リトドリン塩酸塩

成分名

リトドリン塩酸塩

適応症状

切迫流・早産 など

簡易説明

「リトドリン塩酸塩」は、子宮の運動をゆるめる薬で、流産や早産の予防に用いられます。
日本では、キッセイ薬品工業がウテメリンの商品名で販売しており、また、大原薬品工業がリトドリン塩酸塩の商品名で販売しています。
「リトドリン塩酸塩」は子宮の筋肉に働きかけて、その収縮をおさえるはたらきがあり、おなかの張りや腹痛、出血など流・早産の心配のあるときに用います。
子宮を収縮させるのは平滑筋という筋肉で、この筋肉にある交感神経のβ受容体を刺激することで、筋肉の収縮をおさえます。

処方可能な診療科目

内科/産婦人科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ウテメリン錠5mg 53.4円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2002年5月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ウテメリン錠5mg 【製薬メーカー:キッセイ薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

リトドリン塩酸塩錠5mg「オーハラ」【製薬メーカー:大原薬品工業】

効果・作用

「リトドリン塩酸塩」は、子宮の運動をゆるめるはたらきがあり、子宮の筋肉に働きかけて、収縮をおさえるはたらきがあり、おなかの張りや腹痛、出血など流・早産の心配のあるときなど、流産や早産の予防に用いられる薬です。
子宮を収縮させるのは平滑筋という筋肉ですが、「リトドリン塩酸塩」は、この筋肉にある交感神経のβ受容体を刺激することで、筋肉の収縮をおさえます。
「リトドリン塩酸塩」は切迫流・早産治療薬として広く処方されており、飲み薬は比較的軽い症状のときに用いて、緊急性のあるときは入院して注射薬で治療します。

使用方法

▼用法用量
・1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与します。なお、症状により適宜増減します。

▼重要な基本的注意
・本剤投与中、血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがあります。投与前から口渇、多飲、多尿、頻尿等の糖尿病症状の有無や血糖値、尿糖、尿ケトン体等の観察を十分に行ってください。
・1日用量30mgを越えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意してください。
・切迫流産患者にはあらかじめ安静療法を試みた後に本剤を投与するとともに、症状の消失がみられた場合は漫然と継続投与しないでください。

▼薬剤交付時の注意
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。

副作用

重大な副作用
▼横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼汎血球減少(頻度不明)
汎血球減少があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼血清カリウム値の低下(頻度不明)
血清カリウム値の低下があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明)
血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがあります。糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼新生児腸閉塞(頻度不明)
新生児腸閉塞があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・動悸.頻脈
・顔面潮紅
・不整脈(心室性期外収縮等)
・AST、ALTの上昇等
・血小板減少
・ふらつき
・振戦、しびれ
・嘔気
・腹痛
・発疹、紅斑
・唾液腺腫脹、高アミラーゼ血症(唾液腺型アミラーゼ増加)
・胎児頻脈、胎児不整脈、新生児頻脈、新生児低血糖症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■強度の子宮出血、子癇、前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡、その他妊娠の継続が危険と判断される患者
強度の子宮出血、子癇、前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡、その他妊娠の継続が危険と判断される患者は、妊娠継続が危険と判断されることから投与しないでください。

■重篤な甲状腺機能亢進症の患者
重篤な甲状腺機能亢進症の患者は、症状が増悪するおそれがあります。投与しないでください。

■重篤な高血圧症の患者
重篤な高血圧症の患者は、過度の昇圧が起こるおそれがあります。投与しないでください。

■重篤な心疾患の患者
重篤な心疾患の患者は、心拍数増加等により症状が増悪するおそれがあります。投与しないでください。

■重篤な糖尿病の患者
重篤な糖尿病の患者は、過度の血糖上昇が起こるおそれがあります。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもあります。投与しないでください。

■重篤な肺高血圧症の患者
重篤な肺高血圧症の患者は肺水腫が起こるおそれがあります。投与しないでください。

■妊娠16週未満の妊婦
妊娠16週未満の妊婦には投与しないでください。

■本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■甲状腺機能亢進症の患者(重篤な甲状腺機能亢進症の患者を除く)
重篤な甲状腺機能亢進症の患者を除く甲状腺機能亢進症の患者は、症状が増悪するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■高血圧症の患者(重篤な高血圧症の患者を除く)
重篤な高血圧症の患者を除く高血圧症の患者は、過度の昇圧が起こるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■心疾患の患者(重篤な心疾患の患者を除く)
重篤な心疾患の患者を除く心疾患の患者は、心拍数増加等により症状が増悪するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■糖尿病の患者(重篤な糖尿病の患者を除く)、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者
重篤な糖尿病の患者を除く糖尿病の患者や、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者は、過度の血糖上昇があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■肺高血圧症の患者(重篤な肺高血圧症の患者を除く)
重篤な肺高血圧症の患者を除く肺高血圧症の患者は、肺水腫が起こるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者
筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者は、横紋筋融解症があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■授乳婦
出産直前に本剤を投与した場合には、母乳栄養の有益性を考慮し、出産直後の授乳を検討してください。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されています。

上記にあてはまる方は、リトドリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
リトドリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・β刺激剤
・β遮断剤
・カリウム減少性利尿剤

上記を使用している方は、リトドリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
リトドリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「リトドリン塩酸塩」はどういった薬ですか?

「リトドリン塩酸塩」は、子宮の運動をゆるめるはたらきがあり、流産や早産の予防に用いる薬です。

「リトドリン塩酸塩」を使用するにあたって気をつけることはありますか?

「リトドリン塩酸塩」は、心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの症状を悪化させるおそれがあるため、症状によっては使用できません。医師の診察を受け、指示に従って下さい。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。