成分名 |
デスモプレシン酢酸塩水和物 |
適応症状 |
【点鼻液、スプレー2.5】
中枢性尿崩症
【スプレー10】
尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う次の疾患/夜尿症
【注射液】
下記疾患の自然発生性出血、外傷性出血および抜歯時、手術時出血の止血管理:
・軽症・中等症血友病A(第VIII因子凝固活性が2%以上の患者)
・TypeI・TypeIIAのvon Willebrand病 |
簡易説明 |
中枢性尿崩症や夜尿症の治療薬です。抗利尿ホルモンのバソプレシンと同じ働きをし、尿を濃縮し尿量を減らします。夜間のホルモン分泌能力が未発達なために、尿が濃くならず、薄い尿がたまるタイプの夜尿症に適応します。ただし、ホルモン補充療法になりますので、夜尿症の根本原因は治せません。やめると再発してしまうことも多いです。また止血薬。 |
処方可能な診療科目 |
小児科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約4000円~10000円程度
新薬の目安:(薬価)
点鼻スプレー2.5μg 3377.5円(125μg1瓶)
スプレー2.5 3754.2円 (125μg1瓶)
スプレー10 4198.3円 (500μg1瓶)
点鼻液0.01% 5253.5円 (250μg1瓶)
OD錠120μg 160.60円(120μg1錠)
後発薬の目安:(薬価)
点鼻スプレー0.01% 2768.5円(500μg1瓶)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月日 1979年4月 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
デスモプレシン点鼻スプレー2.5μg【製薬メーカー:フェリング】
デスモプレシン静注4μg【製薬メーカー:フェリング】
ミニリンメルトOD錠240μg・120μg・60μg・50μg・25μg 【製薬メーカー:フェリング】
デスモプレシン・スプレー10【製薬メーカー:フェリング】
デスモプレシン点鼻液0.01%【製薬メーカー:フェリング】 |
関連製品(ジェネリック) |
デスモプレシン点鼻スプレー0.01%「ILS」 |
効果・作用 |
【注射液以外】
デスモプレシンは、強い抗利尿活性を有しており、尿を濃縮し尿量を減らす作用があります。
通常、中枢性尿崩症や夜尿症の治療に用いられています。有効成分のデスモプレシンは抗利尿ホルモン「バソプレシン」の誘導体です。そのままの服用だと効果がなくなるので、点鼻液やスプレーとして鼻の粘膜から吸収させます。作用時間が長く、持続的な尿量調節効果がえられます。
また、その後、デスモプレシンを含有する口腔内崩壊錠「ミニリンメルトOD錠」も開発されました。水なしで就寝前に服用できるという利点も合わせて特に夜尿症治療などにおいて有用とされています。
デスモプレシンは、病気の原因そのものは治すことはできません。中枢性尿崩症においては、対症療法的に長く続ける必要があります。けれど、必ずしも減量中止ができないわけではありません。尿量が自然に減り、薬が必要ではなくなることもあります。
子供の夜尿症は、年齢とともに自然に治ることがほとんどです。体質的なものになりますので、過剰に神経質にならず、少し気長に様子をみるとよいでしょう。この薬による治療をおこなう場合でも、定期的に3ヵ月前後くらいに1~2週間休薬して、夜尿状況を観察するなど、漫然と継続しないようにします。
デスモプレシンは、製造承認取得後は、フェリング・ファーマ株式会社が製造販売元、協和発酵キリン株式会社が販売元となっています。
【注射液】
血液凝固因子を血液中に増やす働きがあります。出血をおさえるお薬です。
デスモプレシンは、血液凝固第Ⅷ因子およびフォンヴィレブランドvon Willebrand因子を血中に遊離放出させる作用があり、軽症、中等症血友病A・フォンヴィレブランド病の出血時の止血管理に注射剤として使用されます。重大な副作用に脳浮腫、昏睡、けいれんを伴う重篤な水中毒(低ナトリウム血症)があります。 |
使用方法 |
【点鼻液】
小児:通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回2.5μg~5μg(0.025~0.05mL)を1日1~2回鼻腔内に投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。
成人:通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回5μg~10μg(0.05~0.1mL)を1日1~2回鼻腔内に投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。
【スプレー2.5】
