スクロオキシ水酸化鉄

成分名

スクロオキシ水酸化鉄

適応症状

透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

簡易説明

スクロオキシ水酸化鉄を成分とするピートルは、高リン血症治療薬です。消化管内で食物に含まれるリンと結合し、リンの体内吸収を抑制します。すると、体内のリンが減少し、高リン血症が改善されます。リンとカルシウムの血清濃度を正常に保つことは、骨の病変を防ぎ、また動脈硬化をおさえて重い心血管系合併症を防ぐことにつながります。

処方可能な診療科目

内科/循環器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ピートルチュアブル錠250mg 159.4円/錠(薬価)
ピートルチュアブル錠500mg 235円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2015年11月認可

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ピートルチュアブル錠250mg /500mg【製薬メーカー:キッセイ薬品工業】
ピートル顆粒分包250mg/500mg【製薬メーカー:キッセイ薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

スクロオキシ水酸化鉄は、主に慢性腎臓病(CKD)の病態において、消化管内でリンを吸着し、リン排泄を促すことで高リン血症を改善して、動脈硬化や骨折などを予防するお薬です。
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)では、腎臓の機能が低下することで、食事などにより吸収された余剰のリンの排泄が滞り、高リン血症が引き起こされ、これを放置するとリンとカルシウムの過度な結合により、骨以外の組織でも石灰化がおこります。
特に血管の石灰化は、動脈硬化の原因となり血栓症などが発症しやすくなることや、関節の石灰化で関節症、皮膚であれば痒みなど様々な症状がおこりやすくなります。
そのほか、血清中のリンの上昇とカルシウムの低下は副甲状腺ホルモンの分泌を促進し、このホルモンが骨からカルシウムなどを流出させるため、骨がもろくなります。
スクロオキシ水酸化鉄は、消化管内でリンを吸着する作用により、リンの消化管内での吸収を抑制して、血液中のリンの濃度上昇を抑えることで高リン血症を改善し、動脈硬化や骨折などを予防します。
リンを吸着する作用の仕組みは薬剤ごとに異なり、金属イオン(カルシウムや鉄)がリンと結合したり、金属以外の物質がリンと結合して、これらリンと結合した物質が体外へ排泄されることで結果として体内のリンを減らす効果が期待できます。

チュアブル錠と顆粒剤があります。チュアブル錠は噛み砕いて水なしで飲めるため、水分摂取制限が必要な人に適します。顆粒剤は義歯に挟まりにくいマイクロタブレットから成る製剤です。噛まずに服用できるので、咀嚼機能低下により噛み砕きが困難な人に向きます。

使用方法

▼用法用量
〈成人には〉
鉄として1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与します。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減しますが、最高用量は1日3000mgとします。

▼用法及び用量に関連する注意
・本剤投与開始時又は用量変更時には、1~2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましいです。
・増量を行う場合は、増量幅を鉄として1日あたりの用量で750mgまでとして、1週間以上の間隔をあけて行ってください。

副作用

主な副作用
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
・下痢、便秘
・嘔吐、悪心、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、胃腸炎、排便回数増加
・血清フェリチン増加、AST上昇、ALT上昇、CK上昇、血中鉄増加、ヘモグロビン増加
・発疹、そう痒症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■消化性潰瘍、炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者
消化性潰瘍、炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者は、病態を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■鉄過剰症又は鉄過剰状態である患者
鉄過剰症又は鉄過剰状態である患者は、病態を悪化させるおそれがあります。本剤は、消化管内で作用する薬剤ですが、本剤の成分である鉄が一部吸収されるため、血清フェリチン等を定期的に測定して、鉄過剰に注意してください。また、ヘモグロビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、過剰造血に注意してください。

■他の鉄含有製剤投与中の患者
他の鉄含有製剤投与中の患者は、鉄過剰症を引き起こすおそれがあります。本剤は消化管内で作用する薬剤ですが、本剤の成分である鉄が一部吸収されるため、血清フェリチン等を定期的に測定して、鉄過剰に注意してください。また、ヘモグロビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合、過剰造血に注意してください。

■発作性夜間血色素尿症の患者
発作性夜間血色素尿症の患者は、溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■C型慢性肝炎等の肝炎患者
C型慢性肝炎等の肝炎患者は、病態を悪化させるおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、スクロオキシ水酸化鉄を使用する事が出来ない可能性があります。
スクロオキシ水酸化鉄を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあります。併用する場合は、これらの薬剤の作用を観察してください。

・テトラサイクリン系抗生物質
 ドキシサイクリン塩酸塩水和物等
・甲状腺ホルモン製剤
 レボチロキシンナトリウム水和物等
・セフジニル
・抗パーキンソン剤
 ベンセラジド塩酸塩・レボドパ等
・エルトロンボパグ オラミン

飲食物との相互作用
鉄分を含むもの<バジル、海苔、あゆ、ひじき、あさり など>

上記を使用している方は、スクロオキシ水酸化鉄を使用する事が出来ない可能性があります。
スクロオキシ水酸化鉄を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ピートルを食直前に飲み忘れた場合、食事中や食直後に服用してもいいですか?

ピートルを食事中や食直後に服用した場合の有効性、安全性は確認されていません。食直前に飲み忘れた場合は、1回分を飛ばして、次回、用法用量に従い食直前の服用をしてください。
ピートルは、食事に影響する薬剤です。毎食直前に服用することで効果を発揮します。

ピートルを服用してから便が黒いのですが大丈夫でしょうか?

ピートルは、有効成分として鉄を含有しているため、服用することで便が黒色になる場合があります。これは、未吸収の鉄によるものなので黒色化自体は有害ではありません。

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