ベラグルセラーゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

ベラグルセラーゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

ゴーシェ病の貧血、血小板減少症、肝脾腫や骨症状などの症状の改善

簡易説明

ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、ゴーシェ病に用いられる薬剤です。体内に蓄積しているグルコセレブロシドを分解することで、貧血や血小板減少症、肝脾腫や骨症状を改善します。元々はシャイアー社が開発していましたが、日本では現在武田薬品工業が販売権をもっています。ジェネリックは発売されていませんが既に世界60か国以上で販売されています。

処方可能な診療科目

小児科/血液内科/総合診療科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ビプリブ点滴静注用400単位【製薬メーカー:武田薬品工業】1瓶305550円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2014年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ビプリブ点滴静注用400単位【製薬メーカー:武田薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

現在日本と同様の適応で60か国以上で発売されています。

効果・作用

ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、ゴーシェ病に用いられる遺伝子組み換え薬剤です。当疾患は、ライソゾーム酵素であるグルコセレブロシダーゼが不足していることで発症する進行性の病気です。体内では、肝臓や骨などににグルコセレブロシドが蓄積しており、肝脾腫、貧血、血小板減少、骨症状、神経症状などが症状として現れます。本剤は、体内に不足しているグルコセレブロシダーゼを補充することで症状改善が期待されます。
本剤は、糖鎖修飾として高マンノース型糖鎖が加えられており、標的となるヒトマクロファージへの取り込みは他の酵素製剤と比較し約2.5倍ほどであることが示されています。

日本人ゴーシェ病患者6名を対象として国内第3相試験が実施されています。6名のうち、I型が成人2名と小児2名、III型が小児2例で、本剤を約12ヵ月間1週間おきに点滴静脈内投与しました。参加した全員がイミグルセラーゼの治療を受けており、投与前のイミグルセラーゼと同一用量の本剤に切り替えました。結果、ヘモグロビン濃度、血小板数、肝容積及び脾容積について本剤効果の維持が認められました。投与12か月目におけるベースラインからの変化量の中央値は、ヘモグロビン濃度−0.05g/dL、血小板数−6.2×103/μL、体重補正した肝容積0.01%、体重補正した脾容積0.01%でした。治験期間中に抗ベラグルセラーゼ アルファ抗体が認められた被験者はいませんでした。

酵素補充療法を受けたことのない4歳以上のI型ゴーシェ病の方25名を対象に用量反応を検討する試験を実施しています。本剤1kgあたり60単位または45単位を12ヵ月ほど1週間おきに点滴静脈内投与しました。投与51週の時、もしくは53週の時におけるベースラインからの変化が、1kgあたり60単位群のほうが1kgあたり45単位群よりも体重補正した肝容積と脾容積の低下が大きいことが認められています。

また、本剤はイミグラーゼと効果が同等であることを示す日劣勢試験を実施しています。酵素補充療法を受けたことのない3歳以上のI型ゴーシェ病患者34名を対象に、本剤1kgあたり60単位を17名に、もしくはイミグルセラーゼ1kgあたり60単位を17名に9ヵ月間ほど1週間おきに点滴静脈内投与しました。ヘモグロビン濃度変化量に関して、本剤はイミグルセラーゼに対して非劣性であることが認められました。

酵素補充療法を受けていない18歳以上のI型ゴーシェ病患者に対して、海外長期継続試験を実施しています。本剤を1kgあたり60単位で1週間おきに39週間点滴静脈内投与した後、10名に1kgあたり30〜60単位を最長89ヵ月間1週間おきに点滴静脈内投与しました。
二重エネルギーX線吸収測定法で評価した骨密度のZスコアは、前試験の本剤投与開始タイミングで−1.6、大腿骨頚部BMDのZスコアは−1.5でした。しかし、腰椎のZスコアは投与24ヵ月に0.4、大腿骨頚部BMDのZスコアは投与33ヵ月に0.4と上昇しており、投与81ヵ月における本剤投与開始前からの変化量は、腰椎のZスコアでは0.7、大腿骨頚部BMDのZスコアでは0.5と改善していました。

使用方法

1回体重1kgあたり60単位を1週間おきに点滴静脈内投与してください。

副作用

主な副作用
主に、頭痛や浮動性めまい、悪心や関節痛、背部痛などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
神経系障害・・頭痛/浮動性めまい(5%以上)、
胃腸障害・・悪心(5%以上)、腹痛/上腹部痛(1~5%未満)
筋骨格系及び結合組織障害・・関節痛/背部痛(5%以上)、骨痛(1~5%未満)
臨床検査・・活性化部分トロンボプラスチン時間延長(1~5%未満)、中和抗体陽性(頻度不明)
全身障害・・疲労/無力症/体温上昇/胸部不快感(1~5%未満)
血管障害・・潮紅/高血圧/低血圧(1~5%未満)
心臓障害・・頻脈(1~5%未満)
皮膚及び皮下組織障害・・発疹/じん麻疹/アレルギー性皮膚炎/そう痒症(1~5%未満)
呼吸器/胸郭及び縦隔障害・・呼吸困難(1~5%未満)

重大な副作用
重大な副作用としてはインフュージョンリアクションが頻度不明ですが、報告されています。
アナフィラキシーを起こすことがありますので、頭痛、浮動性めまい、低血圧、高血圧、悪心、疲労、無力症、発熱があらわれた場合には投与スピードを減速させるもしくは、一度投与を中止し、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は副腎皮質ホルモン剤の投与などの適切な薬物治療を実施してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ベラグルセラーゼ アルファを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ビプリブ点滴静注の有効成分
ベラグルセラーゼ アルファ
▼代表薬の添加物
精製白糖、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸水和物、ポリソルベート20
・以前、ベラグルセラーゼ アルファを使用してアナフィラキシーショックとなったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性もしくは授乳婦は、本剤を投与するメリットがあると判断される場合にのみ投与してください。
・4歳未満の小児に対しては臨床試験を実施していないため、慎重に投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用などの発現に気を付けながら投与をしてください。

上記にあてはまる方は、ベラグルセラーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ベラグルセラーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベラグルセラーゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
本剤投与後注意することはありますか?

鉄が不足している場合は、貧血を改善するために鉄材の補給を検討してください。本剤投与によって貧血が改善し、鉄の消費が促進されるため、イミグルセラーゼと同様に鉄材を補給してください。

重要な基本的注意とその理由

【上記引用元:ビプリブ点滴静注用400単位 インタビューフォーム】

本剤の調整方法を教えてください。

①まずは投与に必要なバイアルを冷蔵庫から取り出し、室温になるまで放置してください。その後1バイアルあたり日局注射用水4.3mLで本剤を溶解して、4mLを取り出します。溶解するときはゆっくり混ぜてください。②続いて、日局生理食塩水が含まれているバック内の空気を抜きます。異なるシリンジを用いて、患者に投与する用量をバイアルから採取します。その後、採取した溶液を日局生理食塩水が入っているバックに加えて希釈します。

適用上の注意

【上記引用元:ビプリブ点滴静注用400単位 インタビューフォーム】

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