成分名 |
グルカゴン |
適応症状 |
・消化管のX線および内視鏡検査の前処置
・成長ホルモン分泌機能の検査
・低血糖時の救急処置
・肝糖原の検査
・インスリノーマの診断 |
簡易説明 |
グルカゴンは、消化管のX線および内視鏡検査の前処置、成長ホルモン分泌機能の検査、低血糖時の救急処置、肝糖原の検査、インスリノーマの診断など多岐にわたって使用されます。グルカゴンはグルカゴン受容体に結合することで効果を発揮しますが、その受容体は多種多様な組織(脳、心臓、腎、消化管、脂肪組織など)に発現しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/代謝・内分泌科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:約1,676円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2020年6月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
グルカゴン注射用1単位「ILS」(カイゲンファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
グルカゴンは、消化管のX線および内視鏡検査の前処置、成長ホルモン分泌機能の検査、低血糖時の救急処置、肝糖原の検査、インスリノーマの診断など多岐にわたって使用されます。
グルカゴンはグルカゴン受容体に結合することで効果を発揮しますが、その受容体は多種多様な組織(脳、心臓、腎、消化管、脂肪組織など)に発現しています。前述の通りグルカゴンがグルカゴン受容体に結合する特徴を活かして様々な領域で臨床応用されています。
具体的には、消化管蠕動運動を抑制する作用は、消化管のX線および内視鏡検査の前処置に活用されていますし、肝臓においてグリコーゲンの分解と糖新生によるブドウ糖の産生・放出を促し、血糖を上昇させる作用もあり低血糖の際の救急処置に応用されていたりもします。また、成長ホルモン分泌不全の状態においては、グルカゴンを皮下注射または筋肉内に注射することで成長ホルモンの分泌を促進することもできます。
グルカゴンは低血糖時の救急処置に使用する成分ではありますが、各種検査にて使用する際グルカゴン使用後に二次的な低血糖が引き起こされる可能性があります。二次的な低血糖を予防するために各種検査終了後、糖分を経口摂取しながら使用します。 |
使用方法 |
■インスリノーマの診断
・正常反応については各々の施設にて設定するべきではありますが、通常、成人では、投与後5分以内に血液中IRI値がピークに達し、100μU/mL以下を示し、血糖/IRI比は1以上となります。インスリノーマにおいては、投与6分以降に血中IRI値がピークに達し、100μU/mL以上を示し、血糖/IRI比は1以下になるという特徴があります。
※グルカゴン注射用1単位「ILS」1瓶を1mLの注射用水に溶解したのち、静脈内に注射します。
■成長ホルモン分泌機能の検査
・血中のHGH値は、測定方法や患者の状態などによって異なるため明確に指標を示すのが難しいですが、通常、成人では、グルカゴン投与後60分〜180分でピークに到達し、10ng/mL以上の結果を示します。血中のHGH値が5ng/mL以下の場合にHGH分泌不全とみなします。なお、グルカゴン投与後60分以降は30分ごとに180分まで数値を測定し、判定してください。
※グルカゴン注射用1単位「ILS」1瓶を1mLの注射用水に溶解したのち通常1USP単位または体重1kgあたり0.03USP単位を筋肉内または皮下に注射します。
■肝糖原検査
・正常反応については各々の施設にて設定するべきではありますが、通常小児では、グルカゴン筋注後30〜60分で血糖はピークに達し、前値より25mg/dL以上上昇します。正常成人では、グルカゴンの静注後15〜30分でピークに達し、前値より30〜60mg/dL上昇します。しかしながら、投与後の血糖のピーク値だけでは十分な判断ができないケースでは投与後15〜30分ごとに測定し、判断することが推奨されます。
※成人(15歳以上)の場合:グルカゴン注射用1単位「ILS」1瓶を生理食塩液20mLに溶解し、3分以上かけて静脈内に注射します。なお、小児においては体重1kgあたり0.03USP単位を筋肉内に注射します。
■消化管のX線および内視鏡検査の前処置
・グルカゴン注射用1単位「ILS」1瓶を1mLの注射用水に溶かし、0.5〜1USP単位を筋肉内または静脈内に注射します。なお、年齢、症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量します。ただし、グルカゴンの作用持続時間は、静脈内注射の場合15〜20分間、筋肉内注射の場合約25分間です。
■低血糖時の救急処置
・グルカゴン注射用1単位「ILS」1瓶を1mLの注射用水に溶かし、筋肉内または静脈内に注射します。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・アナフィラキシーショック、ショック
・低血糖
その他の副作用
・肝臓系:血清ビリルビンの上昇、LDHの上昇
・消化器系:下痢、嘔吐、腹痛、嘔気、腹鳴
・脂質代謝:トリグリセライド上昇
・過敏症:じんましん
・循環器系:血圧低下、心悸亢進、血圧上昇
・血液系:白血球分画の変動、白血球数の増加
・糖代謝系:尿糖、血糖値の上昇
・その他:血清カリウム上昇、倦怠感、顔色不良、頭痛、冷感、発赤、めまい、血清カリウム低下、ほてり、眠気、血清無機リン上昇、尿潜血、発汗
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・グルカゴンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、グルカゴン注射用1単位「ILS」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼グルカゴン注射用1単位「ILS」の有効成分
グルカゴン
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、塩酸、pH調節剤
・褐色細胞腫を患っている方
※カテコールアミンの遊離を刺激してしまい、著しい血圧上昇を引き起こす可能性があります。
・グルカゴンに対して過敏症の経験のある方
使用に注意が必要な方 ・I型糖原病を患っている方
・糖尿病を患っている方
・心臓に疾患をお持ちの高齢者
・肝硬変など、肝臓の機能が低下している方
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・妊娠している方、授乳している方
※動物実験:眼球の異常が報告されています。可能な限り使用しないことが望ましいとされています。
・小児など
上記にあてはまる方は、グルカゴンを使用する事が出来ない可能性があります。 グルカゴンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・膵臓ホルモン(インスリンなど)
※インスリンの血糖降下作用が弱まる可能性があります。
※グルカゴンは肝グリコーゲン分解の促進、糖新生の亢進などによる血糖上昇作用をもっているので血糖値などの状態を十分に測定しながら使用してください。
・βブロッカー(プロプラノロールなど)
※通常であれば低血糖状態になると、アドレナリンが遊離され血糖が上昇しますが、βブロッカーの併用によって低血糖からの回復反応がブロックされてしまいます。また、低血糖状態における交感神経系の症状(動悸、振戦など)をマスクしてしまい低血糖が遷延する可能性があります。
・抗凝固剤(ワルファリンカリウムなど)
※ワルファリンカリウムの抗凝血作用が強くあらわれる可能性があります。併用する際は血液の状態に注意し、必要に応じてワルファリンカリウムを減量するなどの適切な処置を行ってください。
上記を使用している方は、グルカゴンを使用する事が出来ない可能性があります。 グルカゴンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
グルカゴンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
グルカゴン 【グルカゴン 添付文書】 |
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