フィトナジオン

成分名

フィトナジオン

適応症状

・胆道障害/胃腸障害のビタミンK吸収障害
・胆道障害のビタミンK吸収障害
・ビタミンK欠乏の出血/治療/予防
・サリチル酸投与中に起こる/薬剤投与中に起こる/肝障害に伴う/抗生物質投与中に起こる/クマリン系抗凝血薬投与中に起こる低プロトロンビン血症
・新生児低プロトロンビン血症

簡易説明

ビタミンKは脂溶性(脂に溶けやすい性質)のビタミンで、骨の代謝に関与して、骨の形成を促進し骨吸収を抑える作用や、骨を強くする働き、血液を固める要因(血液凝固因子)に関係し、血液を固める働きがあります。フィトナジオンは、体内にビタミンKを補うことで、ビタミンKの働きにより骨粗しょう症の治療や出血傾向などの改善へ使用されております。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠5mg 約11.5円~
薬代後発薬1錠の目安:1錠5mg 約5.7円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1962年7月

国内のジェネリック認可

あります

関連製品(先発薬)

ケーワン錠5mg【製薬メーカー:エーザイ】
カチーフN錠5mg/N散10mg/g【製薬メーカー:日本製薬】

関連製品(ジェネリック)

ビタミンK1錠5mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬】

効果・作用

ビタミンKを補給し、ビタミンKの不足による出血を防ぎます。
ビタミンKは、血液の凝固系に関係しています。不足すると、血液を固めるのに必要な凝血因子「プロトロンビン」という蛋白質がつくれなくなり、血が止まりにくくなり、出血しやすくなります。ビタミンKは不足しにくいビタミンですが、肝臓や腸などに特別な病気があるときは別です。また、生まれたばかりの赤ちゃんは、ビタミンKの吸収や代謝が弱いため、出血を起こしやすく、血便がでたりします。そのようなときに、ビタミンKを補給します。また、薬の副作用による出血にも使用します。強い抗生物質を飲み続けると、ビタミンKが足りなくなってくることがあります。ビタミンKをつくる腸内細菌が減ってしまうためです。また、抗凝血薬のワーファリンが効きすぎると出血しやすくなります。このようなときにも、ビタミンKの薬が有効となります。
ビタミンKは血液凝固因子(第II、第VII、第IX、第X因子)の産生に必要であり、ビタミンKを体内に補うことで、血液を固めて出血傾向などを改善する働きがあり、これらの作用により、ビタミンK製剤は骨粗しょう症の治療や乳児ビタミンK欠乏性出血症(生まれてまもない新生児などがビタミンKの不足により出血しやすくなる病気)などの治療に使用されております。

≪フィトナジオンの特徴≫
主に、血液の凝固と骨の代謝の2つに影響を与えます。
①血液の凝固作用にはさまざまな因子が関係しており、一連の流れを凝固系カスケードと言います。ビタミンKは、凝固系カスケード中の「プロトロビン、ⅹ、ⅺ、ⅻ」の合成に関係しております。
②骨形成促進の作用。骨は、日々新しい骨に作り替わっており、これを「骨のリモデリング」といい、新しく骨を作ることを「骨形成」、骨が分解されることを「骨吸収」といいます。ビタミンKには、オステオカルシンという、タンパク質を正常化することで、骨形成を促進する作用があります。

≪ビタミンKとは≫
ビタミンKにはK1からK5の5種類が知られている。天然のビタミンKは2-メチル-1,4-ナフトキノンを基本骨格とし、3位に結合した側鎖の構造に違いがある。
①ビタミンK1⇒フィロキノン、ファイトメナジオンなどとも呼ばれ、植物が光合成に使うために合成している。摂取源としては葉菜類、植物油、豆類、海藻類、魚介類などが挙げられる。
②ビタミンK2⇒メナキノンとも呼ばれ、その側鎖の長さによってメナキノン-4、メナキノン-7の様に区別されている。摂取源としては食肉、鶏卵、乳製品などが挙げられるが、納豆には非常に多く含まれている。
③ビタミンK3⇒メナジオンとも呼ばれ、動物体内で代謝されてビタミンK2となる。代表的な合成ビタミンKである。量摂取により毒性を示すためサプリメントとしては使用されないが、安価なビタミンK源として動物用飼料に添加されている。
④ビタミンK4⇒メナジオールとも呼ばれ、ビタミンK3の還元型である。
⑤ビタミンK5⇒4-アミノ-2-メチル-1-ナフトール。ビタミンK4の4位の水酸基をアミノ基に置換したもの。これら一群の化合物は動物体内でビタミンKとして作用するが、全く等価という訳ではない。

≪ビタミンK欠乏症≫
ビタミンK欠乏症とは、体内におけるビタミンKが不足することから引き起こされる病気のことです。ビタミンK欠乏症を発症すると、出血しやすくなり、皮下出血、消化管出血、鼻出血、血尿などがみられます。新生児/乳児に発症すると頭蓋内出血の頻度が多く、予後不良因子となります。原因はさまざまであり、新生児・乳児期から成人まで幅広い年齢層において発症する可能性があります。

≪ビタミンKを多く含む食品≫
パセリ/春菊/モロヘイヤ/あしたば/おかひじき/かぶの葉/大根の葉/にら/ほうれん草/小松菜/からしな/ケール/ほしのり/いわのり/抹茶/など

使用方法

1日5〜15mg、新生児出血の予防には母体に対し10mg、薬剤投与中に起こる低プロトロンビン血症等には20〜50mgを分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

高ビリルビン血症、悪心、嘔気、軟便

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■フィトナジオンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ケーワンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ケーワンの有効成分
フィトナジオン
▼代表薬の添加物
黄色4号(タートラジン)、黄色5号、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、白糖、アラビアゴム末、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、精製セラック、ミツロウ

■その他に使用できない方
・妊婦/産婦
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、フィトナジオンを使用する事が出来ない可能性があります。
フィトナジオンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・クマリン系抗凝血剤
・ワルファリンカリウム

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ビタミンKは1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が定めているビタミンKの1日の目安量は、成人女性:150µg、成人男性:150µgとなっております。

ビタミンKが不足するのは何故ですか?

特に新生児期や乳児期においては、そもそも備蓄が少ないこと、消化管内の細菌叢が未熟なためにビタミンKの産生が少ないこと、母乳を介した摂取量が少ないこと、消化機能の発達が未熟であり吸収量が少なくなりやすいこと、などが原因で欠乏症になると考えられます。

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