ロモソズマブ(遺伝子組換え)

成分名

ロモソズマブ(遺伝子組換え)

適応症状

骨折の危険性の高い骨粗鬆症

<適応症状の注意>
ロモソズマブ(遺伝子組換え)は「日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会」の診断基準に記載のある下記重症度などを参考にして骨折リスクの高い方を対象としてください。なお、ロモソズマブ(遺伝子組換え)による治療のリスクとベネフィットを十分に比較した上で使用の要否を判断してください。
・腰椎骨密度が−3.3SD未満の方
・骨密度値が−2.5SD以下で脆弱性骨折を1個以上患っている方
・既存の椎体骨折の半定量評価法結果がグレード3である方
・既存の椎体骨折の数が2個以上である方

簡易説明

ロモソズマブ(遺伝子組換え)はヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体で、骨折の危険性の高い骨粗鬆症に用いられます。ロモソズマブ(遺伝子組換え)はスクレロスチンに結合することでWNTシグナル伝達(骨量増加に関与するシグナル)の抑制をブロックし、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用の両方を発揮することができるのが特徴です(デュアルエフェクト)。

処方可能な診療科目

内科/整形外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1筒あたりの目安:105mg約25,061円
薬代後発薬1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2019年3月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

イベニティ皮下注105mgシリンジ【製薬メーカー:アムジェン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ロモソズマブ(遺伝子組換え)は骨折の危険性の高い骨粗鬆症に用いられます。
人間の骨は、骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞によって「リモデリング」と呼ばれる骨代謝が繰り返し行われることで丈夫な状態が保たれます。骨粗鬆症では様々な要因(加齢やホルモンバランスなど)によって、このリモデリングが正常にはたらかなくなり、破骨細胞による骨吸収(古くなった骨を壊す作用)が過剰になって発症すると言われています。リモデリングのバランスが崩れる理由のひとつが、骨細胞から分泌される糖タンパク質スクレロスチンです。スクレロスチンによって破骨細胞が活性化され、骨の破壊が過剰に起こることで骨がもろくなり骨折しやすい状態になります。
ロモソズマブ(遺伝子組換え)はヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体で、上記のスクレロスチンに対して作用します。ロモソズマブ(遺伝子組換え)はスクレロスチンに結合し、WNTシグナル伝達(骨量増加に関与するシグナル)の抑制をブロックすることができます。これにより、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用の両方を発揮することができるのが特徴です(デュアルエフェクト)。このデュアルエフェクトによって、その他の骨粗鬆症治療薬には見られることのすくない骨強度の改善も期待できます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:ロモソズマブ(遺伝子組換え)として210mgを1ヵ月に1回ずつ、12ヶ月間皮下投与します。

<使用上の注意>
・ロモソズマブ(遺伝子組換え)を210mg投与する必要があるので、「イベニティ皮下注105mgシリンジ」2本を皮下投与してください。
・ロモソズマブ(遺伝子組換え)の骨折抑制効果は12ヶ月間の使用で検証されているため、12ヶ月を超えて使用したケースでの効果は検討されていません。また、ロモソズマブ(遺伝子組換え)の使用終了後には原則として骨粗鬆症治療薬による適切な治療を継続してください。
・ロモソズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与が予定日より遅れるケースでは可能な限り早期に投与を行ってください。なおそれ以降は、その投与日を基準としてそこから1ヶ月間隔で投与してください。

副作用

重大な副作用
使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・低カルシウム血症
※けいれん、QT延長、テタニー、失見当識、しびれなどを伴った低カルシウム血症が引き起こされる可能性があります。低カルシウム血症が確認されたケースでは、ビタミンDおよびカルシウムの補充に加えて、緊急を要する場合にはカルシウムの点滴投与も併用するなどして適切な治療を速やかに行ってください。
・顎骨壊死、顎骨骨髄炎
・大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部の非定型骨折

その他の副作用
・免疫系障害:過敏症(じんましん、皮膚炎、血管浮腫、発疹、多形紅斑など)
・一般、全身障害および投与部位の障害:注射部位における反応(痛み、紅斑など)、末梢性のむくみ
・感染症および寄生虫症:鼻咽頭炎
・呼吸器、胸郭および縦隔障害:咳嗽
・神経系障害:頭痛
・筋骨格系および結合組織障害:筋痙縮、関節の痛み、頚部の痛み

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・ロモソズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、イベニティ皮下注105mgシリンジはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼イベニティ皮下注105mgシリンジの有効成分
ロモソズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
氷酢酸、無水酢酸カルシウム、ポリソルベート20、精製白糖、pH調節剤

・低カルシウム血症を患っている方
※低カルシウム血症の悪化が引き起こされる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・腎機能障害が重度の方(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)または透析治療中の方
※低カルシウム血症を引き起こす可能性があります。
・虚血性心疾患または脳血管障害の発症リスクが高い方
※虚血性心疾患または脳血管障害の発症リスクが高い方への使用は、ロモソズマブ(遺伝子組換え)の骨折予防のベネフィットと心血管系副作用のリスクを鑑みて検討してください。最低限、過去1年以内に虚血性心疾患または脳血管障害を引き起こしたことのある方に対してはロモソズマブ(遺伝子組換え)の投与をしないでください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※ロモソズマブ(遺伝子組換え)の乳汁中への移行は確認されていませんが、ヒトIgGは乳汁中に移行します。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※生殖発生毒性試験(ラット):胎児に第6頸椎椎弓化骨不全の発現率の増加が認められたという報告があります(ただし、出生児では確認されておらず、発育遅延と考えられています)。また、胎児に外表および骨格奇形が確認されました。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、ロモソズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ロモソズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ロモソズマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
ロモソズマブ(遺伝子組換え)を使用する際、低カルシウム血症以外で注意が必要なケースはありますか?

低カルシウム血症はもちろんのこと、マグネシウムやintact-PTHなどの骨・ミネラル代謝異常があるケースにおいては、ロモソズマブ(遺伝子組換え)使用前に治療しておく必要があります。イベニティ皮下注 【イベニティ皮下注 添付文書】

ロモソズマブ(遺伝子組換え)使用中にビタミンD、カルシウムの補給を行う理由を教えてください。

ロモソズマブ(遺伝子組換え)使用後に血液中のカルシウム値が低下する可能性があるためです。臨床試験においては、使用終了後2週間~1ヶ月で血液中のカルシウム値の低下が確認されています。イベニティ皮下注 【イベニティ皮下注 添付文書】

ロモソズマブ(遺伝子組換え)の治療終了または中止する場合に骨吸収抑制薬の使用が必要な理由を教えてください。

ロモソズマブ(遺伝子組換え)使用終了後に一過性の骨吸収が引き起こされる可能性があるためです。イベニティ皮下注 【イベニティ皮下注 添付文書】

顎骨壊死や顎骨骨髄炎に対する対策はありますか?

上記副作用のリスク因子としては、口腔の不衛生、歯科処置の既往化学療法、悪性腫瘍、コルチコステロイド治療、血管新生阻害剤、放射線療法などが知られているので、使用前にヒアリングする必要があります。また、ロモソズマブ(遺伝子組換え)使用前に歯科治療を行い、侵襲を含む歯科処置を済ませておくことが推奨されています。なお投与中に関しても口腔内を清潔に保つことは重要であり、継続的に歯科検診を受け、万が一異常が確認された場合には歯科または口腔外科を受診する必要があります。イベニティ皮下注 【イベニティ皮下注 添付文書】

参考元一覧

イベニティ皮下注 【イベニティ皮下注 添付文書】

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