タルチレリン水和物

成分名

タルチレリン水和物

適応症状

脊髄小脳変性症の運動失調の改善

簡易説明

タルチレリン水和物は、脊髄小脳変性症の運動失調症状を改善する、唯一の経口剤です。
TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)を元に造られた製剤で、体内でTRHの中枢神経系への作用により小脳運動失調症状を改善します。
主な症状として、歩行時にふらつく、手がうまく使えない、口や舌がもつれて話しづらいなどがあげられます。

処方可能な診療科目

神経内科/脳神経内科 など

健康保険の適応

健康保険適応
※脊髄小脳変性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬1錠あたりの目安:5mg1錠あたり814円(薬価)
後発薬1錠あたりの目安:5mg1錠あたり292.5円 (薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【発売開始年月日】2000年9月

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

セレジスト錠5mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
セレジストOD錠5mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬】

関連製品(ジェネリック)

タルチレリン錠5mg「JG」/タルチレリン錠5mg「アメル」/タルチレリン錠5mg「サワイ」/タルチレリンOD錠5mg「JG」/タルチレリンOD錠5mg「アメル」/タルチレリンOD錠5mg「サワイ」/タルチレリンOD錠5mg「日医工」

効果・作用

脊髄小脳変性症では、脳の一部である小脳、脳から背骨の中に伸びる脊髄の組織異常により、体を上手に動かせないなどの症状があらわれます。中でも運動失調は主な症状の一つです。立ったときふらつく、片足立ちができない、体幹バランスが不安定になるなどの症状があらわれます。
これらの症状は中枢神経系における神経伝達物質の異常などが原因でおこるとされています。
セレジストは、中枢神経系に広く分布するTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体に結合し、骨格筋や自律神経に重要な役割を果たすアセチルコリンや、運動に関する神経伝達物質であるドパミンなどのモノアミン神経系を活性化し、これらの遊離および代謝回転を促進させます。さらに、神経を伸張・保護させる神経栄養因子様作用により、神経細胞を活性化させて運動失調を改善すると考えられています。

セレジストの治療目的は、症状の改善だけでなく、良好な日常生活動作や生活の質をより長く維持することです。SCD(脊髄小脳変性症)は、治療をしなければ、確実に悪化していく疾患です。逆に、治療を行っても、症状の改善は対症的治療であって、脊髄小脳変性症自体の改善は望めません。したがって、長期療養を余儀なくされることになります。
脊髄小脳変性症を改善する確実な治療法がない現状では、病気の進行を抑制することがもっとも重要となります。

脊髄小脳変性症において、集中リハビリトレーニングにより症状を改善効果があります。トレーニング後も効果が持続すること、一定期間をあけ繰り返しトレーニングを行う事で、効果が増強できることが、様々な研究により明らかになってきています。通院や入院をして行うリハビリテーションだけではなく、自主的なトレーニングを継続しておこなうことで、効果の持続が期待できます。リハビリの際には、転倒などのリスクに配慮する必要があり、リハビリスタッフなどの適切な指導の下で行う事が重要です。

セレジストOD錠について
セレジストOD錠は口の中で溶かして服用するお薬です。嚥下障害でお困りの患者さま、あるいは胃瘻を造設した患者さまに適した薬剤です。

使用方法

通常、成人にはタルチレリン水和物として1回5mg、1日2回(朝、夕)食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

主な副作用
CK上昇/赤血球減少/ヘモグロビン減少/脈拍数変動/動悸/悪心/嘔吐/下痢/食欲不振/胃部不快感/胃炎

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

痙攣/悪性症候群/発熱/無動緘黙/筋強剛/脱力/頻脈/血圧変動/白血球増加/血清CK上昇/ミオグロビン尿/腎機能低下/肝機能障害/黄疸/AST上昇/ALT上昇/ALP上昇/LDH上昇/γ-GTP上昇/ショック様症状/一過性血圧低下/意識喪失/血小板減少

■タルチレリン水和物の注意すべき副作用
痙攣/悪性症候群/発熱/無動緘黙/筋強剛/脱力/頻脈/血圧変動/白血球増加/血清CK上昇

その他の副作用
腹痛/口渇/便秘/トリグリセリド上昇/総コレステロール上昇/BUN上昇/頭痛/めまい/ふらつき/振戦/過敏症/発疹/そう痒/TSH変動/甲状腺ホルモン上昇/T3上昇/T4上昇/プロラクチン上昇/血糖上昇/熱感/倦怠感/頻尿/舌炎/しびれ/眠気/頭がボーっとする/不眠/女性化乳房/脱毛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
【相対禁止】
・妊婦・産婦
上記にあてはまる方は、タルチレリン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
タルチレリン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(セレジスト錠5mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セレジスト錠5mgの有効成分
日局 タルチレリン水和物5mg
▼セレジスト錠5mgの添加物
ステアリン酸マグネシウム/トウモロコシデンプン/ポビドン/D-マンニトール

使用に注意が必要な方
・内分泌異常
・重度腎機能障害
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、タルチレリン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
タルチレリン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
女性ホルモン(黄体ホルモン)製剤:メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
セレジストは、難病指定認定を取らないと飲めないのですか?

病院で処方してもらえば飲めます。ただ、高額なお薬のため費用のことを考えると難病指定を受けていた方が良いかと思われます。
難病指定を受けていれば、治療費は全額負担してもらえます。

現在、特定の疾患があり毎日セレジスト錠を飲んでいます。最近中折気味でED薬を飲みたいと思ってるのですが併用しても大丈夫でしょうか?恥ずかしくて、先生には聞きにくくて。

セレジストを飲んでるということは、おそらく脊髄小脳変性症だと思うのですが、
もしかしたらEDの原因が、脊髄小脳変性症による可能性も考えられます。
セレジストの併用注意には、ED薬は含まれていませんが、ここは思い切って主治医にご相談なさることをお勧めします。

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