ドルナーゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

ドルナーゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

嚢胞性線維症における肺機能の改善

簡易説明

ドルナーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、DNAを分解する酵素製剤で、嚢胞性線維症に使用される薬剤です。1990年からGenentech社で開発が行われてきましたが、日本では疾患自体がとても珍しいため、なかなか開発がすすめられない現状がありました。しかし、開発要請を中外製薬にしたことで開発が着手され、2012年に販売となりました。本剤は服用を継続することで効果も持続します。

処方可能な診療科目

総合診療科/呼吸器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

プルモザイム吸入液2.5mg【製薬メーカー:中外製薬】2.5㎎1管6982.1円(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる場合がございます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2012年6月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

プルモザイム吸入液2.5mg【製薬メーカー:中外製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカやヨーロッパなどで日本と同じ適応にて販売されております。

効果・作用

ドルナーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、DNase Iから遺伝子組み換え技術を使用し、作られた薬剤です。嚢胞性線維症によって起こった肺機能の低下を改善する薬剤ですが、嚢胞性線維症は日本ではとても希少な疾患のため国内開発は行われてきませんでした。しかし、必要性が高い薬剤であると討論され、中外製薬が開発着手に至りました。本剤は、DNAを選択的に加水分解する酵素で、DNAをたくさんふうんでいる膿性分泌物の粘りを減らす役割を持っています。

軽度から中等度の肺機能低下がある5歳以上の嚢胞性線維症の方968名wp対象に海外第3相試験を実施しています。プラセボ群が325名、本剤2.5mg1日1回群が322名、本剤2.5mg1日2回群が321名わりあてられました。投与6か月後の「非経口抗生物質の投与を必要としたすべての気道感染の発症率」と「非経口抗生物質の投与を必要とした治験実施計画書で定義された気道感染の発症率」は、それぞれプラセボ軍で43%、1日1回投与群で34%、1日2回投与群で33%でした。
気道感染を1回以上発現した患者の年齢別の割合については、以下の通りでした。

◎5~20歳
プラセボ群・・42%
1日1回群・・25%
1日2回群・・28%

◎21歳以上
プラセボ群・・44%
1日1回群・・48%
1日2回群・・39%

投与後6カ月間の「一秒量の投与開始時点からの平均変化率」は、本剤1日1回群が5.8%の増加、本剤1日2回群が5.6%の増加であり、プラセボ群に対して有効であることが認められました。

FVCが予測値の40%未満の重度の肺機能低下がある5歳以上の嚢胞性線維症患者70名を対象に、臨床試験を実施しています。プラセボ群は35名、本剤2.5mg1日2回群は35名割り当てられ、投与14日後のFEV1の投与開始前からの変化率は、プラセボ群が4.2%の増加、本剤2.5mg1日2回群が1.4%の増加でした。結果、プラセボ群に対して本剤群の優越性は示されませんでした。

FVCが予測値の40%未満の重度の肺機能低下がある7歳以上の嚢胞性線維症患者320名を対象に海外臨床試験を実施しています。プラセボ群162名、本剤2.5mg1日1回群158名を割り当てています。投与12週間後のFEV1のベースラインからの変化率は、プラセボ群が2.1%の増加、本剤2.5mg1日1回群が9.4%の増加であり、本剤群はプラセボに対しての優越性があることが示されました。一方、気道感染の悪化リスクについてはプラセボ群に対する本剤群の優越性は示されませんでした。

また、本剤を投与した方の 5%未満に抗ドルナーゼ アルファ抗体の産生が認められています。しかし、すべての患者で抗ドルナーゼ アルファ IgE 抗体は検出されませんでした。
また、同じ試験において、抗ドルナーゼ アルファ抗体が産生された方であっても、産生されていない方と同じように肺機能検査値の改善が認められています。

使用方法

2.5mgを1日1回ネブライザーを使用して吸入投与します。なお、患者の症状によって1回2.5mgを1日2回まで最大吸入することが可能です。

副作用

主な副作用
最も発現が報告されているのは、咽頭炎で、14.5%です。ほかにも、発生障害や鼻炎、呼吸困難などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
呼吸器・・咽頭炎/発声障害/鼻炎/呼吸困難(すべて非感染性であり、5%以上)、喉頭炎(非感染性)/肺機能検査値低下(5%未満)
消化器・・消化不良(5%未満)
皮膚・・発疹(5%未満)蕁麻疹、(頻度不明)
眼・・結膜炎(5%未満)
全身・・胸痛(胸膜炎性・非心臓性)/発熱(5%未満)

また、臨床試験で643例に投与されたとき、306名、割合として47.6%の方に副作用が発現しました。本剤を1日1回投与した群では46.3%に認められ、1日2回服用している群は48.9%に認められ、服用回数によって大きく副作用の発現が変わることはありませんでした。
しかし、気道感染に関しては本剤1日1回投与した時よりも1日2回投与した時のほうが発言が少ないことが示されています。そのため、患者の年齢や症状に応じて可能であれば1日2回の投与を検討することとされています。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ドルナーゼアルファを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼プルモザイムの有効成分
ドルナーゼアルファ

▼代表薬の添加物
塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム

・以前、ドルナーゼアルファを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・ 重度の肺機能低下のある嚢胞性線維症の方は、臨床試験において呼吸困難があらわれるリスクが高いとされているため注意をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与するメリットがあるとされる場合にのみ処方をしてください。
・授乳婦は、動物実験において乳汁中へ本剤の成分が移行することが示されているため使用には注意をしてください。
・5歳未満の小児に対しては、臨床試験を実施していないため、投与する際は慎重に投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、注意をしてください。

上記にあてはまる方は、ドルナーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ドルナーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ドルナーゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
投与タイミングに決まりはありますか?

本剤の投与タイミングに決まりはございません。食事の影響は認められておらず、最高血中濃度に達する時間は4~5時間とされています。なお、本剤は吸入投与してもほとんど体には吸収されないことが分かっています。

プルモザイム吸入液2.5mg

【上記引用元:中外製薬 薬剤師向けサイト】

本剤を使用する際に注意をすることはありますか?

本剤はジェット式ネブライザーを使用して吸入する薬剤です。超音波式やメッシュ式は使用しないでください。本剤は酵素製剤であるため、超音波式ネブライザーを用いると加熱によって活性が失われる可能性があります。

プルモザイム吸入液2.5mg

【上記引用元:中外製薬 薬剤師向けサイト】

参考元一覧

プルモザイム吸入液2.5mg 添付文書

プルモザイム吸入液2.5mg 医薬品インタビューフォーム

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。