オクトレオチド酢酸塩

成分名

オクトレオチド酢酸塩

適応症状

・下記疾患に伴う各種症状の改善
※消化管ホルモン産生腫瘍(カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍)
・下記疾患における成長ホルモン、ソマトメジンC分泌過剰状態および各種症状の改善
※下垂体性巨人症(外科的処置、その他の薬による治療で効果が不十分な場合または施行が困難な場合)、先端巨大症
・進行、再発がん患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状の改善
・先天性高インスリン血症に伴った低血糖状態(その他の薬による治療で効果が不十分な場合)

簡易説明

オクトレオチド酢酸塩はソマトスタチンと呼ばれるホルモンのアナログであり、ソマトスタチン受容体か関与している様々な疾患の治療に使用されます。具体的には、ソマトスタチン受容体に結合し、腫瘍細胞からのホルモン分泌を抑制することによって症状の改善をもたらします。ソマトスタチン受容体にはサブタイプ1〜5が存在することが知られていますが、オクトレオチド酢酸塩はそのうちサブタイプ2に対して特に強い親和性を示す特徴があります。

処方可能な診療科目

内科/腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1管あたりの目安:50μg約1,005円/100μg約1,765円
薬代後発薬1管の目安:50μg約477円/100μg約813円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1989年7月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

サンドスタチン皮下注用50μg/100μg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】

関連製品(ジェネリック)

オクトレオチド皮下注50μg/100μg「あすか」(あすか製薬)、オクトレオチド皮下注50μg/100μg「SUN」(サンファーマ)、オクトレオチド皮下注50μg/100μg「サンド」(サンド)

効果・作用

オクトレオチド酢酸塩はソマトスタチンと呼ばれるホルモンのアナログであり、ソマトスタチン受容体か関与している様々な疾患の治療に使用されます。
とくに腫瘍細胞においては、正常な細胞と異なる形でソマトスタチン受容体が発現しているケースがあります。これは、腫瘍細胞自身がソマトスタチンを分泌して自身の細胞にフィードバック制御を行っているためです。ソマトスタチン受容体の腫瘍細胞での発現は、腫瘍細胞の増殖や分化、またはアポトーシスに影響を与えることが知られているため、ソマトスタチン受容体を標的にした成分は腫瘍細胞への効果が期待されます。
オクトレオチド酢酸塩はソマトスタチン受容体に結合し、腫瘍細胞からのホルモン分泌を抑制することによって症状の改善をもたらします。ソマトスタチン受容体にはサブタイプ1〜5が存在することが知られていますが、そのうちサブタイプ2に対して特に強い親和性を示す特徴があります。
しなしながら全ての腫瘍細胞がソマトスタチン受容体を発現しているわけではなく、またソマトスタチン受容体の発現量には個人差があるため、適切な治療法を選択するためには、腫瘍細胞のソマトスタチン受容体の発現状況を評価することが重要です。

使用方法

■先端巨大症・下垂体性巨人症、消化管ホルモン産生腫瘍の場合
・成人(15歳以上)の場合:オクトレオチドとして1日量100または150μgより投与をスタートとし、効果が不十分な場合に限って1日量300μgまで徐々に増量しながら2〜3回に分けて皮下投与します。なお年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
■進行・再発がん患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状
・成人(15歳以上)の場合:オクトレオチドとして1日量300μgを24時間かけて持続皮下投与します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
■先天性高インスリン血症に伴う低血糖状態
・オクトレオチドとして1日量5μg(体重1kgあたり)を3〜4回に分けて皮下投与、または24時間かけて持続皮下投与します。なお、年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できますが、最大投与量は1日量25μg(1kgあたり)までとされています。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・徐脈
・アナフィラキシー

その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・肝胆道系障害:胆嚢炎、肝機能の異常、ALP上昇、AST上昇、胆石、LDH上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇
・代謝および栄養障害:インスリン抵抗性、高血糖、低血糖、脱水
・全身障害:倦怠感、疲労感
・内分泌障害系:甲状腺機能の低下、甲状腺機能の障害(総サイロキシン減少、遊離T4減少、甲状腺刺激ホルモン減少など)
・呼吸器障害:呼吸困難
・神経系障害:めまい、ふらつき、頭痛
・胃腸障害:胃部不快感、食欲不振、嘔気、嘔吐、お腹のはり、便秘、下痢、腹痛、白色便、膵炎
・注射部位における障害:赤み、痛み、しこり、刺痛、はれ、刺激感、灼熱感
・皮膚および皮下組織障害:皮膚のかゆみ、発赤、脱毛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・オクトレオチド酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、サンドスタチン皮下注用50μg/100μgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼サンドスタチン皮下注用50μg/100μgの有効成分
オクトレオチド酢酸塩
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、乳酸、炭酸水素ナトリウム
・オクトレオチド酢酸塩に対し過敏症の経験のある方

使用に注意が必要な方
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):オクトレオチド酢酸塩が乳汁中へ移行するというデータがあります。
・小児
※小児などを対象としている臨床試験が実施されていません。
※新生児および乳児においては壊死性腸炎が発症したとのデータがあります。
※成長が遅れることが報告されています。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しています。

上記にあてはまる方は、オクトレオチド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
オクトレオチド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・シクロスポリン
※オクトレオチド酢酸塩がシクロスポリンの吸収をブロックするため、シクロスポリンの血中濃度が低下する可能性があります。
・インスリン製剤
※グルカゴン、インスリン、成長ホルモンなど、互いに相反する調節効果をもつホルモン間のバランスが変化する可能性があります。それによって、血糖降下作用が増強することによる低血糖の症状、または減弱することによる高血糖の症状が引き起こされる可能性があります。お互いを併用する場合は、血糖値をはじめ状態を十分に観察しながら使用してください。
・ブロモクリプチン
※ブロモクリプチンの血液中の濃度が上昇したというデータがあります。

上記を使用している方は、オクトレオチド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
オクトレオチド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

オクトレオチド酢酸塩に関する
よくある質問
オクトレオチド酢酸塩は、計測しようが重要な薬ですが体調が悪いときでも注射してよいですか?

風邪などで体調を崩している時でも、注射をすることは問題ありません。しかし体調不良がひど
かったり、つらかったりする場合は、主治医に相談することが必要です。正しい自己注射の方法 【参考元:サンドスタチン皮下注用を安全にご使用いただくために】

旅行に行く際、室温で保管してもよいですか?

2週間以内であれば、直射日光を避け、室温で保管しても品質に大きな問題はありませんが、可能な限り冷蔵庫などで保管をすることが望ましいとされています。正しい自己注射の方法 【参考元:サンドスタチン皮下注用を安全にご使用いただくために】

参考元一覧

サンドスタチン 【サンドスタチン 添付文書】

正しい自己注射の方法 【サンドスタチン皮下注用を安全にご使用いただくために】

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