メナテトレノン

成分名

メナテトレノン

適応症状

骨粗しょう症/乳児ビタミンK欠乏性出血症/分娩時出血/肝障害に伴う低プロトロンビン血症/ビタミンK欠乏性出血 など

簡易説明

メナテトレノン(ビタミンK2)には、「骨を強くする」「血液を固める」と大きく2つの働きがあります。
メナテトレノンを主成分とする(先発)薬には、「グラケー」「ケイツー」「ケーワン」などの種類があり、疾患や症状によって以下のように使い分けられています。

・グラケー:主に骨粗しょう症における骨量・疼痛の改善
・ケイツー:乳児ビタミンK欠乏性出血症や分娩時出血など
・ケーワン:肝障害に伴う低プロトロンビン血症やビタミンK欠乏性出血など

処方可能な診療科目

整形外科/外科/内科/産科・婦人科/小児科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

【薬価】
・ケイツーカプセル5mg(エーザイ):18.3円/1カプセル
・グラケーカプセル15mg(エーザイ):21.6円/1カプセル
・ケイツーシロップ0.2%(サンノーバ):25.3円/1mL
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1995年10月(発売)

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

・ケイツーカプセル5mg(製薬会社:エーザイ)
・グラケーカプセル15mg(製薬会社:エーザイ)
・ケイツーシロップ0.2%(製薬会社:サンノーバ)

関連製品(ジェネリック)

・メナテトレノンカプセル15mg「CH」(製薬会社:長生堂製薬)
・メナテトレノンカプセル15mg「TYK」(製薬会社:武田テバ薬品)
・メナテトレノンカプセル15mg「YD」(製薬会社:陽進堂)
・メナテトレノンカプセル15mg「トーワ」(製薬会社:東和薬品)
・メナテトレノンカプセル15mg「科研」(製薬会社:大興製薬)
・メナテトレノンカプセル15mg「日医工」(製薬会社:日医工)
・メナテトレノンカプセル15mg「日本臓器」(製薬会社:東海カプセル)
・メナテトレノンカプセル15mg「F」(製薬会社:富士製薬)
・メナテトレノンカプセル15mg「TCK」(製薬会社:辰巳化学)
・メナテトレノンカプセル15mg「KTB」(製薬会社:寿製薬)
・メナテトレノンカプセル15mg「SN」(製薬会社:シオノケミカル)

効果・作用

メナテトレノン製剤には「グラケー」「ケイツー」「ケーワン」などの種類があります。
これらは脂溶性ビタミン剤という種類に分類されるもので、体内にビタミンKを補います。

まずグラケーに関して、骨は、「骨形成(骨が新しく作られる過程)」と「骨吸収(骨が壊されていく過程)」を繰り返していて、これを「骨代謝(回転)」といいます。
通常はこの骨代謝がバランスよく行われていて均衡がとれているのですが、骨粗しょう症の患者さんは、骨形成が弱くなり骨吸収が強くなって、このバランスが崩れた状態にあります。そのため、少しの衝撃で骨にひびが入ったり骨折したりしてしまうのです。

ビタミンK、とりわけ本剤の主成分であるビタミンK2は骨の形成に深く関わっており、骨をつくる骨芽細胞や骨を壊して吸収する破骨細胞に直接作用して骨を丈夫にする働きがあります。
そのため本剤グラケーは、その服用でビタミンKを外から補うことによって、骨量の維持と疼痛緩和がなされ、骨粗しょう症の治療に効果を発揮するのです。

一方ケイツーやケーワンに関して、ビタミンKには上記骨形成とは別に、血液凝固因子(血液を固める要因)にも関与し血液を固める作用もあります。
そのためケイツーは乳児ビタミンK欠乏性出血症や分娩時出血など、ケーワンは肝障害に伴う低プロトロンビン血症やビタミンK欠乏性出血などの治療に効果を示すのです。

