成分名 |
レボチロキシンナトリウム水和物 |
適応症状 |
〈チラーヂンS静注液〉
・粘液水腫性昏睡
・甲状腺機能低下症(ただし、レボチロキシンナトリウム経口製剤による治療が適さない場合に限る)
〈チラーヂンS散0.01%〉
・乳幼児甲状腺機能低下症〉
〈チラーヂンS錠〉〈レボチロキシンNa錠「サンド」〉
・粘液水腫、クレチン病、甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)、甲状腺腫 |
簡易説明 |
レボチロキシンナトリウム水和物は、甲状腺ホルモンを補います
。体の基礎代謝を高める作用があり、甲状腺機能低下による症状(体がだるくなったり、肌荒れ、冷え、むくみ、便秘、脈が乱れるなど)を改善回復します。
主に、甲状腺機能低下症などに使用されます。
特殊な用法として、甲状腺の腫瘍を抑制する作用もあります。
ゆっくりと長く効いているのが特徴です。
サイロキシン(T4)として投与されると、体内でトリヨードサイロニン(T3)へと代謝された後に効果を発揮すると考えられています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~
薬代1錠あたりの目安:12.5μg9.8円/25μg9.8円/50μg9.8円/75μg9.8円/100μg11.6円(薬価)
薬代注射液1管あたりの目安:200μg20192円(薬価)
薬代散剤あたりの目安:12.5μg9.8円(薬価)
薬代後発薬1gの目安:0.01%59.1円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2012年6月【チラーヂンS錠12.5μg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在国内のジェネリック医薬品の製造はありません。(海外製ジェネリックあり) |
関連製品(先発薬) |
チラーヂンS静注液200μg【製薬メーカー:あすか製薬】
チラーヂンS散0.01%【製薬メーカー:あすか製薬】
チラーヂンS錠12.5μg/25μg/50μg/75μg/100μg【製薬メーカー:あすか製薬】
レボチロキシンNa錠25μg/50μg「サンド」【製薬メーカー:サンド製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
レボチロキシン/レボチロン【製薬メーカー:Abdi Ibrahim Ilac San. ve Tic. A.S.】
サイロイド-エス【製薬メーカー:強生化学製薬 (JOHNSON)】 |
効果・作用 |
▼レボチロキシンナトリウム水和物の作用
・不足している甲状腺ホルモンを補充し、橋本病など甲状腺炎にともなう甲状腺機能低下症の治療に使用されております。甲状腺の腫瘍をおさえる目的で使うこともございます。
・甲状腺ホルモンには、構造中にヨウ素(I)が3つ含まれた「トリヨードサイロニン(トリヨードチロニン:T3)」とヨード(I)が4つ含まれた「サイロキシン(チロキシン:T4)」の2種類があり、サイロキシン(T4)よりも、トリヨードサイロニン(T3)の方が甲状腺ホルモンとしての作用が数倍強いとなっております。レボチロキシンナトリウム水和物は、サイロキシン(T4)として投与され、体内でトリヨードサイロニン(T3)へと代謝された後に効果を発揮すると考えられております。また、半減期がとても長く、7日~10日となっており、1日1回の投与で安定した血中濃度を維持することが可能です。
・サイロキシン(T4)は、ヨウ素を含んでいるα-アミノ酸であり、代謝量の制御をする作用があり、成長に影響しております。
・甲状腺ホルモン製剤の投与によって基礎代謝を増大させ、コレステロール量を減少させたり水・電解質の排泄を増やしたりします。
▼甲状腺機能低下症とは?
