成分名 |
メチラポン |
適応症状 |
①下垂体ACTH分泌予備能の測定 ②クッシング症候群 |
簡易説明 |
メチラポンは副腎にかかわる病気の診断や、クッシング症候群の治療に用いる医薬品になります。メチラポンは下垂体の分泌機能検査薬として40年以上にわたり臨床的に使用されております。
下垂体における前葉からのACTH分泌は血中の副腎皮質ホルモン(コルチゾン)濃度に依存します。メチラポン投与により副腎皮質におけるコルチゾンの分泌を意図的に減少させることで、その反応を見ることで下垂体の機能の病態を測定することができます。
また、メチラポンはクッシング症候群における高コルチゾール血症に対する治療薬としても古くから使用されてきております。クッシング症候群のファーストチョイスは、コルチゾール過剰の原因となっている腺腫の外科的切除となります。しかし、原発巣の同定が困難なこと、手術ができない症例、術後の投与が必要な例も存在すること等から早急な内科的管理が必要とされ、メチラポンの使用が検討されます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/腎臓内科/外科/泌尿器科/整形外科等 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
疾患によって治療方針・検査項目がことなります。
病院によっても若干前後しますがおおよそ以下の通りですが、検査する項目が多ければさらに加算されます。下垂体ACTH分泌予備能の測定においては6日間の日数を要します。検査の内容により入院が必要となる事もございます。クッシング症候群においては例えば、レントゲン・CT検査・MRI検査・核医学検査などが必要となります。その他、血液検査、尿検査、病理組織検査等もあります。症状の状態においては薬物療法よりも外科的に摘出手術を優先する場合がございます。検査項目、治療方針に関しては病院でご確認ください。
診察料としては3500円~5000円
検査料としては3500円~
薬剤料としては1230円(30日分)[メチラポンとして換算]~ |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2007年3月22日製造販売承認
2011年11月25日クッシング症候群効能追加
2007年6月15日薬価基準収載
1965年9月15日販売 |
国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
メトピロンカプセル250mg【製薬メーカー:セオリアファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
メチラポンは下垂体ACTH分泌予備能の測定、及びクッシング症候群に効果のある医薬品です。
クッシング症候群の治療における第一選択は、原疾患に対する外科的手術等の根治療法を第一に考慮します。
【作用機序】
メチラポンは、副腎皮質ステロイドの中でも主要な三つ、①コルチゾール、②コルチコステロン及び③アルドステロンの生合成の過程において、11β-水酸化酵素を特異的かつ可逆的に阻害します。
この作用により、副腎機能障害の診断や、又治療薬として使用することができる薬物の一つです。
1)下垂体ACTH分泌予備能の測定
下垂体における前葉からのACTH分泌は、血中のコルチゾール濃度に影響します。メチラポンを投与する事で、副腎皮質からのコルチゾール分泌が減少すると、下垂体前葉機能が正常の場合、ACTH分泌の増加が認められます。
ACTHの分泌が増加する事により、副腎皮質機能が刺激されますが、メチラポンにおける阻害作用の為、副腎皮質においてステロイドの生合成は、11-デオキシコルチゾール及び11-デスオキシコルチコステロンの段階で止まります。
この両者の生成が増量し、これらの物質又はその代謝産物が、血中及び尿中に出現します。この代謝産物を定量的に測定することでより詳しい病態を判別することが可能となります。
2)クッシング症候群
クッシング症候群は副腎皮質ステロイドホルモンの一つであるコルチゾールが過剰に分泌され、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、易感染性あるいは精神症状などの悪化を合併する疾患です。原因としては下垂体にACTHを賛成する腺腫ができてACTHの過剰分泌を生じることと勘がられております。ACTHを賛成する下垂体腺腫がなぜできるのかについては、現在研究段階です。
メチラポン投与によりコルチゾールの産生が抑制され、高コルチゾール血症を改善することでクッシング症候群の治療に使用されます。 |
使用方法 |
『下垂体ACTH分泌予備能の測定』
通常、成人には、メチラポンとして1回500~750mgを1日6回4時間毎に経口投与する。
小児には、1回15mg/kgに相当する量を1日6回4時間毎に経口投与するが、1回の最小量は、メチラポンとして250mgが望ましい
[試験法]
第1日目:対照期 24時間尿を集め、17ヒドロキシコルチコステロイド(17OHCSあるいは、17ケトジェニックステロイド(17KGS)を測定する。