小児:通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回2.5μg~5μg(1~2噴霧)を1日1~2回鼻腔内に投与する。 投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。
成人:通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回5μg~10μg(2~4噴霧)を1日1~2回鼻腔内に投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。
【スプレー10】
通常、1日1回就寝前にデスモプレシン酢酸塩水和物として10μg(1噴霧)から鼻腔内に投与を開始し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシン酢酸塩水和物として20μg(2噴霧)に増量する。なお、1日最高用量はデスモプレシン酢酸塩水和物として20μg(2噴霧)とする。
【保管】
ふだんは冷蔵庫に保管します。旅行などで携行する場合は、できるだけ温度差の少ない涼しいところに保管してください。ポケットなど、体温が直接伝わる場所に入れておくと液漏れを起こすことがありますので注意してください。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
【注射液】
通常、デスモプレシン酢酸塩水和物として血友病Aは0.2〜0.4μg/kgを、von Willebrand病は0.4μg/kgを生理食塩液約20mLに希釈し、10〜20分かけて緩徐に静脈内投与する |
副作用 |
主な副作用
浮腫/低ナトリウム血症/頭痛/強直性痙攣/眠気/めまい/不眠/過敏症/全身そう痒感/発疹/顔面浮腫
脳浮腫/昏睡/痙攣/重篤な水中毒
【注射液】
頭痛/顔面潮紅/熱感/のぼせ/口渇/低ナトリウム血症/めまい/嘔気/結膜充血/動悸/徐脈
重大な副作用
脳浮腫/昏睡/痙攣/重篤な水中毒
【注射液】
脳浮腫/昏睡/痙攣/重篤な水中毒
■デスモプレシン酢酸塩水和物の注意すべき副作用
浮腫/低ナトリウム血症/頭痛/強直性痙攣/眠気/めまい/不眠/過敏症/全身そう痒感/発疹
【注射液】
頭痛/顔面潮紅/熱感/のぼせ/口渇/低ナトリウム血症/めまい/嘔気/結膜充血/動悸
その他の副作用
じん麻疹/嘔気/嘔吐/食欲不振/腹痛/顔面蒼白/のぼせ/鼻粘膜刺激/鼻炎/発汗/全身倦怠感/鼻出血/発熱
【注射液】
乏尿/全身倦怠感/浮腫/強直性痙攣/眠気/過敏症/全身そう痒感/じん麻疹/発疹/腹痛/嘔吐/顔面蒼白/紅斑/腫脹/灼熱感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(デスモプレシン・スプレー10の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼デスモプレシン・スプレー10の有効成分
デスモプレシン酢酸塩水和物500μg
▼デスモプレシン・スプレー10の添加物
ベンザルコニウム塩化物液/日局塩化ナトリウム/日局クエン酸水和物/リン酸水素二ナトリウム二水和物
【注射液の場合】
・過敏症
・von Willebrand因子の明らかな活性増加が期待できない
・von Willebrand因子を全く欠く
・第8因子の明らかな活性増加が期待できない
・第8因子を全く欠く
【相対禁止】
・妊婦・産婦
【注射液の場合】
・妊婦・産婦
使用に注意が必要な方 ・アレルギー性鼻炎
・下垂体前葉不全
・過敏症
・冠動脈血栓症
・狭心症
・高血圧を伴う循環器疾患
・高度動脈硬化症
・喘息
・発熱
・鼻疾患
・渇中枢異常を伴う症候性尿崩症
・飲水が増加する疾患
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
【注射液の場合】
・下垂体前葉不全
・冠動脈血栓症
・狭心症
・高血圧を伴う循環器疾患
・高度動脈硬化症
・妊娠中毒症
・慢性腎障害
・妊婦・産婦
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
【慎重投与】
・高齢者
【注射液の場合】
・高齢者 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 三環系抗うつ剤
イミプラミン塩酸塩等
【注射液の場合】
昇圧剤
三環系抗うつ剤
イミプラミン塩酸塩
上記を使用している方は、デスモプレシン酢酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 デスモプレシン酢酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 女性ホルモン(黄体ホルモン)製剤プロベラ錠
メドロキシプロゲステロン酢酸エステル |
よくある質問 |
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