成分名 |
シチコリン |
適応症状 |
1)頭部外傷、脳手術後、脳梗塞急性における期意識障害
2)脳卒中片麻痺患者の上肢の機能回復を促進:但し、発作後1年以内で、リハビリテーション及び通常の内服薬物療法(脳代謝賦活剤、脳循環改善剤などの投与)を行う、下肢の麻痺が比較的軽度な症例のもの。
3)①急性膵炎②慢性再発性膵炎の急性憎悪期③術後の急性膵炎の①~③の疾患に対する、蛋白分解酵素阻害剤との併用療法 |
簡易説明 |
シチコリンは商品名がニコリン注射液として発売されており、脳外傷時のリン脂質代謝異常と意識及び脳の機能並びに病態変化に関する生化学的、薬理学的研究から開発された薬剤になります。臨床的に頭部外傷並びに脳手術に伴う意識障害、パーキンソン病に対する抗コリン剤との併用療法、脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復促進、脳梗塞急性期意識障害に対して有用性が認められています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/精神科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1管あたりの目安:100mg約180円/250mg約240円/500mg約340円/0.5g350円/1g約600円(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:100mg約60円/250mg約60円/500mg約80円/0.5g60円/1g約130円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ニコリン注射液は100mg、250mg、500mgともに2001年8月24日に製造販売が承認されました。またニコリンH注射液は0.5g、1gともに2001年8月22日に製造販売が承認されました。
そしてニコリン注射液の100mg、250mg、500mg、且つニコリンH注射液の0.5g、1gは2001年9月7日に薬価基準が収載となりました。
その後ニコリン注射液100mgは1967年2月13日に発売、250mgは1970年7月10日に発売、500mgは1971年10月18日に発売、ニコリンH注射液の0.5gと1gは1981年9月1日に発売されました。 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
ニコリン注射液100mg/ニコリン注射液250mg/ニコリン注射液500mg【製薬メーカー:武田テバ薬品株式会社】
ニコリンH注射液0.5g/ニコリン注射液1g【製薬メーカー:武田テバ薬品株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
シチコリンH注500mgシリンジ「NP」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】
シチコリン注100mg/2mL「NP」/シチコリン注500mg/2mL「NP」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】
シチコリン注100mg/2mL「日医工」/シチコリン注500mg/10mL「日医工」/シチコリン注250mg/2mL「日医工」/シチコリン注500mg/2mL「日医工」/シチコリン注1000mg/4mL「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】 |
海外での使用実績 |
海外では販売されておりません。 |
効果・作用 |
ニコリン注射液は1)頭部外傷、脳手術後、脳梗塞急性における期意識障害2)脳卒中片麻痺患者の上肢の機能回復を促進する。但し、発作後1年以内で、リハビリテーション及び通常の内服薬物療法(脳代謝賦活剤、脳循環改善剤などの投与)を行う、下肢の麻痺が比較的軽度な症例のもの。3)①急性膵炎②慢性再発性膵炎の急性憎悪期③術後の急性膵炎の①~③の疾患に対する、蛋白分解酵素阻害剤との併用療法にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序は、頭部への作用と膵臓への作用とに分けて解説します。
1)意識障害、脳卒中後の片麻痺に対する作用
シチコリン投与により
①意識障害患者等における脳波を改善した。
②大脳皮質刺激による皮質脳波覚醒反応及び誘発筋放電の閾値の上昇を抑制する事によって、上行性の網様賦活系、及び錐体路系の働きを促進し、意識水準及び運動機能を高めた。
③急性卒中発作、神経症状(意識障害、運動障害)の発現を抑制する事によって、死亡率を低下させた。
④脳血流の増加作用、脳血管抵抗の低下作用を示し、脳循環を改善した。特に脳幹部血流量を増加させる。
⑤筋電図上、不全麻痺筋の低下した最大筋仕事量の増加及び荷重負荷時の疲労現象発現時間の延長をもたらし、中枢性における運動機能障害を改善した。
⑥グルコースの脳内取り込み促進、乳酸の脳内蓄積の抑制、脳ミトコンドリアの呼吸機能低下の改善、虚血により低下したグルコースからアセチルコリンの生合成の促進、そしてドーパミン代謝回転の改善、脳虚血時における脳内脂肪酸遊離の抑制など、脳の機能、及び代謝における改善作用を示した。
⑦神経細胞膜分画に取り込まれ、リン脂質生合成を促進し、リン脂質代謝を改善した。
2)膵炎に対する作用
①膵・肝組織の壊死を主とする変性を軽減する事によって、生存時間を延長させた。本剤を蛋白分解酵素阻害剤(ガベキサートメシル酸塩又はアプロチニン)と併用した場合にその作用は増強される。
②膵の膜脂質画分によく取り込まれることから、レシチン生合成促進作用を介して膵の生体膜修復に関与すると推定される。
③ヒト膵液及び急性膵炎患者血清中のホスホリパーゼA2活性を阻害する事により、レシチンの分解を抑制した。 |
使用方法 |
1)頭部外傷並びに脳手術に伴う意識障害の成人に使用する場合には、通常シチコリンとして1回100~500mg(0.1~0.5g)を1日1~2回点滴静脈内注射、静脈内注射又は筋肉内注射を行う。なお、投与する患者の年齢や症状によっては適宜増減する事とされております。
2)脳梗塞急性期意識障害の患者に投与する場合には、通常シチコリンとして1日1回1,000mg(1g)を2週間連続して静脈内へ投与する事とされております。
3)脳卒中後の片麻痺の患者に投与する場合には、通常シチコリンとして1日1回1,000mg(1g)を4週間連続して静脈内注射を行います。又は、1日1回250mg(0.25g)を4週間連続して静脈内注射し、改善傾向が見られる様であれば更に4週間継続投与します。
4)膵炎の患者に投与する場合には、通常蛋白分解酵素阻害剤を併用して、1日1回1,000mg(1g)を2週間連続静脈内投与します。 |
副作用 |
重大な副作用
1)ショック(0.1%未満)
血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難等の異常が認められる場合があります。
その他の副作用
過敏症、精神神経系、消化器、肝臓、眼、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
2)精神神経系
不眠、麻痺肢の痺れ感の発現又は増強(脳卒中片麻痺に用いた場合)(0.1~5%未満)
頭痛、眩暈、興奮、痙攣(0.1%未満)
3)消化器
悪心(0.1~5%未満)
食欲不振(0.1%未満)
4)肝臓
肝機能検査地の異常(0.1~5%未満)
5)眼
一過性の複視(0.1%未満)
6)その他
熱感(0.1~5%未満)
一過性の血圧変動、倦怠感(0.1%未満)
過敏症の発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■シチコリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ニコリン注射液100mg/250mg/500mg/ニコリンH注射液0.5g/1g25%はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ニコリン注射液100mg/250mg/500mg/ニコリンH注射液0.5g/1g25%の有効成分
シチコリン
▼代表薬の添加物
・pH調整剤
使用に注意が必要な方 1)薬剤過敏症の既往歴のある患者
上記にあてはまる方は、シチコリンを使用する事が出来ない可能性があります。 シチコリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
シチコリンに関する よくある質問 |
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