使用方法

使用方法、用量は薬剤の種類や用途によって異なります。

【ケイツーカプセル5mg】処方医の指示に従ってください。
【グラケーカプセル15mg】1日に45mgを3回に分けて服用(毎食後に1カプセルずつ)。
【ケイツーシロップ0.2%】
・治療の場合:1日1回2mg(1mL)、ただし症状により6mg(3mL)まで増量が可能です。
・予防の場合:処方医の指示に従ってください。

副作用

主な副作用
胃部不快感/腹痛/下痢/悪心/口内炎/食欲不振/消化不良/便秘/過敏症/発疹/そう痒 など

重大な副作用
報告はありません。

その他の副作用
頭痛/AST上昇/ALT上昇/γ-GTP上昇/BUN上昇/浮腫/頻尿/倦怠感/口渇/舌炎/嘔吐/発赤/眩暈/ふらつき/しびれ/血圧上昇/動悸/眼異常/関節痛 など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
【ワルファリンカリウムを服用中の方】(下段「併用禁忌薬」参照)

使用に注意が必要な方
【高齢者】
骨粗しょう症は閉経後女性や高齢者に多く見られる病気です。そのため本剤は長期にわたって服用されることが多い薬剤です。
また一般的に高齢者は腎臓や肝臓の機能、及び生理機能が低下しているため、副作用があらわれる可能性が高くなるため注意が必要です。

【妊婦、産婦、授乳婦等】
妊婦、授乳婦へは使用経験がないため、安全性は確立していません。

【小児等】
小児へは使用経験がないため、安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、メナテトレノンを使用する事が出来ない可能性があります。
メナテトレノンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
【ワルファリンカリウム(ワーファリン)】
本剤メナテトレノンには血液凝固因子(血液を固める要因)に関与し血液を固める作用があるため、血液凝固阻止剤であるワルファリンの期待薬効が弱まるおそれがあります。
ワルファリンの服用が必要な方は、本剤の使用を中止してワルファリン療法を優先してください。ただし、ワルファリンカリウム製剤服用中におこる低トロンビン血症の場合などはこの限りではありません。
ワルファリン使用時は、トロンボテスト、プロトロンビン時間など血液凝固能検査を実施し、ワルファリンが維持量に達するまで定期的にモニタリングを行ってください。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
メナテトレノン製剤の使用にあたり、上記以外で留意する点はありますか?

留意点は大きく分けて3つあります。
1.本剤服用の対象について
2.服用のタイミングについて
3.副作用について

以下詳細です。

1.本剤の適用にあたっては、厚労省の定めた基準(「老人性骨粗鬆症の予防及び治療法に関する総合的研究班」の診断基準)を満たす必要があります。
具体的には骨量減少の有無、骨折の有無、腰背痛の有無などを参考に医師が総合的に骨粗鬆症との診断を確立し、骨量減少・疼痛がある方のみが対象となります。

2.本剤は空腹時ではなく、必ず食後に服用するようにしてください。
メナテトレノン製剤は脂溶性ビタミンなので、脂肪分に溶け込んで体内に吸収されます。
そのため服用前に脂肪分のあるものを食べておくことで、空腹時と比べて成分をより効率よく吸収できるのです。

3.通常、普通に食事が取れる健康な人であればビタミンKが不足することはあまりありません。本剤は消耗性の病気や胃腸に病気のある人が、本来欠乏することのない成分を補うためのものです。つまり身体にとって異物となるものを服用するわけではありません。
そのため副作用が比較的少ない、安全性の高い薬剤といえるのですが、まれに薬剤アレルギーを起こすことがあります。発疹やかゆみ、発赤などの症状ががあらわれた場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
また副作用が少ない代わりに、劇的な改善作用もありません。ご使用の際は予め上記お含みください。

新生児や乳児が服用することは出来ますか?

グラケーやケイツーは効き方が穏やかですので、新生児や乳児にも服用頂けます。
実際、生児出血症や新生児低プロトロンビン血症の治療、また新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防に使用されています。この場合、服用しやすいように、主にケイツーシロップが用いられます。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。