成分名 |
ミグルスタット |
適応症状 |
ニーマン・ピック病C型 |
簡易説明 |
脳や末梢組織の特定の細胞内にスフィンゴ糖脂質などの脂質が蓄積することによって引き起こされる遺伝性の病気であるニーマン・ピック病C型の治療に用いられる薬です。
本邦では、製薬メーカーのヤンセンファーマがブレーザベスの商品名で販売されています。
このミグルスタットのジェネリック薬は発表されておらずブレーザカプセルのみが治療薬となります。
ニーマン・ピック病C型の治療薬として開発されて、スフィンゴ糖脂質の生合成経路における第一段階であるグルコシルセラミド合成酵素活性を阻害することにより、神経細胞内へのスフィンゴ糖脂質の蓄積を減少させる効果があります。
この作用により神経症状が改善し、病気の進行が抑えられます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/脳神経内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
新薬1カプセルあたりの目安 10266.7円
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
認可年月日:2012年3月30日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ブレーザベスカプセル100mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
本剤は、2009年1月にニーマン・ピック病C型治療薬としてEUで承認されました。
日本では、本剤は2011年3月9日に希少疾病用医薬品に指定され、この難病に対して有用な治療手段となることが期待されています。
ニーマン・ピック病C型は神経変性をともない、異常な眼球運動、飲み込み困難、不自然な体の動き、歩行機能の低下、精神遅滞など広範な神経症状があらわれ、発病率はきわめて低いものの、幼くして発病し、進行性で予後は好ましくありません。
●ニーマン・ピック病C型について
乳児期(1歳未満)、小児期(14歳未満)、成人期(18歳まで)に発症しうる脂質蓄積病です。
新生児期に、腹水、肝への浸潤による重症肝疾患、肺への浸潤による呼吸不全で発症することもあります。
肝疾患や肺疾患を認めない乳児では筋緊張低下や発達障害が認められます。
本剤の有効成分であるミグルスタットは、ニーマン・ピック病C型の治療薬として、スフィンゴ糖脂質の生合成経路における第一段階であるグルコシルセラミド合成酵素活性を阻害することにより、神経細胞内へのスフィンゴ糖脂質の蓄積を減少させて、神経症状が改善、病気の進行が抑えられるという薬理効果となります。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人には、1回200mgを1日3回経口投与します。
小児には、体表面積に基づき用量を調整して経口投与します。
なお、患者の状態に応じて適宜減量を行ってください。
▼用法及び用量に関連する注意
・腎機能障害のある患者においては、本剤の排泄が遅延する場合があります。
その際、全身曝露量が増加するため、腎機能の程度に応じて、開始用量をクレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)が50以上70以下の場合は1回200mg、1日2回、クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)が30以上50未満の場合は1回100mg,1日2回として、その後は患者の状態に応じて用量を調整してください。
▼重要な基本的注意
・本剤の有用性を6ヵ月ごとに評価し、投与継続の可否を慎重に検討してください。
少なくとも本剤投与開始1年後には、投与の継続について再評価してください。有用性が認められない場合には投与中止を考慮して、決して漫然と投与しないでください。
・本剤は浮動性めまいが報告されています。
本剤投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないようご注意ください。
・本剤の投与により消化器系症状(主として下痢)が発現することがあります。
消化管での二糖類分解酵素が阻害され、食物の吸収低下が起こると考えられています。
・末梢性ニューロパチーが報告されています。
本剤の投与開始前に神経学的検査を行い、投与中は6ヵ月ごとに実施してください。
患者の状態を十分観察して、しびれ感やピリピリ感などの症状が現れた場合は、投与継続の可否を慎重に検討してください。
・振戦が高頻度に報告されています。
患者の状態を十分観察し、振戦が認められた場合は本剤の減量又は投与を中止する等の適切な処置を行ってください。
・血小板数減少が報告されています。
本剤投与中は定期的に血小板数の経過観察を行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等の適切な処置を行ってください。 |
副作用 |
主な副作用
ミグルスタットには、副作用が起こる可能性があります。
ミグルスタットを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・食欲減退、体重減少
・うつ病、不眠症、リビドー減退
・振戦
・末梢性ニューロパチー、運動失調、健忘、錯感覚、感覚鈍麻、頭痛、浮動性めまい
・下痢、鼓腸、腹痛
・悪心、嘔吐、腹部膨満/不快感、便秘、消化不良
・筋痙縮、筋力低下
・疲労、無力症、悪寒、倦怠感
・血小板数減少、神経伝導検査異常
重大な副作用
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重度の下痢(頻度不明)
下痢が高頻度に報告されています。重度の下痢も報告されているので、下痢が認められた場合には、食事内容の変更(炭水化物を多く含む食事を避けるなど)、本剤の投与時期を食事時間から離す、止瀉薬を投与する、本剤を一時的に減量するなどの適切な処置を行ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■妊婦又は妊娠している可能性のある女性
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないでください。動物実験で次世代児において胚の発生や、胎児及び新生児の発育を抑制する作用が報告されています。
■本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
上記にあてはまる方は、ミグルスタットを使用する事が出来ない可能性があります。
ミグルスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
■ミグルスタットを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(ミグルスタットの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼代表薬の有効成分
ミグルスタット
▼代表薬の添加物
・デンプングリコール酸ナトリウム
・ポビドン
・ステアリン酸マグネシウム
使用に注意が必要な方 ■胃腸障害のある患者
胃腸障害のある患者は、下痢、鼓腸、腹痛等の消化器症状を増強するおそれがあり、下痢が高頻度に報告されています。重度の下痢も報告されているので、下痢が認められた場合には、食事内容の変更(炭水化物を多く含む食事を避けるなど)、本剤の投与時期を食事時間から離す、止瀉薬を投与する、本剤を一時的に減量するなどの適切な処置を行ってください。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■腎機能障害のある患者
腎機能障害のある患者は、腎機能の程度に応じて投与量を適宜減量することから、腎機能を定期的に検査してください。腎機能が悪化するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■重度の腎機能障害患者
重度の腎機能障害をお持ちの方は、臨床試験におけるクレアチニンクリアランス30mL/min/1.73m2未満の患者は少数となっています。
■肝機能障害のある患者
肝機能障害のある方は、肝機能が悪化するおそれがあります(肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していません)。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■生殖能を有する者
男性患者で受胎を希望する場合には、事前に本剤の投与を中止して、3ヵ月間は避妊するよう適切に指導してください。
動物試験で、ミグルスタット投与により雄性生殖器重量及び精子形成の低下、受胎率の低下が報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。
■小児等
成長期の患者では、投与中は定期的に身長及び体重の経過観察を十分に行い、投与継続の可否を慎重に検討してください。
小児において、本剤投与の初期段階で成長遅延が報告されています。
4歳未満のニーマン・ピック病C型患者を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、注意して慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、ミグルスタットを使用する事が出来ない可能性があります。 ミグルスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 併用禁忌薬該当なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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