成分名 |
メテノロンエナント酸エステル |
適応症状 |
メテノロンエナント酸エステルは①骨粗鬆症、②慢性腎疾患、悪性腫瘍、手術後、外傷、熱傷などによる著しい消耗状態、③再生不良性貧血による骨髄の消耗状態に対して適応を持ちます。 |
簡易説明 |
エナント酸メテノロンをは蛋白同化ステロイドとして製造されました。このステロイドを用いた医薬品として、プリモボラン・デポー筋注100mgがあります。こちらは持続性蛋白同化ステロイド剤として使用されています。メテノロンエナント酸エステルは生体内において蛋白合成を促進させるとともに、蛋白の異化を抑制する作用を合せ持ちます。またカルシウムの沈着を促進させる作用も併せ持つため骨粗鬆症に対し効果を示します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1管あたりの目安:100mg670円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
メテノロンエナント酸エステルを主成分とするプリモボラン・デポー筋注100mgは1982年5月17日に製造販売が承認され、1962年12月28日に薬価基準に収載、その後2005年5月9日に発売となりました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
プリモボラン・デポー筋注100mg【製薬メーカー:富士製薬工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
プリモボラン・デポー筋注100mgは①骨粗鬆症、②慢性腎疾患、悪性腫瘍、手術後、外傷、熱傷などによる著しい消耗状態、③再生不良性貧血による骨髄の消耗状態にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序は、メテノロンエナント酸エステルを投与した場合、肝及び各組織並行し効果を発現します。中でも生体内蛋白合成を促進させるとともに、生体における体蛋白の異化を抑制する作用があります。また、カルシウム、リンの組織への沈着を促進させる作用も報告されています。
【カルシウム、リン貯留作用】
患者にメテノロンエナント酸エステル100mgを筋注した場合、カルシウム、リンの貯留が12日間持続します。
【N貯留作用】
患者にメテノロンエナント酸エステル100mgを筋注した場合、N貯留は注射後3日目に現れ約12日間持続し、その貯留量はテストステロンエナント酸エステルの約2倍になります。
【造血作用】
動物実験においてラットに抗がん剤投与・X線全身照射を行い、同時にメテノロンエナント酸エステル10mg/kgを3日毎に3回(合計9回)、もしくは5回(合計15回)筋肉内へ投与を行った場合、赤血球造成、血小板造成、白血球造成が見られます。
【肛門挙筋重量増加】
動物実験において去勢1週間後のラットにメテノロンエナント酸エステル10mgを皮下投与した場合、4週間後に肛門挙筋重量が最大値に達し、その後緩やかに減少します。 |
使用方法 |
メテノロンエナント酸エステルとして、通常成人に使用する場合には、1回投与量として100mgを1週間から2週間毎に筋肉内に注射を行います。なお、患者の年齢や症状によっては適宜増減する事が認められています。 |
副作用 |
重大な副作用
1)肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γーGTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸が現れる事があります。
その他の副作用
過敏症、肝臓、胃腸、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
過敏症状(頻度不明)
2)肝臓
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇(頻度不明)
3)胃腸
悪心、嘔吐(頻度不明)
4)その他
【女性】
多毛、痤瘡、月経異常、色素沈着、性欲亢進、陰核肥大、嗄声(進行すると回復困難な場合があります。通常、月経異常が先発する例が多いとの報告があります。)(頻度不明)
【男性】
痤瘡、陰萎、陰茎肥大、持続性勃起、大量継続投与による精子減少・精液減少等の睾丸機能抑制(頻度不明)
過敏症の過敏症状やその他の症状等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば前立腺がん)及びその疑いのある患者
症状を悪化させる恐れがある為使用できません。
2)妊婦又は妊娠している可能性のある女性
女性胎児の男性化を起こすおそれがある為使用できません。
3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■メテノロンエナント酸エステルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、プリモボラン・デポー筋注100mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼プリモボラン・デポー筋注100mgの有効成分
メテノロンエナント酸エステル
▼代表薬の添加物
・ゴマ油
使用に注意が必要な方 1)前立腺肥大のある患者
症状を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
2)心疾患・腎疾患のある患者
ナトリウム又は体液の貯留が現れる事がある為使用には注意が必要です。
3)肝疾患のある患者
症状を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
4)癌の骨転移のある患者
高カルシウム血症が現れる恐れがある為使用には注意が必要です。
5)高齢者
高齢者ではアンドロゲン依存性腫瘍が潜在している可能性がある事、及び一般的に生理機能が低下しているので使用には注意が必要です。
6)糖尿病の患者
耐糖能の低下が見られることがある為使用には注意が必要です。
7)授乳婦
8)小児等
骨端の早期閉鎖、性的早熟を来すことがある為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、メテノロンエナント酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 メテノロンエナント酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)副腎皮質ホルモン剤
機序は不明だが耐糖能の低下が見られることがある為併用には注意が必要です。
2)クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)
機序は不明だがこれらの作用を増強する事がある為併用には注意が必要です。
相互作用により影響を受ける医薬品は少ない為、記載されている併用注意薬以外気にすることはありません。但し基本的な注意事項として男性に投与する場合には、定期的に前立腺の検査を行う事、女性に投与する場合には、変声の可能性がある事を告げておくことが必要です。
また使用において肝機能障害、黄疸が現れる事がある為長期投与する場合には、定期的に臨床検査を行うことが必要です。
上記を使用している方は、メテノロンエナント酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 メテノロンエナント酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
メテノロンエナント酸エステルに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【富士製薬工業株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】 |
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