テリパラチド酢酸塩

成分名

テリパラチド酢酸塩

適応症状

骨折の危険性の高い骨粗鬆症

簡易説明

テリパラチド酢酸塩は、骨粗鬆症の治療に用いられる薬のひとつです。テリパラチド酢酸塩は、人工的に作られた人間の甲状腺ホルモン(PTH)の一部である人工的なペプチドで、内因性のヒト副甲状腺ホルモンのN末端フラグメントであり、34個のアミノ酸で構成されています。作用としては、骨形成を促進することで骨密度を向上させます。具体的には、PTH受容体に結合して、骨形成細胞の増殖を促進し、骨形成細胞からの骨形成因子の放出を刺激します。

処方可能な診療科目

内科/代謝・内分泌科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1キットあたりの目安:600μg約29,412円
薬代後発薬1キットの目安:600μg約19,285円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2010年10月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

フォルテオ皮下注キット600μg(日本イーライリリー)

関連製品(ジェネリック)

テリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」(持田製薬)

効果・作用

テリパラチド酢酸塩は、骨粗鬆症の治療に用いられる薬のひとつです。
骨粗鬆症の発症メカニズムには、骨形成細胞の機能低下と骨吸収細胞の過剰活性化が関与しています。年齢が上がると、骨形成細胞が少なくなり、また機能が低下するため、骨の新陳代謝が低下します。同時に、骨吸収細胞の活性化が増加し、骨吸収が過剰に進行します。このような状態が続くと、骨密度が低下し、骨がもろくなることで骨折のリスクが高まります。
テリパラチド酢酸塩は、人工的に作られた人間の甲状腺ホルモン(PTH)の一部である人工的なペプチドであり、骨形成を促進することで骨密度を向上させます。具体的には、PTH受容体に結合して、骨形成細胞の増殖を促進し、骨形成細胞からの骨形成因子の放出を刺激します。骨粗鬆症の薬の多くは骨吸収の抑制をメインの効果として持ちますが、テリパラチド酢酸塩は骨形成を促進する成分なのでより強力な効果を持ちます。そのため生涯において使用可能な期間が24ヶ月という制限が決まっています。
なお、一方でテリパラチド酢酸塩を持続的に皮下投与すると、骨吸収が骨形成を上回るため、結果として骨量減少が生じるので使用方法は医師の指示のもと適切に使用することが重要です。

使用方法

・成人(15歳以上)の場合:1日1回テリパラチド(遺伝子組換え)として、20μgを皮下注射します。
※テリパラチド酢酸塩の投与は、生涯にわたって24ヵ月間までが限度になっています。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・アナフィラキシー
・ショック
・意識消失

その他の副作用
・循環器系:動悸、血圧の顕著な低下、心電図異常
・呼吸器系: 呼吸困難
・精神神経系:浮動性のめまい、頭痛、体位性のめまい、傾眠、けいれん、神経過敏症
・消化器系:上腹部痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、口渇、胃炎、食欲不振
・内分泌、代謝系:高尿酸血症、血液中の尿酸上昇、ALP上昇、高カルシウム血症、血液中のカリウム上昇
・血液系:白血球数の増加
・皮膚系:かゆみ、発疹、あかみ
・眼:結膜出血
・肝臓系:肝機能異常(ASTの上昇、γGTPの上昇、ALTの上昇)
・筋・骨格系:筋肉のけいれん、関節痛、筋肉痛、関節炎、四肢痛
・注射部位 :注射部位反応(腫れ、赤み、疼痛、かゆみ、硬結、変色、腫脹など)
・腎臓系:腎結石症、血液中のクレアチニン上昇、血液中の尿素上昇、頻尿
・過敏症:顔面のむくみ、口腔粘膜浮腫、全身性じんましん
・その他:胸痛、脱力感、胸部不快感、背部痛、ほてり、だるさ、熱感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■テリパラチド酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、フォルテオはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼フォルテオの有効成分
テリパラチド酢酸塩
▼代表薬の添加物
無水酢酸ナトリウム、氷酢酸、m-クレゾール、D-マンニトール、pH調節剤

・テリパラチド酢酸塩に対して過敏症の経験のある方
・高カルシウム血症を患っている方
・原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示すことで骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる方
・骨ページェット病で骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる方
・小児、若年者で骨端線が閉じておらず、骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる方
・原発性の悪性骨腫瘍、転移性骨腫瘍のある方
・過去に骨への影響が大きい放射線治療を受け、骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる方
・副甲状腺機能亢進症など、骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患を患っている方
・授乳している方
・妊娠または、妊娠している可能性のある方

使用に注意が必要な方
・心臓に疾患をお持ちの方
・尿路結石のある方、およびその経験のある方
・腎臓に機能障害をお持ちの方
・閉経前の骨粗鬆症を治療中の方
・肝臓に機能障害をお持ちの方
・小児など
・生殖能をもっている方
・高齢者

上記にあてはまる方は、テリパラチド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
テリパラチド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・カルシトリオール、活性型ビタミンD製剤、ファレカルシトリオール、マキサカルシトール、エルデカルシトールなど
※相加作用によって血液中のカルシウム濃度が上昇する可能性があります。
・アファカルシドール
※相加作用によって血液中のカルシウム濃度が上昇する可能性があります。
・ジギタリス製剤(ジゴキシンなど)
※血液中のカルシウム濃度が上昇することによってジギタリスの作用が増強され、高カルシウム血症に伴う不整脈が引き起こされる可能性があります。

上記を使用している方は、テリパラチド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
テリパラチド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

テリパラチド酢酸塩に関する
よくある質問
テリパラチド酢酸塩の使用上限が24ヶ月とされていますが、24ヶ月使用後に少し休止期間を開けた後で再開することは可能ですか?

使用日数の合計が24ヵ月を超えないこととされているためこれを守る必要があります。また、24ヵ月の使用終了後、改めて24ヵ月の使用を繰り返さないよう添付文書にて注意がされています。
フォルテオ 【フォルテオ 添付文書】

同じジャンルの薬(テリパラチド酢酸塩製剤、アバロパラチド製剤など)からテリパラチド酢酸塩に切り替えた場合でも、上限の24ヶ月は変わりませんか?

同じジャンルの成分からの切り替えにおいても安全性が検証されていません。とくにアバロパラチド製剤からの切り替えでは成分が大きく異なるため注意が必要です。医師の指定した上限を超えての使用は絶対に避けてください。
フォルテオ 【フォルテオ 添付文書】

テリパラチド酢酸塩の使用後、数時間~数日は特に注意が必要と聞きましたが具体的に教えてください。

皮下注射後、約4~6時間を最大として一過性の血清カルシウム値上昇がみられる可能性があります。テリパラチド酢酸塩の使用にあたっては、吐き気、便秘、眠気および筋力低下などの持続性のカルシウム値上昇が疑われる中毒症状に注意が必要です。
フォルテオ 【フォルテオ 添付文書】

参考元一覧

フォルテオ 【フォルテオ 添付文書】

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