ジメルカプロール

成分名

ジメルカプロール

適応症状

重金属を解毒するために使用される医薬品です。
保険診療上、鉛中毒、金中毒、ビスマス中毒、アンチモン中毒、クロム中毒、ヒ素中毒、銅中毒、そして水銀中毒に対して適応症状を持ちます。

簡易説明

ジメルカプロールを主成分とする医薬品であるバル筋注100mg「AFP」は重金属解毒剤であり、ヒ素、水銀、金及び鉛等による急性中毒に対する解毒剤の一つとして使用されています。
ヒ素、水銀、鉛、銅中毒に有効であり、且つ金、ビスマス、クロム、アンチモンによる中毒の毒性も低下させます。
しかし、カドミウム又はウラニウムに対する解毒作用は無効である為使用できません。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1管あたりの目安:100mg約1,650円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ジメルカプロールを主成分とする医薬品であるバル筋注100mg「AFP」は1950年10月9日に製造販売が承認され、販売名変更により2008年3月27日に再度製造販売が承認されました。また1960年6月1日には薬価基準に収載されました。そして1950年10に販売が開始されました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

バル筋注100mg「AFP」【製薬メーカー:アルフレッサファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

英国、米国、ロシア等で販売されています。

効果・作用

ジメルカプロールを主成分とする医薬品にはバル筋注100mg「AFP」がありますが、この医薬品は重金属を解毒するために使用される薬剤です。
保険診療上、鉛中毒、金中毒、ビスマス中毒、アンチモン中毒、クロム中毒、銅中毒、ヒ素中毒そして水銀中毒にたいして効果のある医薬品になります。

【作用機序】
諸種のチオール化合物は、金属と安定に結合しますが、バル筋注100mg「AFP」を投与した場合にも同様に、主成分のジメルカプロールも金属イオンに対する親和性が非常に強く、筋肉内注射により体内における諸酵素のSH基と金属イオンの結合を阻害する作用を発現します。
そしてすでに結合が起こっている金属複合体の場合には、金属部分と結合する事により体外への排泄を促進し、阻害されていた酵素の活性を賦活する効果を現わします。
ジメルカプロール投与により阻害されていた酵素を再賦活化できる程度は、時間経過に伴って低下していきますので、ジメルカプロールによる治療は、中毒の初期に処置すれば、つまり治療行為が早ければ早いほど極めて効果的にその作用を発揮します。
ジメルカプロールの解毒作用は、ヒ素、水銀、鉛、銅等に特に有効ですが、クロム、ビスマス、アンチモン、金、の中毒による毒性も低下させる事が可能です。
しかし残念ながら、カドミウム又はウラニウムにはその効果を示さず無効です。
カドミウム、鉄またはセレンの中毒の際には投与してはいけません。これらの金属とジメルカプロールとの結合により毒性の増強を見る事があるとの報告があります。

使用方法

<バル筋注100mg「AFP」の主成分であるジメルカプロールを通常成人に投与する場合>
1回量として2.5mg/kgを、初日は1日4回、6時間毎に筋肉内注射し、翌日から7日目までの6日間は、1日1回2.5mg/kgを毎日筋肉内注射を行います。
<重症緊急を要する中毒症状の患者の治療を行う場合>
1回量として2.5mg/kgを初日及び2日目は1日6回、4時間毎に筋肉内注射により投与し、第3日目には1日4回、6時間毎に投与し、そして第4日目から10日間は、もしくは回復するまでは1日2回、12時間毎に筋肉内注射を毎日行います。

なお、投与する患者の年齢及び症状によっては適宜増減する事が認められています。

副作用

その他の副作用
過敏症の副作用が報告されております。
1)過敏症
発疹等(頻度不明)
頻度不明ではありますが発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ジメルカプロールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、バル筋注100mg「AFP」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼バル筋注100mg「AFP」の有効成分
ジメルカプロール
▼代表薬の添加物
・安息香酸ベンジル、ラッカセイ油

使用に注意が必要な方
1)腎機能障害患者
ジメルカプロールー金属複合体の尿中への排泄が遅延する事がある為使用には注意が必要です。その為治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与してはいけません。
2)肝機能障害患者
ジメルカプロールー金属複合体の胆汁中への排泄が遅延する事がある為使用には注意が必要です。その為治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与してはいけません。
3)妊婦
ジメルカプロールが妊婦に使用される可能性としてはウイルソン病や水俣病等に代表される飲食物の重金属汚染等が考えられます。本剤をウイルソン病患者に用い、正常な子供が生まれているとの報告がありますが、他にヒトの妊娠中の使用に関する情報がありません。従って、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用する事とされています。
4)授乳婦
授乳婦において使用に関する情報はありません。従って治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮したうえで、授乳の継続又は中止を検討する事とされています。
5)小児等
幼小児へ投与した場合には、約30%の割合で発熱が認められていることが報告されています。
5)高齢者
本剤は主として腎臓から排泄されます。高齢者では一般的に腎機能が低下していることが多い為、高い血中濃度が持続する恐れがある為使用には注意が必要です。それでも投与するのであれば患者の状態を観察しながら慎重に投与しなければいけません。

上記にあてはまる方は、ジメルカプロールを使用する事が出来ない可能性があります。
ジメルカプロールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ジメルカプロールに関する
よくある質問
ジメルカプロール投与後どのぐらい効果が持続しますか?

臨床試験の結果よりヒトに治療量を筋肉内注射した場合、0.5~2時間で最高血中濃度に達し、4時間後にはその約半分に減じ、6から24時間で完全に代謝されて排泄されます。
インタビューホーム 【アルフレッサ ファーマ株式会社】

ジメルカプロールを過量投与してしまった場合、どのような症状が現れますか?

過量投与により、悪心・嘔吐、頭痛、口唇・口腔・咽頭・眼の灼熱感、流涙・流涎、筋肉痛、胸部の圧迫感、振戦、血圧上昇等が現れる事がります。また、時に昏睡又は痙攣が現れる事があるとの報告があります。
インタビューホーム 【アルフレッサ ファーマ株式会社】

過量投与したときはどの様に処置を行いますか?

根髄又は痙攣が現れれた場合には、アドレナリン、エフェドリン、抗ヒスタミン薬等の投与が症状を緩和するとの報告があります。
インタビューホーム 【アルフレッサ ファーマ株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【アルフレッサ ファーマ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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