・甲状腺の機能が低下し、代謝に関わる血中の甲状腺ホルモンが低下することで起こる疾病のことです。症状としては「無気力、易疲労感、冷え、むくみ、体重増加、便秘、嗄声、徐脈」などで、女性の場合はこれらに加えて月経過多が起きやすくなります。軽度の場合には無症状となることもあるため、一概にすべての症状が出てくるというわけではありません。
発症の原因としては様々な要因があり、大きく分けると、甲状腺自体に問題がある場合(原発性)と、別な部位の疾患によって二次的に引き起こされている場合(続発性)になります。
・甲状腺自体に問題がある場合、慢性的に甲状腺に炎症を起こしている「橋本病」が原因となる症例がもっとも多く、その他には、医薬品の副作用によって発生する場合や生まれつき甲状腺の機能が弱い「クレチン病」などが原因となります。続発性のものでは、下垂体腫瘍などにより脳内に異常になり、甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下・欠乏、二次的に甲状腺の機能が低下するというものがあります。 |
使用方法 |
「チラーヂンS静注液」
〈粘液水腫性昏睡〉
・日局生理食塩液で希釈し、成人には、レボチロキシンナトリウムとして、1日目は50〜400μgを緩徐に静脈内投与し、2日目以降は50〜100μgを1日1回、緩徐に静脈内投与してください。
※患者の状態に応じて適宜増減してください。
〈甲状腺機能低下症(ただし、レボチロキシンナトリウム経口製剤による治療が適さない場合に限る)〉
・日局生理食塩液で希釈し、成人には、レボチロキシンナトリウムとして、25μgから投与を開始し、50〜150μgを維持用量として、1日1回、緩徐に静脈内投与してください。
※患者の状態に応じて適宜増減してください。
(用法及び用量に関連する注意)
〈効能共通〉
・経口投与による治療が可能となった場合、速やかにレボチロキシンナトリウム経口製剤に切り替えてください。
〈粘液水腫性昏睡〉
・治療が始まった際の用量としては、患者の「年齢、合併症、症状等」で個別に決定してください。また、「通常用量」より多くなる投与が必要な場合「狭心症等の心疾患」の発症が高まこともあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
〈甲状腺機能低下症〉
・治療が始まった際に、甲状腺ホルモン製剤による治療をしてない場合は、甲状腺ホルモンに対する感受性が増えている可能性がありますので「25μgから」投与を始めてください。(※患者の「年齢、合併症等を踏まえて、25μgより低用量からの投与も考えてください)
・患者の状態をみながら、徐々に増やしてください。(※T4は半減期が長く、T3に変換された後に働きがあらわれるため、投与開始及び増量後は1週間を目安に観察し、増量の要否を考えてください)
〈甲状腺機能低下症〉
・投与前にレボチロキシンナトリウム経口製剤による治療をしてる場合、投与前の「投与量、本剤の維持用量等」を参考に、25μgを超える用量の必要性も考え、開始用量を決めてください。
「チラーヂンS散」
・乳幼児にはレボチロキシンナトリウムとして1回10μg/kg(本剤100mg/kg)を1日1回経口投与してください。
未熟児に対しては1回5μg/kg(本剤50mg/kg)から投与を開始して8日目から1回10μg/kg(本剤100mg/kg)を1日1回経口投与してください。
なお、年齢、症状により適宜増減してください。
(用法及び用量に関連する注意)
・投与する際には、少量から投与を開始し、観察を十分に行い漸次増量して維持量とすることが望ましいです。
「チラーヂンS錠」「レボチロキシンNa錠「サンド」」
・レボチロキシンナトリウムとして通常、成人25〜400μgを1日1回経口投与してください。
・一般に、投与開始量には25〜100μg、維持量には100〜400μgを投与することが多いです。
※年齢、症状により適宜増減してください。
(用法及び用量に関連する注意)
〈甲状腺機能低下症及び粘液水腫〉
・少量から投与を開始し、観察を十分に行い漸次増量して維持量とすることが望ましいです。 |
副作用 |
主な副作用
〈チラーヂンS静注液〉
狭心症、肝機能障害、黄疸、著しいAST上昇、AST上昇、著しいALT上昇、ALT上昇、著しいγGTP上昇、γGTP上昇、発熱
重大な副作用
〈チラーヂンS静注液〉
狭心症、肝機能障害、黄疸、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγGTP上昇、発熱、倦怠感、副腎クリーゼ、全身倦怠感、血圧低下、尿量低下、呼吸困難、晩期循環不全、血清ナトリウム低下、ショック、うっ血性心不全
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
眩暈、筋肉痛 、振戦、神経過敏、興奮、不安感、躁うつ、精神症状、嘔吐、下痢、食欲不振、筋肉痛、月経障害、体重減少、脱力感、皮膚潮紅、発汗、潮紅
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 〈チラーヂンS静注液〉
・妊婦・産婦
・過敏症/新鮮な心筋梗塞
使用に注意が必要な方 〈チラーヂンS静注液〉
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・高齢者
・狭心症/高血圧症/陳旧性心筋梗塞/動脈硬化症/重篤な心・血管系障害/糖尿病/脳下垂体機能不全/副腎皮質機能不全/狭心症/高血圧症/陳旧性心筋梗塞/動脈硬化症/脳下垂体機能不全/副腎皮質機能不全/重篤な心・血管系障害
上記にあてはまる方は、レボチロキシンナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 レボチロキシンナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・鉄分を含むもの<バジル、海苔、あゆ、ひじき、あさり など>
・クマリン系抗凝血剤/ワルファリンカリウム/交感神経作動薬/エピネフリン/ノルエピネフリン/エフェドリン含有製剤/メチルエフェドリン/交感神経作動薬/強心配糖体製剤/ジゴキシン/ジギトキシン/血糖降下剤/インスリン製剤/スルホニルウレア系薬剤/コレスチラミン<経口>/コレスチミド<経口>/鉄剤<服用>/アルミニウムを含有する制酸剤<経口>/炭酸カルシウム<経口>/炭酸ランタン水和物<服用>/セベラマー塩酸塩<服用>/ポリスチレンスルホン酸カルシウム<経口>/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム<経口>/フェニトイン/カルバマゼピン/フェノバルビタール/アミオダロン/経口エストロゲン/結合型エストロゲン/エストラジオール/エストラジオール
上記を使用している方は、レボチロキシンナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 レボチロキシンナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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