成分名 |
ラロニダーゼ(遺伝子組換え) |
適応症状 |
ムコ多糖症Ⅰ型 |
簡易説明 |
ラロニダーゼ(遺伝子組換え)は、ムコ多糖症Ⅰ型に用いられる薬剤です。米国BioMarin Pharmaceutical Inc.とGenzyme社によって開発されましたが、患者が少なかったため日本ではすぐに発売には至りませんでした。しかし、1999年に希少疾病用医薬品に指定され、日本でも臨床試験が開始されました。週1回の注射投与で、疾患において不足している酵素を補充する機序を持っています。日本ではサノフィが販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
小児科/耳鼻咽喉科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
アウドラザイム点滴静注液2.9mg【製薬メーカー:サノフィ】2.9㎎1瓶97551円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2006年12月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アウドラザイム点滴静注液2.9mg【製薬メーカー:サノフィ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカやヨーロッパなどを含む世界50ヵ国以上で販売されています。 |
効果・作用 |
ラロニダーゼ(遺伝子組換え)は、ムコ多糖症Ⅰ型に使用される薬剤です。不足している酵素を補充し、体内に蓄積するGAGを分解することで症状の改善をもたらします。週1回約3時間ほどの投与で治療が継続できます。
ムコ多糖症Ⅰ型患者45名を対象として海外第3相臨床試験を行い、本剤1kgあたり0.58mgもしくはプラセボを週1回26週間投与しました。結果、本剤投与した群はプラセボ群に比べて、%努力肺活量で平均4.5%、 6分間歩行距離で平均38.1mの改善が認められました。
肝容積は、本剤を投与した群のうち、投与前に異常値であった18名中13名、割合にして72%の方が正常化し、一方、プラセボ群では14名中3名、21%が正常化しました。
尿中GAG濃度は4週間以内に急速に減少し、試験期間後まで値を維持しました。
その後、第3相試験に参加したうちの45名に対して、182週間本剤投与をした時の有効性を検討しています。%努力肺活量は、最初の試験時に本剤を投与した群であってもプラセボを投与した群であっても継続試験期間中に減少しましたが、有意差はありませんでした。一方、努力肺活量に関しては、どちらの群も減少しました。また、 6分間歩行距離は、本剤→本剤群で平均19.5±73.48m、プラセボ→本剤群で19.4±107.36mの距離の延長が認められました。
5歳未満の患者20名に対して海外試験を実施しています。本剤1kgあたり0.58mgを週1回、計52週間投与し、うち4例は第26週から1.2mg/kgの投与を受けました。
結果、第13週までに平均尿中GAG濃度は急激に減少し、その後も値は維持されました。尿中GAG濃度の平均減少率は61.3%でした。試験前は全ての患者の肝容積が異常値でしたが、第52週時では18名中9例の肝容積は正常値となり、他の患者の肝サイズも減少しました。
成長率は年齢や重症度と相関した改善を示しており、より若くて重症度が高い人ほど精神発達や適応行動が改善しました。また、ほとんどの患者で投与開始から 1ヵ月以内に抗体が認められました。 |
使用方法 |
体重1kgあたり0.58mgを週1回、点滴静注します。 |
副作用 |
主な副作用
疼痛や発熱、頭痛や発疹、悪心や腹痛、低血圧や注射部位反応などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
一般的全身・・疼痛/発熱/体温変動感(5%以上)、インフルエンザ様症候群/疲労/悪寒/浮腫/アナフィラキシー/蒼白(5%未満)
中枢・末梢神経系・・頭痛(5%以上)、浮動性めまい/反射亢進/歩行異常/錯感覚/片頭痛/異常感覚(5%未満)
皮膚・・発疹/そう痒症(5%以上)、皮膚障害/蕁麻疹/多汗/脱毛症/皮膚冷湿(5%未満)
血管系・・潮紅(5%以上)、静脈障害(5%未満)
消化器系・・悪心/腹痛/嘔吐(5%以上)、下痢/消化不良/口内乾燥/歯肉増生/変色歯(5%未満)
筋骨格系 関節障害/関節痛/骨痛(5%以上)、筋力低下(5%未満)
肝臓・・ビリルビン血症/血清AST増加/血清ALT増加(5%未満)
心血管系・・低血圧(5%以上)、心雑音(5%未満)
呼吸器系・・咳嗽/呼吸困難/呼吸障害/低酸素症(5%未満)
心拍数・心リズム・・頻脈
血液・・紫斑/頚部リンパ節症(5%未満)
適用部位・・注射部位反応(5%以上)
精神系・・激越/錯乱(5%未満)
代謝・・体重増加/低カリウム血症/低マグネシウム血症(5%未満)
その他・・溢血(5%未満)
重大な副作用
重篤なインフュージョンリアクションに注意をしてください。頻度は不明ですが、呼吸障害などの重度のアナフィラキシーを投与中に起こすことがあるので、異常があらわれた際にはすぐに投与を中止し、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与もしくは気道確保などの適切な処置を行ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ラロニダーゼ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アウドラザイムの有効成分
ラロニダーゼ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸一水素ナトリウム七水和物、ポリソルベート80
・以前、ラロニダーゼ(遺伝子組換え)を使用してアナフィラキシーショックとなったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・腎機能に高度な障害のある方は臨床試験を実施しておらず、有効性と安全性が確立していないため注意をしてください。
・肝機能に高度な障害のある方は臨床試験を実施しておらず、有効性と安全性が確立していないため注意をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のあるもしくは授乳婦
・小児
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、注意をしながら投与をしてください。
上記にあてはまる方は、ラロニダーゼ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 ラロニダーゼ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ラロニダーゼ(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
アウドラザイム点滴静注液2.9mg 添付文書 |
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