成分名 |
フルドロコルチゾン酢酸エステル |
適応症状 |
・塩喪失型慢性副腎皮質機能不全(アジソン病)
・塩喪失型先天性副腎皮質過形成症 |
簡易説明 |
フルドロコルチゾン酢酸エステルは、副腎皮質機能不全の治療に使用されます。副腎皮質機能不全を患っている方では、副腎皮質が十分なコルチゾールやアルドステロンを分泌することができず、低ナトリウム血症や低カリウム血症などのいわゆる電解質異常を引き起こします。フルドロコルチゾン酢酸エステルは、副腎皮質機能不全において不足しているホルモンの代替として、アルドステロンの作用を再現することにより電解質異常を改善し、副腎皮質機能不全症状を緩和させます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/内分泌科/代謝内分泌科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:0.1mg約254円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1987年8月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
フロリネフ錠0.1mg(サンド株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
フルドロコルチゾン酢酸エステルは、塩喪失型慢性副腎皮質機能不全(アジソン病)、塩喪失型先天性副腎皮質過形成症といった、副腎皮質機能不全の治療に使用されます。アジソン病を患っている方では、副腎皮質が十分なコルチゾールやアルドステロンを分泌することができず、低ナトリウム血症や低カリウム血症などのいわゆる電解質異常を引き起こします。フルドロコルチゾン酢酸エステルは、副腎皮質機能不全において不足しているホルモンの代替として、アルドステロンの作用を再現することにより電解質異常を改善し、副腎皮質機能不全症状を緩和させます。
フルドロコルチゾン酢酸エステルの具体的な作用としては、まずアルドステロン受容体に結合し、細胞内のナトリウム・カリウム輸送体と呼ばれる部位を活性化させます。これによって、ナトリウムが体外から体内へ再び吸収されるプロセス(再吸収)が促進され、同時にカリウムの体内から体外への分泌プロセスが促進されます。フルドロコルチゾン酢酸エステルの作用により、結果として体内のナトリウム濃度が上昇し、低ナトリウム血症が改善されます。また、体外へのカリウムの排泄が促進され、低カリウム血症も改善されます。 |
使用方法 |
・フルドロコルチゾン酢酸エステルとして、通常0.02〜0.1ミリグラムを1日2〜3回に分けて服用します。なお、新生児や乳児に対しては0.025〜0.05ミリグラムからスタートし、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
※年齢によってフルドロコルチゾン酢酸エステルに対する感受性が変化します。とくに新生児や乳児期からレニン活性、血清電解質、血圧などを定期的に測定し、適切な服用量に注意してください。 |
副作用 |
重大な副作用
※次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・後のう白内障、緑内障
※連続的な服用によって眼内圧亢進、緑内障、後のう白内障を来すことがあるので、定期的に目の検査をすることが必要です。
・感染症、誘発感染症の悪化
※感染症や誘発感染症の悪化が引き起こされる可能性があります。またB型肝炎ウイルスの増殖による肝炎が引き起こされる可能性もあります。
・膵炎、消化性潰瘍
・うつ状態、精神変調、けいれん
・糖尿病、続発性副腎皮質機能不全
・大腿骨および上腕骨などの骨頭無菌性壊死、骨粗鬆症、ミオパシー
・血栓症
その他の副作用
・血液系:白血球増多
・体液、電解質系:低カリウム性アルカローシス、血圧の上昇、むくみ、低カリウム血症、高ナトリウム血症
・消化器系:胃痛、胸やけ、口の渇き、悪心、嘔吐、食欲の亢進、腹部膨満感
・内分泌系:月経周期の異常
・筋、骨格系:関節痛、筋肉痛
・脂質、たん白質代謝系:窒素負平衡、野牛肩、脂肪肝、満月様顔貌
・眼:眼球突出、中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害
・精神神経系:不眠、多幸症、頭痛、めまい、頭重感、ふらつき
・過敏症:発疹
・皮膚系:皮膚がうすくなる、多毛、にきび、色素沈着、脱毛、皮下溢血、線条、かゆみ、紫斑、発汗異常、赤ら顔、創傷治癒の遅延、脂肪織炎
・その他:倦怠感、疲労感、発熱、息切れ、体重増加、ステロイド腎症、精子数及びその運動性の増減
