ラロキシフェン塩酸塩

成分名

ラロキシフェン塩酸塩

適応症状

閉経後骨粗鬆症 など

簡易説明

「ラロキシフェン塩酸塩」は、閉経後に分泌が減少したエストロゲンによる骨代謝のバランスを調整して、骨量の低下を改善することで骨粗しょう症における骨折などの危険性を低下させる薬で、閉経後骨粗鬆症の治療に用いられます。
日本では、日本イーライリリーがエビスタの商品名で販売しており、また、大興製薬が ラロキシフェン塩酸塩の商品名で販売しています。
「ラロキシフェン塩酸塩」は、女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)と同様に作用して、骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを骨吸収抑制作用により防ぎ、その結果、骨の密度が増加し骨が丈夫になることから、骨折の予防にもつながります。

処方可能な診療科目

内科/形成外科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
エビスタ錠60mg 73.4円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2004年5月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

エビスタ錠60mg 【製薬メーカー:日本イーライリリー】

関連製品(ジェネリック)

ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「DK」【製薬メーカー:大興製薬】

効果・作用

「ラロキシフェン塩酸塩」は、閉経後に分泌が減少したエストロゲンによる骨代謝のバランスを調整して、骨量の低下を改善することで骨粗しょう症における骨折などの危険性を低下させる薬です。
骨粗しょう症は、破骨細胞による骨を壊す過程(骨吸収)と骨芽細胞による新しい骨を作る過程(骨形成)のバランスが崩れることで、骨がもろくなってしまい、転倒などによって骨折の危険性が高くなります。
体内で女性ホルモンのエストロゲンは骨の代謝に関わっており、特に女性は閉経後、エストロゲンの分泌が急激に減少することによって骨代謝のバランスが崩れ、骨形成が骨吸収に追いつかなくなり骨粗しょう症による骨折などの危険性が高まります。
「ラロキシフェン塩酸塩」は、骨のエストロゲン受容体に選択的に作用して、閉経によるエストロゲン分泌の低下によってバランスが崩れた骨代謝を調整することで、骨量の低下を改善する効果をあらわします。

使用方法

▼用法用量
・ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与します。

▼重要な基本的注意
・本剤の服用により、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)があらわれることがあります。患者に対しては、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等症状などが認められた場合には、直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明してください。

・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスクが上昇します。長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3日前には本剤の服用を中止して、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないでください。
・患者のカルシウム及び/又はビタミンDの摂取量が十分でない場合は、カルシウム及び/又はビタミンDをそれぞれ補給してください。

▼薬剤交付時の注意
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。

副作用

重大な副作用
▼静脈血栓塞栓症(頻度不明)
深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症があらわれることがあります。下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止してください。

▼肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板数減少
・血中Al-P減少
・血清総蛋白減少、血中アルブミン減少、血清リン減少、血中カルシウム減少
・嘔気
・腹部膨満、おくび
・γ-GTP上昇
・皮膚炎、そう痒症
・膣分泌物
・良性の子宮内腔液増加
・乳房緊満
・下肢痙攣、ほてり
・多汗
・感覚減退、末梢性浮腫、表在性血栓性静脈炎、体重増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者
深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者は、これらの症状が増悪することがあります。投与しないでください。

■長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者
長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者は、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスクが上昇することから、長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3日前には本剤の服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないでください。

■抗リン脂質抗体症候群の患者
抗リン脂質抗体症候群の患者は、静脈血栓塞栓症を起こしやすいとの報告があります。投与しないでください。

■妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないでください。妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがあります。ウサギでは、流産及び低頻度で胎児心奇形(心室中隔欠損)が認められ、ラットでは、胎児の発達遅延及び発育異常(波状肋骨、腎盂拡張)あるいは分娩遅延又は分娩困難、出生児生存率の低下、身体発育分化の変化、発育分化抑制や下垂体ホルモンの変化、出生児におけるリンパ球組織の減少といった所見が認められました。また、高用量では、分娩困難による母動物及び産児の死亡の報告があります。

■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症(>500mg/dL)の既往歴のある患者
経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症(>500mg/dL)の既往歴のある患者は、血清トリグリセリド値のモニターを行うこと。本剤の服用により血清トリグリセリド上昇があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■腎機能障害患者
腎機能障害患者は、国内臨床試験では除外されています。

■肝機能障害患者
肝機能障害患者は、国内臨床試験では除外されています。

上記にあてはまる方は、ラロキシフェン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ラロキシフェン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・陰イオン交換樹脂(コレスチラミン)
・クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
・アンピシリン

上記を使用している方は、ラロキシフェン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ラロキシフェン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「ラロキシフェン塩酸塩」はどのような特徴を持ちますか?

「ラロキシフェン塩酸塩」は、女性の閉経後骨粗鬆症に第一選択されることが多い新しいタイプの骨粗鬆症治療薬です。ただ、のぼせや発汗など更年期症状のある人にはその症状をさらに悪化させるおそれがある向きません。

「ラロキシフェン塩酸塩」を使用するにあたって気をつけることはありますか?

「ラロキシフェン塩酸塩」は血栓の病気のある人は使用できないことがあります。また、手術後などで長期に体を動かせない状態にある人や、のぼせや発汗など更年期症状の強い人は控えてください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。