フルドロキシコルチド

成分名

フルドロキシコルチド

適応症状

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症/ビダール苔癬を含む)/結節性痒疹(固定蕁麻疹を含む)/乾癬/掌蹠膿疱症/扁平紅色苔癬/アミロイド苔癬/環状肉芽腫/光沢苔癬/慢性円板状エリテマトーデス/フォックス・フォアダイス病/肥厚性瘢痕・ケロイド/尋常性白斑/シャンバーグ病/悪性リンパ腫(菌状息肉症の紅斑・扁平浸潤期など) など

簡易説明

ドレニゾンテープ(一般名:フルドロキシコルチドテープ)は、ステロイド外用剤を粘着テープに含ませた貼り薬です。
ステロイドはその強さによって5段階に分けられますが、本剤に含まれるステロイド「フルドロキシコルチド」はその3番目、つまり中間的な強さのものになります。
テープの主な材質はポリエチレンフィルムをベースにしており、これには空気を通さないという性質があるので粘着面が皮膚によく付着します。そのため関節などにも貼付でき、利便性が高い薬といえます。
根本的な治療ではなく、あくまで症状をとる対症療法薬ですので病気の原因そのものは治せませんが、皮膚をよい状態に導き、かきむしりによる悪化の悪循環を断つという意味でも有用です。

処方可能な診療科目

皮膚科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

ドレニゾンテープ4μg/cm2((0.3mg)7.5cm×10cm):64.5円
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1973年4月(発売)

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

ドレニゾンテープ4μg/cm2(製薬会社:住友ファーマ)

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

ドレニゾンテープはステロイドが配合される貼付剤の医療用医薬品で、皮膚の赤みやかゆみを和らげるはたらきがあります。
本剤の有効成分はフルドロキシコルチドというステロイドです。ステロイドには身体の炎症を抑える作用があるので、適切に使用することで湿疹・皮膚炎群を始め様々な皮膚疾患による症状の緩和に効果をあらわします。

また本剤は、外傷、熱傷、手術などによる傷の治癒にもよく用いられます。
傷の患部では様々な細胞が傷を直そうと活発に働くのですが、傷の周囲で回復のために働く細胞のバランスが崩れることで、傷がきれいに回復せず、ケロイドや肥厚性瘢痕(*)となってしまいます。
そうした疾患に罹らないように、ドレニゾンテープは様々な原因で出来た傷に使用されています。
さらに、ケロイドなどの予防だけではなく、すでにケロイドが出来てしまった場合の治療にも用いられています。
ドレニゾンテープに含有されるステロイドがケロイドの原因となる細胞の増殖を抑えることで効果を示すのです。

(*)ケロイド、肥厚性瘢痕:
怪我をした皮膚の部位にできる、硬くてゴムのような繊維状の傷跡のことです。
ピンクや赤で、かゆみを伴うことがあります。その症状は、数年または生涯にわたって続く可能性があります。

使用方法

本剤は薄いフィルム状のテープ薬です。大きさが7.5cm×10cmの1種類しかありませんので、ご使用の際は患部の大きさに合わせてご自身でカットして貼付してください。カット時、薬を台紙から剥がさないでください。
テープを貼る前に患部をきれいに洗浄し、清潔なタオルなどで水気をよく拭き取り、乾燥させます。その後テープから台紙を取り除いて粘着面を患部に貼りつけます。その際、角を丸く切ることで剥がれにくくなります。
貼付後は12時間または24時間ごとに貼りかえてください。、その際にも必ず患部をきれいに洗ってから新しいものを貼るようにしてください。
台紙から剥がしづらい場合には、テープを切る際にハサミを垂直ではなく斜めに傾けてカットしてください。テープと台紙の間に段差ができることで剥がしやすくなります。
なお、あらかじめ切って保管していると剥がしにくくなるため、ご使用の直前に切るようにしてください。保管する際はアルミ袋に入れ、開封部を折りたたんでいただくことで乾燥しにくくなります。

副作用

主な副作用
皮膚局所炎症 / 皮膚刺激症状 / 接触皮膚炎 / 発赤 / 丘疹 / 皮膚水疱 / 膿疱 / 皮膚疼痛 / 皮膚そう痒 / 皮膚湿潤 / ステロイド皮膚

重大な副作用
眼圧亢進 / 緑内障 / 後のう白内障

その他の副作用
皮膚萎縮 / 紫斑 / 皮膚色素脱失 / Kobner現象 / 皮膚乾燥 / 皮膚亀裂 / 皮膚色素沈着 / 皮膚感染症 / 皮膚真菌症 / 皮膚カンジダ症 / 皮膚白癬 / 皮膚細菌感染症 / 伝染性膿痂疹 / 毛のう炎 / 皮膚ウイルス感染症 / 毛細血管拡張 / ざ瘡様発疹 / 発疹 / 酒さ様皮膚炎 / 口囲皮膚炎 / 頬に潮紅 / 口囲潮紅 / 多毛 / 魚鱗癬様皮膚変化 / 過敏症 / 皮膚刺激感 / 下垂体・副腎皮質系機能抑制

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
〇本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方

〇鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎の方
鼓膜の再生の遅延及び感染増悪のおそれがあります。

〇潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷の方
肉芽形成抑制作用があります。

使用に注意が必要な方
〇細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)の方
免疫抑制作用により感染を増悪させるおそれがあります。やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮してください。

〇妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けてください。他の副腎皮質ステロイド剤の動物実験で、皮下注射又は筋肉内注射により口蓋裂等の催奇形性が報告されています。

〇小児等
長期・大量使用により、発育障害をきたすおそれがあります。

〇高齢者
一般に生理機能が低下しているため、大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けてください。

上記にあてはまる方は、フルドロキシコルチドを使用する事が出来ない可能性があります。
フルドロキシコルチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ドレニゾンテープの使用にあたり、日常生活で注意することはありますか?

テープを貼った部位は、濡れると剥がれやすくなります。
特に、日常よく使い濡れやすい手の病変に使いたい場合は、夜に貼付して朝に剥がすなど、生活リズムに合わせて使い方を工夫する必要があります。

ドレニゾンテープは顔に貼っても大丈夫ですか?

ドレニゾンテープは顔への使用には向いていません。
ステロイドはその強さによって、(強い方から順に)ストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、マイルド、ウィークの5段階に分類されます。
ステロイド剤を顔に塗る場合には、5段階中4番目もしくは5番目に弱いものが適しているのですが、ドレニゾンテープは3番目の強さのため少し強すぎます。
さらに、本剤はテープ薬ですので密封包帯療法(塗り薬などにおいて、薬の効果が低い場合に、薬を塗った上から薄いプラスチックフィルム等で覆って、薬を皮膚深部まで行き渡らせる療法)によって効果が高まる可能性があり、副作用も生じやすくなります。特に目の近くに貼ると緑内障の発症も懸念されます。
以上の理由から、本剤の顔への使用は避けた方がよいと考えます。

テープを小さく切りすぎて、肌に貼り付きません。どう対応すれば良いですか?

小さく切りすぎて貼付しにくい場合は、テープの上からバンドエイドや医療用のテープなどを貼って固定してください。

ステロイドの含まれる医療用医薬品としては、他に患部に塗布する軟膏やクリームがありますが、テープだからこそのメリットはありますか?

本剤は薄いフィルム状のテープ剤を患部に貼り付けるものですので密封療法が可能になり、軟膏やクリームよりも強く皮膚の外傷、湿疹、皮膚炎などの炎症を和らげることができます。

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