ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)

成分名

ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)

適応症状

ムコ多糖症Ⅵ型

簡易説明

ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)は、ムコ多糖症VI型に使用される薬剤です。これまで当疾患の治療薬はありませんでしたが、未承認薬使用問題検討会議において、本剤の必要性が討論され、その後承認にいたりました。先天的に不足している酵素を補充することが作用機序となっています。日本では、BioMarin Pharmaceutical Japan社が発売しています。

処方可能な診療科目

小児科/耳鼻咽喉科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ナグラザイム点滴静注液5mg【製薬メーカー:BioMarin Pharmaceutical Japan】5㎎1瓶268986円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年4月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ナグラザイム点滴静注液5mg【製薬メーカー:BioMarin Pharmaceutical Japan】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカやヨーロッパなど世界30か国以上で販売されています。

効果・作用

ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)は、ムコ多糖症VI型に用いられる薬剤です。本疾患では、先天的にライソゾーム加水分解酵素が不足していることが原因で発症しますが、これまで治療薬がありませんでした。しかし、本剤の必要性が討論されたことで、承認にいたりました。本剤は週1回点滴静注することで、不足していた酵素を補充し、蓄積されたGAGを分解し、症状を改善します。

ムコ多糖症Ⅵ型患者39名を対象とした海外第3相試験を行っています。本剤 1kgあたり1mgもしくはプラセボを週1回24週間投与しました。結果、本剤群はプラセボ群に比べて、12分間歩行試験で平均92m、 3分間階段昇段試験で平均5.7段/分の改善が示されました。尿中グリコサミノグリカン濃度においては平均227μg/mgであり、クレアチニンの低下が認められました。

本剤を投与した患者19名全員が、試験中に総抗体反応を発現しました。総抗体はGAG減少率と相関しないようでした。また、本剤投与患者のうち 4名を除いた全員が24週目までにIgE反応がありました。総抗体反応またはIgE反応の発現とインフュージョンリアクションとの間に相関は認められませんでした。

第3相試験に参加した39名の患者のうち38例を対象として本剤を投与して継続した試験を実施しています。12分間歩行試験は試験開始時から本剤/本剤群で平均183±26m、プラセボ/本剤群で平均141±25mの距離の延長が認められました。さらに、3分間階段昇段試験は本剤/本剤群で平均13.1±2.0段/分、プラセボ/本剤群で平均13.7±1.7段/分の改善が認められました。尿中グリコサミノグリカン濃度は本剤/本剤群では試験終了タイミングの値を96週まで維持しており、プラセボ/本剤群では試験終了時から96週にかけて224±19μg/mgクレアチニンの低下が認められました。

肺機能については、最大換気量は、第3相試験の本剤群で改善していましたが、プラセボ群では変化していませんでした。

使用方法

体重1kgあたり1mgを週1回、点滴静注します。

副作用

主な副作用
発熱、悪寒、低血圧や高血圧、呼吸困難、咳嗽、結膜炎、蕁麻疹や発疹などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

全身障害及び投与局所様態・・発熱/悪寒/胸痛/注入部位疼痛(5%以上)、顔面浮腫(5%未満)
神経系障害・・頭痛(5%以上)、振戦(5%未満)
皮膚及び皮下組織障害・・発疹/蕁麻疹/そう痒症/丘疹/紅斑(5%以上)、血管神経性浮腫/アレルギー性皮膚炎/斑状皮疹(5%未満)
胃腸障害・・腹痛/嘔吐/悪心(5%以上)
筋骨格系及び結合組織障害・・関節痛/靭帯弛緩(5%未満)
血管障害・・低血圧/高血圧(5%以上)、充血(5%未満)
呼吸器/胸郭及び縦隔障害・・呼吸困難/咳嗽(5%以上)、呼吸窮迫(5%未満)
血液及びリンパ系障害・・貧血/白血球減少症(5%未満)血小板減少症(頻度不明)
眼障害・・結膜炎(5%以上)、臨床検査 ALP上昇/好中球数増加(5%未満)

重大な副作用
<重篤なIAR>
呼吸困難などの重度のアナフィラキシーのような反応を投与中に起こすことがありますので、症状があらわれた場合には、すぐに投与を中止し、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤や副腎皮質ホルモン剤の投与や気道確保など適切な処置を実施してください。

<膜性腎症などのネフローゼ症候群>
症状に合わせて投与継続の可否を判断してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ナグラザイム点滴静注の有効成分
ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)

▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸水素二ナトリウム七水和物、ポリソルベート80

・以前、ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・ 重症な呼吸不全もしくは急性呼吸器疾患のある方は、IARによって症状が急激に悪化するリスクがありますので使用には注意をしてください。
・急性熱性疾患もしくは呼吸器疾患のある方は投与日を遅らせることを検討してください。
・腎機能に高度な障害のある方は有効性安全性が確立していないため慎重に投与をしてください。
・肝機能に高度な障害のある方は有効性安全性が確立していないため慎重に投与をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性もしくは授乳婦
・5歳未満の小児は、臨床試験を実施しておらず有効性安全性が確立していないため慎重に投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているので、副作用の発現などに注意をしながら投与をしてください。

上記にあてはまる方は、ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
本剤投与後に気を付けることはありますか?

ムコ多糖症Ⅵ型患者によく認められる症状である睡眠時無呼吸があらわれることがあります。抗ヒスタミン剤の前投与が無呼吸のリスクを増加させるとされているため、本剤の投与開始前には気道開存性の評価を可能な限り行ってください。眠る際に酸素の補給もしくは持続的な気道陽圧など、呼吸補助をしている方では、本剤投与中にインフュージョン・リアクションが発現した場合に備えて、呼吸補助の適切な処置をすぐに
実施できるように準備をしておいてください。

重要な基本的注意とその理由

【上記引用元:ナグラザイム点滴静注液5mg 医薬品インタビューフォーム】

本剤を投与する最中に気を付けることはありますか?

必ず、日局生理食塩液で希釈した後に投与してください。本剤の投与は注入ポンプを使用し、4時間以上かけてすべての量を投与してください。投与スピードは、体重が20kg以下の場合、初めの1時間は1時間あたり3mLとして、忍容性があれば1時間あたり38mLに速度を上げます。体重が20kg を超える場合は、初めの1時間は1時間あたり6mLとして、忍容性があれば 1時間あたり80mLに投与速度を上げてください。

用法及び用量に関連する注意

【上記引用元:ナグラザイム点滴静注液5mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ナグラザイム点滴静注液5mg 添付文書

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