チアミン塩化物塩酸塩

成分名

チアミン塩化物塩酸塩

適応症状

・ウェルニッケ脳炎
・脚気衝心
・食事からの摂取が不十分/激しい肉体労働時/妊産婦/消耗性疾患/授乳婦/甲状腺機能亢進症のビタミンB1の補給
・ビタミンB1欠乏症の治療/予防/関節痛/筋肉痛/心筋代謝障害/神経痛/末梢神経炎/末梢神経麻痺
・ビタミンB1代謝障害の関節痛/筋肉痛/神経痛/末梢神経炎/末梢神経麻痺

簡易説明

・ビタミンB1が不足すると、エネルギー生産が滞り疲労物質が蓄積しやすくなったり脳による神経コントロールが不調となることで、足のしびれ、むくみ、動悸、食欲不振、精神の不安定、運動機能の低下などがあらわれやすくなる。チアミン塩化物塩酸塩はビタミンB1製剤であり、ビタミンB1不足によっておこる中枢神経障害(ウェルニッケ脳症やコルサコフ症候群)や脚気(末梢神経障害や心不全)などを改善する作用をあらわす。また製剤によっては、輸液施行時などによるビタミンB1不足を予防する目的で使われる場合もある。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1管あたりの目安:1管10mg 約84円~
薬代後発薬1管の目安:1管10mg 約84円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1952年12月

国内のジェネリック認可

あります

関連製品(先発薬)

・メタボリン注射液10mg/20mg/50mg【製薬メーカー:武田テバ薬品】

関連製品(ジェネリック)

・チアミン塩化物塩酸塩注5mg/10mg/20mg/50mg「フソー/日新/NP//」【製薬メーカー:扶桑薬品工業 /日新製薬-山形/ニプロ///】
・チアミン塩化物塩酸塩注射液10mg/20mg/「VTRS/トーワ/ツルハラ/日医工/ファイザー//」【製薬メーカー:マイランEPD/東和製薬/鶴原製薬/日医工/マイラン製薬//】
・チアミン塩化物塩酸塩散0.1%「日新」【製薬メーカー:日新製薬-山形】
・ビタミンB1注10mg「イセイ」【製薬メーカー:コーアイセイ】

効果・作用

・ビタミンB1を補い、しびれ、むくみ、動悸、食欲不振、神経や運動機能の低下などを改善します。水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンで、B1・B2・ナイアシン・パントテン酸・B6・B12・ビオチン・葉酸などに分かれる。

≪疲労回復効果≫
・炭水化物を代謝する過程においては、その代謝反応をスムーズに促すために酵素が必要となります。酵素が働くためには、その酵素の働きをサポートする補酵素が必要となります。チアミンは炭水化物の代謝反応で必要となる補酵素として働いているのです。
・チアミンは小腸で吸収された後、リン酸と結合します。リン酸と結合したチアミンは、補酵素であるチアミンピロリン酸になります。炭水化物は体内で消化されるとブドウ糖に分解され、ブドウ糖は小腸で吸収されます。ブドウ糖は、血液によって全身に運ばれ、体を動かす時に使われるエネルギーになります。ブドウ糖がエネルギーとして変換される時には、ブドウ糖はピルビン酸という物質に変えられて、さらにアセチルCoAという物質に変換されます。このアセチルCoAから、エネルギー物質が産生されるのです。
・補酵素であるチアミンピロリン酸はピルビン酸をアセチルCoAに変換する時に働きます。そのため、チアミンが不足していると、ブドウ糖(グルコース)はピルビン酸までしか変換されないため、エネルギー物質を生成できません。エネルギーになれないブドウ糖はピルビン酸やピルビン酸からできる乳酸という疲労物質として体内に蓄積してしまいます。この疲労物質である乳酸が体内に蓄積してしまうと、疲労を感じやすくなったり、エネルギー不足よって、エネルギーを必要とする肝臓や腎臓などで障害が起こります。
・またチアミンはブドウ糖(炭水化物)のエネルギー生成だけではなく、アミノ酸のエネルギー生成にも関与しています。そのためチアミン不足になると、タンパク質の代謝も滞ってしまうのです。チアミンを積極的に摂取することで疲労を感じにくくなり、元気な体を維持できるでしょう。

≪神経機能を正常に保つ効果≫
・中枢神経や手足の末梢神経の働きは、脳によって調整されます。脳がしっかりと働くためには大量のエネルギーが必要になります。このエネルギーはブドウ糖のみから作られます。つまりブドウ糖からエネルギーがきちんと作られなければ、脳がしっかりと働くことができません。チアミンはブドウ糖からのエネルギー生産をする際の補酵素として働きます。エネルギー生産が促されることで、脳神経の働きが正常に保たれます。

≪アルツハイマー症の症状緩和≫
・チアミンには、脳内の神経伝達物質を正常に保つ働きがあることが、近年の研究によって明らかになってきました。アルツハイマー型認知症患者さんの脳では、チアミンが補酵素として助けている酵素の活性が低下していることが分かっています。


≪薬効薬理≫
チアミンはATP存在下にthiamine diphosphateに変換し、生理作用を現す。糖質、たん白質、脂質代謝で、また、TCAサイクルの関門として重要な位置を占めるピルビン酸の脱炭酸反応やTCAサイクル内のα-ケトグルタル酸の脱炭酸反応に関与している。また、トランスケトラーゼの補酵素として五炭糖リン酸回路での糖代謝や核酸代謝にも関与している。

▼他のビタミンB1製剤▼
アリナミン

▼多く含む食品▼
・酵母は、アルコール発酵によりピルビン酸を脱炭酸してエタノールを生成することができ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼの補因子であるチアミンを自ら合成できるとともに、培地に存在するチアミンを吸収し、細胞内に集積することができる。種によっては、その乾燥重量の10%近くのチアミンを集積できる。酒粕にも酵母が含まれているため、チアミンが含まれている。
・酵母/豚肉/胚芽(米ぬか・ふすまなど)/豆類/ソバ/全穀パン/牛乳/緑黄色野菜/たらこ/うなぎ/カキ (貝)

使用方法

1日1~50mgを皮下、筋肉内又は静脈内注射する
なお、年齢、症状により適宜増減する

副作用

主な副作用
過敏症、発疹

重大な副作用
ショック症状、血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■メタボリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方メタボリンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼メタボリンの有効成分
チアミン塩化物塩酸塩
▼代表薬の添加物
ベンジルアルコール、クエン酸水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、ブドウ糖、pH調整剤、乳糖水和物、バレイショデンプン、等張化剤、チオグリコール酸ナトリウム

■その他使用できない方
・薬物過敏症

使用に注意が必要な方
・過敏症
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、チアミン塩化物塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
チアミン塩化物塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
チアミンの1日摂取量はどの程度でいいのでしょうか?

チアミンの1日摂取量は女性であれば・18~49歳 1.1mg・50~69歳 1.0mg・70歳以上 0.9mg/男性であれば・18~49歳 1.4mg・50~69歳 1.3mg・70歳以上 1.2mgとなっております。

チアミンが不足した場合どうなるのでしょうか?

チアミンが体内で減ってしまうと、脚気やウェルニッケ脳症などの症状が現れるでしょう。ウェルニッケ脳症は、中枢神経が侵される障害であり、重篤になると死亡するケースもあるので注意が必要です。

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