成分名 |
カルグルミン酸 |
適応症状 |
下記疾患による高アンモニア血症
・N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症
・イソ吉草酸血症
・メチルマロン酸血症
・プロピオン酸血症 |
簡易説明 |
カルグルミン酸は、尿素サイクルを活性化させることにより血中アンモニア濃度を低下させる薬剤です。
高アンモニア血症は、アミノ酸代謝経路の酸素欠損による常染色体劣性遺伝疾患です。
尿素サイクルを担うカルバミルリン酸合成酵素Ⅰを活性化させるために必要となるN-アセチルグルタミン酸が合成出来なくなることで、高アンモニア血症を発症します。カルグルミン酸を使用することで、N-アセチルグルタミン酸の代わりにカルバミルリン酸合成酵素Ⅰを活性化させ、尿素サイクルが賦活化することで血中アンモニア濃度を低下させます。 |
処方可能な診療科目 |
小児科など |
健康保険の適応 |
カルグルミン酸の適応は、「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平成26年法律第50号)に基づく指定難病に、「告示番号251尿素サイクル異常症(N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症を含む)」、「告示番号247イソ吉草酸血症」、「告示番号246メチルマロン酸血症」及び「告示番号245プロピオン酸血症」として指定されており、認定を受けた患者は、医療費の自己負担分の一部、または全額が公費負担される。 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬1錠あたりの目安:200㎎ 16596.9円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月:2016年12月 |
国内のジェネリック認可 |
認可なし |
関連製品(先発薬) |
カーバグル分散錠200mg【製薬メーカー:レコルダティ・レア・ディジーズ】 |
関連製品(ジェネリック) |
該当なし |
効果・作用 |
カルグルミン酸は、尿素サイクル異常症に対して用いられ、血中アンモニア濃度を低下させる薬剤です。
尿素サイクル異常症は、尿素合成経路の代謝系に先天的な異常があり、高アンモニア血症などを発症する疾患です。尿素サイクル異常症は意識障害や行動異常、発達障害などがみられ、重篤な状態になる危険性もあります。尿素サイクル異常症は指定難病に該当し、以下の症状が発症する可能性があります。
・Nアセチルグルタミン酸合成酵素欠損症
・カルバミルリン酸合成酵素欠損症
・オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症
・古典型シトルリン血症
・アルギニノコハク酸尿症
・アルギニン血症
これらの高アンモニア血症は、アミノ酸代謝経路の酸素欠損による常染色体劣性遺伝疾患です。先天性の疾患のため、遺伝性による発症が多く見られますが、突然変異による発症の可能性もあります。
高アンモニア血症は、迅速に適切な処置を行わないと神経障害や発育障害、最悪の場合死亡に繋がる可能性があります。そのため、カルグルミン酸を使用し速やかに血中アンモニアを低下させ、血中アンモニア値をコントロールすることが重要となります。
これまでの治療法には、食事制限や栄養管理、血中アンモニアを体外に排出させるL-アルギニン、フェニル酪酸ナトリウムなどが用いられていましたが、血中アンモニア値のコントロールが不十分と判断された症例も報告されていました。
尿素サイクルの働きは、カルバミルリン酸合成酵素Ⅰという酵素が担っています。カルバミルリン酸合成酵素Ⅰ自体の働きを活性化させるN-アセチルグルタミン酸が合成出来なくなると、高アンモニア血症を引き起こします。
N-アセチルグルタミン酸が合成出来なくなる原因は遺伝性のため、20歳以上の成人が突発的に尿素サイクル異常症になることはありません。
カルグルミン酸は、N-アセチルグルタミン酸の代わりにカルバミルリン酸合成酵素Ⅰを活性化させる作用があるため、尿素サイクルを活性化させる効果があります。
尿素サイクルが活性化することで、血中アンモニア濃度は低下し、症状を緩和させます。
▼尿素サイクル異常症
尿素サイクルは、体内で発生する有毒なアンモニアを無毒な尿素に変えることを言います。遺伝性の疾患のため、親族に尿素サイクル異常症の方がいる場合は、発症する可能性が高くなります。成人を越えた方が普段の食生活や日常生活が原因で発症することはありません。
尿素サイクル異常症の方が出産した場合、その子供が発症する確率は4分の1とされています。女性より男性の方が症状が強く、女性は無症状の場合もあります。 |
使用方法 |
1日に体重kgあたり100mg~250mgより開始し、1日2~4回に分けて、用時、水に分散して経口投与する。その後は患者の状態に応じて適宜増減する。 |
副作用 |
主な副作用
カルグルミン酸には、副作用が起こる可能性があります。
カルグルミン酸を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・高揚状態
・神経系障害
・味覚異常
・多汗症
・頭痛
・発疹
・下痢
・嘔吐
・発熱
・徐脈
・トランスアミナーゼ増加
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ▼カルグルミン酸(代表薬)の有効成分
カルグルミン酸
▼代表薬の添加物
・結晶セルロース
・クロスカルメロースナトリウム
・フマル酸ステアリルナトリウム
・ヒプロメロース
・軽質無水ケイ酸
・ラウリル硫酸ナトリウム
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
使用に注意が必要な方 上記にあてはまる方は、カルグルミン酸を使用する事が出来ない可能性があります。
カルグルミン酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
▼妊婦
→妊婦または、妊娠の可能性がある女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
▼授乳中
→治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中断を検討すること。
▼高齢者
→般的に生理機能が低下しているため、状態を観察しながら慎重に投与すること。
上記にあてはまる方は、カルグルミン酸を使用する事が出来ない可能性があります。 カルグルミン酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 該当なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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