第2日目:ACTH 負荷試験(副腎皮質機能検査)を実施する。
第3日目及び第4日目:休薬する。
第5日目:本剤を投与する。
第6日目:メトピロン投与後の期間-24時間尿のステロイドを測定する。メトピロン投与に対する最大の反応は、この日にみられる。
(反応の判定)
(1)正常反応:下垂体機能が正常な場合には、本剤投与によって、17OHCS排泄が2~4倍に、又は17KGS排泄が2倍に増加する。
(2)正常以下の反応:ACTH に正常に反応する患者で、本剤 に対する反応が正常以下の場合には、下垂体機能の低下を意味する。
(3)過剰反応:本剤投与後の17OHCS又は17KGSの正常範囲以上の過剰排泄は、副腎過形成を伴うクッシング症候群を考えさ せる。この場合には、安静時にも尿中のステロイドの排泄が増加しており、ほとんど常に、ACTHや本剤に対して過剰の反応を示す。
『クッシング症候群』
通常、成人及び小児には、メチラポンとして1回250mg~1gを1日1~4回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減する。 |
副作用 |
重大な副作用
1)ショック(0.1~5%未満):血圧低下、冷汗、四肢冷却等を伴うショックが現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う事。
2)副腎皮質機能不全(頻度不明):副腎皮質機能不全が現れることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う事。
3)骨髄抑制(頻度不明):汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制が現れることがあるので、血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う事。
その他の副作用
1)過敏症
発疹(頻度不明)
2)循環器
高血圧(頻度不明)
低血圧(0.1%~5%未満)
3)精神神経系
鎮静(頻度不明)
めまい、頭痛、眠気(0.1%~5%未満)
4)消化器
腹痛(頻度不明)
腹部不快感(5%以上)
悪心・嘔吐、食欲不振、下痢(0.1%~5%未満)
5)内分泌
男性型多毛症(頻度不明)
6)その他
脱毛症(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
有効成分:日局メチラポン
添加物:内容物(グリセリン、マクロゴール4000、マクロゴール400)
カプセル本体(ゼラチン、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、グリセリン、酸化チタン、香料、エチルバニリン含有)
2.副腎皮質機能不全の患者:(急性副腎不全をきたすことがある為)
使用に注意が必要な方 1.合併症・既往歴等のある患者(リウマチ性疾患のある患者):リウマチ性疾患のある患者に本剤を投与すると、糖質コルチコイドの合成が阻害される為、症状の急性化をきたす恐れがある。
2.妊婦:(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、本剤は胎児胎盤系におけるステロイドの生合成を阻害する可能性がある。)
3.授乳婦:(本剤がヒト母乳中に移行するかどうかのデータはないが、移行した場合の乳児に対する影響を考慮し、本剤の投与を中止するか、授乳を中止するかの判断が必要である。)
4.小児等:(低出生体重児又は新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。)
上記にあてはまる方は、メチラポンを使用する事が出来ない可能性があります。 メチラポンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 アセトアミノフェン:(本剤がアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を阻害するとの報告がある。その為アセトアミノフェンの酸か代謝物「N-アセチルパラベンゾキノニミン」による肝毒性が増強する恐れがある)
フェニトイン(フェニトイン錠・ヒダントール錠・アレビアチン錠)、蛋白同化ステロイド、エストロゲン(プレマリン錠0.625mg)、クロルプロマジン(ウインタミン・コントミン)、バルビツール酸誘導体、アミトリプチリン(トリプタノール錠10/25)、抗甲状腺ホルモン剤、アルプラゾラム(コンスタン・ソラナックス)、シプロヘプタジン(ペリアクチン):(尿中ステロイドの測定に影響を与える為、本テストに影響の可能性がある)
上記を使用している方は、メチラポンを使用する事が出来ない可能性があります。 メチラポンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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