。
上記にあてはまる方は、カルボキシマルトース第二鉄を使用する事が出来ない可能性があります。 カルボキシマルトース第二鉄を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
カルボキシマルトース第二鉄に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【ゼリア新薬工業株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】
適正使用のお知らせ 【ゼリア新薬工業株式会社ホームページ】
使用上の注意の開設 【ゼリア新薬工業株式会社ホームページ】 |
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