セベリパーゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

セベリパーゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

コレステロールエステル蓄積症、ウォルマン病などのライソゾーム酸性リパーゼ欠損症

簡易説明

カヌマ点滴静注は、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症にもちいられる遺伝子組み換え製剤です。当疾患ではこれまで根本的な治療薬がなく、開発が望まれている中で世界で初めて本剤はライソゾーム酸性リパーゼ欠損症に対する酵素補充薬剤として承認されました。予後が悪い疾患のため、本剤の開発によって新たな治療選択肢が増えました。日本ではアレクシオンファーマが2016年から発売しています。

処方可能な診療科目

小児科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
カヌマ点滴静注液20mg【製薬メーカー:アレクシオンファーマ】20㎎1瓶1301517円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2016年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

カヌマ点滴静注液20mg【製薬メーカー:アレクシオンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

2015年8月にヨーロッパ諸国で、2015年12月にアメリカで承認されています。

効果・作用

カヌマ点滴静注は、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症に使用される薬剤で、セベリパーゼ アルファの遺伝子組み換え物を有効成分として含んでおります。当疾患では、ライソゾーム酸性リパーゼという酵素が不足していることで発症する遺伝性の疾患ですが、本剤は酵素を補充する作用機序を持つ世界で初めての治療薬です。当疾患は、進行性であり、若年で発症して重い合併症をもたらすことが多いとされています。特に乳児期で発症すると、進行スピードが速く、6カ月以内に死に至ることが多いことが報告されています。これまで治療薬はありませんでしたが、本剤の開発によって新たな選択肢が増えました。

ALTが基準値上限の1.5倍以上となっていた4歳以上のライソゾーム酸性リパーゼ欠損症患者66名を対象とした試験を実施しています。本剤群36名、、プラセボ群は30名とし、本剤群に日本人が2名含まれておりました。
本剤1kgあたり1mgもしくはプラセボを隔週投与で20週間投与しました。試験終了タイミングである第20週にALTが正常化した患者の割合は本剤群で31%、プラセボ群では7%で有意に本剤の効果が示されました。
試験に参加した患者のうち26名に、肝生検を行ったところ、脂肪肝の改善が認められた患者の割合は、本剤群で63%、プラセボ群で40%でした。

その後、65名が非盲検期に移行しました。本剤を1kgあたり1mgを隔週1回投与し、患者の状態に応じて3mg/kgの隔週1回投与が認められました。
最初から本剤が継続的に投与されていた患者では、ALT値の低下が維持され、LDLコレステロール値やHDLコレステロール値を含む脂質パラメータに改善が認められました。

全臨床試験に参加した患者125例中19例、割合として15%に、本剤投与開始してから1回以上の抗薬物抗体が確認されました。加えて、抗体にプラスを示した患者19例中11例、割合として58%に中和抗体が確認されました。
抗体にプラス反応を示した患者の内訳は幼児から成人で8%、乳児で53%であり、これらの抗体陽性患者の抗体が陽性になる最初の期間の中央値は、幼児から成人、乳児ともに57日でした。
また、乳児期発症の急速進行性のライソゾーム酸性リパーゼ欠損症患者を対象とした海外臨床試験において、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の原因遺伝子であるLIPA及びその隣接遺伝子CH25Hが両アレルとも完全欠失している患者3名に中和抗体の発現による治療効果の減弱が認められました。

使用方法

1回体重1kgあたり1mgを2週間に1回、点滴静注します。効果不十分の場合には、1回体重1kgあたり3mgを2週に1回もしくは週1回まで増量し、点滴静注します。
しかし、乳児期発症の急速に進行している場合には、1回体重1kgあたり1mgを週1回、点滴静注してください。効果不十分の場合には、1回体重1kgあたり3mgを週1回まで増量し、します。患者の症状にあわせてに増減することができます。

副作用

主な副作用
心臓障害・・頻脈(5%未満)
胃腸障害・・腹部膨満/胃食道逆流性疾患/悪心/嘔吐(5%未満)、腹痛/下痢(5%以上)
一般・全身障害および投与部位の状態・・胸部不快感/発熱/悪寒/疲労/注入部位硬結/浮腫(5%未満)
免疫系障害・・眼瞼浮腫(5%未満)
感染症および寄生虫症・・尿路感染(5%未満)
臨床検査・・体温上昇/酸素飽和度低下(5%未満)
代謝および栄養障害・・高コレステロール血症/高トリグリセリド血症(5%未満)
神経系障害・・浮動性めまい/筋緊張低下(5%未満)
精神障害・・激越/不安/不眠症/易刺激性(5%未満)
生殖系および乳房障害・・月経過多(5%未満)
呼吸器/胸郭および縦隔障害・・咳嗽/呼吸困難/喉頭浮腫/呼吸窮迫(5%未満)
皮膚および皮下組織障害・・そう痒症/発疹/丘疹性皮疹(5%未満)、蕁麻疹(5%以上)
血管障害・・充血/高血圧/低血圧/蒼白(5%未満)

重大な副作用としては2.8%の確率でアナフィラキシーが報告されています。
本剤がタンパク質製剤であることに由来しているため、もし症状があらわれた場合にはすぐに投与を中止し、医療機関を受診してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■セベリパーゼ アルファを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カヌマ点滴静注の有効成分
セベリパーゼ アルファ
▼代表薬の添加物
クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸水和物、人血清アルブミン(採血国:米国、採血の区分:非献血)

使用に注意が必要な方
・以前、セベリパーゼ アルファを使用して過敏症となったことのある方は慎重に投与をしてください。
・以前、卵もしくは卵製品に対して全身性の過敏症となったことのある方は、本剤はトランスジェニックニワトリの卵白から製造されているため、有益性があると判断された場合にのみ投与をしてください。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある女性、または授乳婦は有益性があると判断された場合にのみ投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用の発現など注意をしながら投与をしてください。

上記にあてはまる方は、セベリパーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
セベリパーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

セベリパーゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
患者さんに薬剤について説明しておくべきことはありますか?

1つ目として、本剤は添加物にて人血清アルブミンを含んでいるため、感染症のリスクを可能な限りさげた場合でも、発症の可能性があることをご説明ください。2つ目に、本剤投与に伴い、点滴注射の反応としてインフュージョンリアクションが出る可能性があることを伝えてください。もし症状が出た場合には、投与スピードを減速させるもしくは、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は副腎皮質ホルモン剤などの薬物を投与することで処置が可能です。

重要な基本的注意

【上記引用元:カヌマ点滴静注液20mg 医薬品インタビューフォーム】

投与時に注意することはありますか?

孔径 0.2μmのタンパク低結合性インラインフィルターを使用して投与をしてください。本剤は目に見える粒子が形成される可能性があり、除去するためにフィルターを用いることをお願いしています。

適用上の注意

【上記引用元:カヌマ点滴静注液20mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

カヌマ点滴静注液20mg 添付文書

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。