クエン酸第二鉄水和物

成分名

クエン酸第二鉄水和物

適応症状

慢性腎臓病患者における高リン血症の改善/鉄欠乏性貧血 など

簡易説明

「クエン酸第二鉄水和物」は、赤血球の生成に関わる鉄(鉄分)を体内に補充することで、主に鉄欠乏性貧血による頭痛やめまい、息切れなどの症状を改善する薬で、慢性腎臓病患者における高リン血症の改善、鉄欠乏性貧血、の治療に用いられます。
日本では、日本たばこ産業がリオナの商品名で販売しています。
「クエン酸第二鉄水和物」は、は高リン血症治療薬で、消化管内で食物に含まれるリンと結合して、リンの体内吸収を抑制することで、体内のリンが減少して高リン血症が改善します。

処方可能な診療科目

内科/循環器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
リオナ錠250mg 76円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2014年5月認可

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

リオナ錠250mg【製薬メーカー:日本たばこ産業】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「クエン酸第二鉄水和物」は、赤血球の生成に関わる鉄(鉄分)を体内に補充することで、主に鉄欠乏性貧血による頭痛やめまい、息切れなどの症状を改善する薬です。
貧血は何らかの理由で赤血球が減ってしまい全身に十分な酸素を供給できなくなってしまう状態で、鉄欠乏性貧血は、赤血球の生成に関わる物質のひとつである鉄分が不足しておこる貧血で、頭痛やめまい、息切れなどの症状があらわれます。
赤血球の中にヘモグロビンという物質があり、ヘモグロビンが酸素と結合することで赤血球は全身に酸素を運ぶわけですが、そのヘモグロビンはビタミンなどの働きにより、鉄とタンパク質などが合わさって生成されます。
「クエン酸第二鉄水和物」は、体内に鉄分を補充することで、ヘモグロビンの合成を促進し赤血球を増やして鉄欠乏性貧血の症状を改善する作用をあらわす薬剤です。
「クエン酸第二鉄水和物」は、カルシウムを含有しないため、高カルシウム血症や血管石灰化の発現リスクが低く、またポリマー性リン吸着薬にみられる便秘や腸管穿孔など重篤な胃腸障害の心配もありません。
しかし、一方では下痢を起こしやすく、また長期服用時は鉄過剰症に注意が必要になります。

使用方法

▼用法用量
[慢性腎臓病患者における高リン血症の改善]
・成人には、クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量として、1日3回食直後に経口投与します。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減しますが、最高用量は1日6,000mgとします。

[鉄欠乏性貧血]
・成人には、クエン酸第二鉄として1回500mgを1日1回食直後に経口投与します。患者の状態に応じて適宜増減しますが、最高用量は1回500mgを1日2回までとします。

▼用法及び用量に関連する注意
[慢性腎臓病患者における高リン血症の改善]
・本剤投与開始時又は用量変更時には、1~2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましいです。
・増量を行う場合は、増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1,500mgまでとして、1週間以上の間隔をあけて行ってください。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

・痢,悪心,便秘
・腹部不快感,嘔吐,腹部膨満,腹痛,上腹部痛,排便回数増加,胃腸障害,下腹部痛,十二指腸潰瘍,便通不規則
・血清フェリチン増加注),ヘモグロビン増加,血中アルミニウム増加,γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,ヘマトクリット増加
・赤血球増加症,食欲減退,頭痛,高血圧,肝機能異常,湿疹,そう痒症,月経過多,倦怠感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■鉄欠乏状態にない患者
鉄欠乏状態にない患者は、鉄過剰症を来すおそれがあります。投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■消化性潰瘍,炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者
消化性潰瘍,炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者は、病態を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■他の鉄含有製剤投与中の患者
他の鉄含有製剤投与中の患者は、鉄過剰症を引き起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■発作性夜間血色素尿症の患者
発作性夜間血色素尿症の患者は、溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者
ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者は、病態を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■血清フェリチン値等から鉄過剰が疑われる患者
血清フェリチン値等から鉄過剰が疑われる患者は、鉄過剰症を引き起こすおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■C型慢性肝炎等の肝炎患者
C型慢性肝炎等の肝炎患者は、病態を悪化させるおそれがある。症状が悪化した場合は、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

■授乳婦
授乳婦は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、クエン酸第二鉄水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
クエン酸第二鉄水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・キノロン系抗菌剤
 シプロフロキサシン等
・甲状腺ホルモン剤
 レボチロキシン等
・テトラサイクリン系抗生物質
 テトラサイクリン塩酸塩
 ドキシサイクリン塩酸塩水和物等
・セフジニル
・抗パーキンソン剤
 レボドパ・ベンセラジド塩酸塩等
・エルトロンボパグ オラミン
・経口アルミニウム製剤
 水酸化アルミニウムゲル
 合成ケイ酸アルミニウム

上記を使用している方は、クエン酸第二鉄水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
クエン酸第二鉄水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「クエン酸第二鉄水和物」はどういった特徴がありますか?

「クエン酸第二鉄水和物」は、鉄分を含有するリン吸着薬で、Ca非含有、非ポリマー性リン吸着薬です。血清カルシウム値が高く、炭酸カルシウム製剤が使いにくい場合に有用です。

「クエン酸第二鉄水和物」は飲み合わせや食べ合わせはありますか?

「クエン酸第二鉄水和物」は、他の薬と結合して、その薬の吸収を阻害する性質があり、とくにキノロン系抗菌薬と併用する場合は、服用間隔をあけるなど配慮が必要になります。

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