成分名 |
ベタイン |
適応症状 |
ホモシスチン尿症など |
簡易説明 |
ベタインは、先天的なCBS欠損、BHMT欠損に対して、ベタインの補給で代謝障害を改善してホモシスチン蓄積を防ぐ薬で、ホモシスチン尿症の治療に用います。
日本では、レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンがサイスタダンの商品名で販売しています。
ベタインは、メチオニン代謝経路においてベタイン.ホモシステインメチル基転移酵素(BHMT)の基質として、ホモシステインにメチル基を供与することにより、ホモシステインの再メチル化を促進して、ホモシステインをメチオニンにすることによって、体液中のホモシステインを低下させる効果があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
薬代1gあたりの目安:サイスタダン原末 456円/g (薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2014年5月発売開始【サイスタダン原末】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
サイスタダン原末【製薬メーカー:レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | ・アメリカ
1996年に承認。CYSTADANE - betaine powder, for solutionという名でRare Disease Therapeutics, Inc.から販売されました。
・イギリス
2007年2月に承認。Cystadane 1 g oral powderという名でRecordati Rare Diseases UK Ltdから販売されました。
・その他
上記の国を含め、2021年12月時点でカナダ、EU諸国など61か国で発売されています。 |
効果・作用 |
ベタインは、先天的なCBS欠損、BHMT欠損に対して、ベタインの補給で代謝障害を改善してホモシスチン蓄積を防ぐ薬です。
従来、ホモスシチン尿症患者は、食事療法(低メチオニン、高シスチン食)を生涯続けなければならず、食事療法以外に治療法は存在していなかったことから、食事療法も幼児期以降は厳格に守ることが難しく、しばしばコントロールできないことが問題となっていました。
ベタインは、メチオニン代謝経路においてベタイン.ホモシステインメチル基転移酵素(BHMT)の基質として、ホモシステインにメチル基を供与することにより、ホモシステインの再メチル化を促進して、ホモシステインをメチオニンにすることによって、体液中のホモシステインを低下させる効果があります。
◆ホモシスチン尿症とは
先天性アミノ酸代謝異常症の一種です。ホモシステインの重合体がホモシスチンとなるが、メチオニンの代謝産物であるホモシステインが血中に蓄積することで発症します。チオール基を介するホモシステインは、様々なタンパクとも結合するため、その過程で生成されるスーパーオキサイドなどによって血管内皮細胞障害などをきたすとされています。
ホモシスチン尿症は3つの方に分類されます。Ⅰ型がシスタチオニン-β合成酵素(CBS)欠損症、Ⅱ型がコバラミン代謝異常、Ⅲ型がN5,N10-メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)欠損症とされています。 |
使用方法 |
▼用法用量
・ベタインとして11歳以上には1回3g、11歳未満には1回50mg/kgを1日2回経口投与します。なお、患者の状態、血漿中総ホモシステイン値、血漿中メチオニン値等を参考に適宜増減します。
▼効能または効果に関連する注意
・臨床症状及び臨床検査値等により、ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素(CBS)欠損症、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)欠損症、コバラミン(cbl)補酵素代謝異常)と診断された患者に投与してください。
・本剤は食事療法を含めた十分な栄養管理の下に投与してください。
▼重要な基本的注意
・定期的に血漿中総ホモシステイン値及び血漿中メチオニン値を測定してください。血漿中総ホモシステイン値については可能な限り低く抑えるよう注意して、血漿中メチオニン値については上昇に注意してください。
・本剤投与後に血漿中メチオニン値の上昇(1000~3000μmol/L:mg/dL換算で約15~45mg/dLに相当)を伴う脳浮腫が報告されています。本剤を投与する際には、脳浮腫が疑われる症状(頭痛、嘔吐、視覚異常等)の発現に十分注意して、これらの症状が発現した場合には速やかに診察を受けるようにすることと、投与再開により脳浮腫が再発した場合は、本剤の投与を決して行わないようにしてください。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼脳浮腫(頻度不明)
血漿中メチオニン値の上昇を伴う脳浮腫があらわれることがあります。本剤投与後に血漿中メチオニン値の上昇(1000~3000μmol/L:mg/dL換算で約15~45mg/dLに相当)を伴う脳浮腫が報告されています。本剤を投与する際には、脳浮腫が疑われる症状(頭痛、嘔吐、視覚異常等)の発現に十分注意して、これらの症状が発現した場合には速やかに診察を受けるように指導することや、投与再開により脳浮腫が再発した場合は、本剤の投与を決して行わないようにしてください。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
・激越、うつ病、易刺激性、人格障害、睡眠障害、嗜眠
・痙攣、頭痛、筋緊張亢進
・悪心
・歯の障害、下痢、舌炎、腹部不快感、嘔吐、食欲減退、胃腸障害、変色歯
・腹痛、便秘、胃腸炎
・毛髪脱落、蕁麻疹、皮膚異常臭
・発疹
・鼻咽頭炎
・高脂血症
・尿失禁
・血中メチオニン値上昇
・体重増加
・感染性腸炎
・インフルエンザ
・発熱
・無力症、メラノサイト性母斑
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ・妊婦
・授乳婦
・小児等
・高齢者
上記にあてはまる方は、ベタインを使用する事が出来ない可能性があります。 ベタインを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 下記薬剤のGABA作用が増強される可能性があることから、服用間隔は30分以上空けることが推奨されています。
・アミノ酸配合剤
胎盤加水分解物
胎盤絨毛分解物
総合アミノ酸製剤[ESポリタミン顆粒]
・催眠鎮静剤・抗不安剤
ベンゾジアゼピン系
バルビツール酸系
非ベンゾジアゼピン系
・抗てんかん剤
バルビツール酸系
ヒダントイン系
ベンゾジアゼピン系
分岐脂肪酸系等
上記を使用している方は、ベタインを使用する事が出来ない可能性があります。 ベタインを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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