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・フルドロコルチゾン酢酸エステルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、フロリネフ錠0.1mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼フロリネフ錠0.1mgの有効成分
フルドロコルチゾン酢酸エステル
▼代表薬の添加物
リン酸水素カルシウム水和物、トウモロコシデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、乳糖水和物、無水乳糖
・フルドロコルチゾン酢酸エステルに対し過敏症の経験のある方
■原則使用出来ない方
・全身の真菌症、有効な抗菌剤の存在しない感染症を治療中の方
※免疫機能が低下して感染症が増悪する可能性があります。
・後のう白内障を患っている方
※水晶体線維に影響して、後のう白内障が増悪する可能性があります。
・高血圧症の方
※高血圧症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・急性心筋梗塞を起こした方
※フルドロコルチゾン酢酸エステルによって心破裂を起こしたというデータがあります。
・消化性潰瘍の方
※粘膜の防御機能が低下し、消化性潰瘍が増悪する可能性があります。
・精神疾患を患っている方
※中枢神経系に影響してしまい、精神疾患が増悪する可能性があります。
・結核性疾患を治療中の方
※免疫機能が低下して結核性疾患が増悪する可能性があります。
・単純疱疹性角膜炎を治療中の方
※免疫機能が低下して単純疱疹性角膜炎が増悪する可能性があります。
・緑内障を患っている方
※眼内圧が上昇し、緑内障が増悪する可能性があります。
・最近行った内臓において手術の創がある方
※創傷治癒が遅延する可能性があります。
・血栓症を治療中の方
※血液凝固の促進によって、血栓症が増悪する可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・脂肪塞栓症を治療中の方
・甲状腺機能低下を治療中の方
・感染症を患っている方
・糖尿病を患っている方
・骨粗鬆症を患っている方
・腎不全状態の方
・うっ血性心不全を治療中の方
・重症筋無力症を患っている方
・肝硬変を治療中の方
・脂肪肝を患っている方
・授乳している方
・妊娠している方
・小児
・高齢者
上記にあてはまる方は、フルドロコルチゾン酢酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 フルドロコルチゾン酢酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ■併用注意薬
※次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・経口タイプの糖尿病薬(アセトヘキサミドなど)、インスリン製剤
※フルドロコルチゾン酢酸エステルは上記成分の作用を減弱させる可能性があります。
・バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシン
※フルドロコルチゾン酢酸エステルの分解が促進し、作用が減弱する可能性があります。
・抗凝血剤(ワルファリンカリウムなど)
※フルドロコルチゾン酢酸エステルは血液を固める流れを活性化させるので、上記成分の作用を減弱させる可能性があります。
・非脱分極性筋弛緩剤(ベクロニウム臭化物、パンクロニウム臭化物など)
※フルドロコルチゾン酢酸エステルは上記成分の作用を減弱させる可能性があります。
・利尿剤(アセタゾラミド、トリクロルメチアジド、フロセミドなど)
※併用により、低カリウム血症があらわれる可能性があります。
・シクロスポリン
※併用したシクロスポリンの血液中の濃度が上昇する可能性があります。
・サリチル酸誘導体(アスピリンダイアルミネート、アスピリン、サザピリンなど)
※フルドロコルチゾン酢酸エステルによって上記成分が腎臓からの排泄を促進、肝臓での分解を促進するため作用が減弱する可能性があります。
上記を使用している方は、フルドロコルチゾン酢酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。 フルドロコルチゾン酢酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
フルドロコルチゾン酢酸エステルに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
フロリネフ 【フロリネフ 添付文書】 |
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