成分名 |
炭酸ランタン水和物 |
適応症状 |
慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 |
簡易説明 |
炭酸ランタン水和物はリンを吸着して、リン排泄を促すことで高リン血症を改善します。それにより動脈硬化や骨折などの予防をしていきます。基本的に慢性腎臓病では腎臓の機能が低下してしまうことにより、体内にリンが蓄積して高リン血症が起こる原因になります。主な作用として消化管内でリンと結合することにより、結合物質が体外へ排泄されることで体内のリン量を減少させます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/腎臓内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
慢性腎臓病はステージによって費用が前後します。
診察料などの目安 :約27,000円~
薬代1錠あたりの目安:ホスレノールチュアブル錠250mg 130.8円/錠
ホスレノール顆粒分包250mg 104.9円/包
【バイエル薬品】
薬代後発薬1錠の目安:炭酸ランタン顆粒分包250mg「サワイ」38.1円/包【沢井製薬】
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になる場合があるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始:2009年3月【ホスレノールチュアブル錠250mg/500mg】 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
・ホスレノールチュアブル錠250mg/500mg
・ホスレノール顆粒分包250mg/500mg
・ホスレノールOD錠250mg/500mg
【バイエル薬品】 |
関連製品(ジェネリック) |
・炭酸ランタン顆粒分包250mg/500mg【沢井製薬、東和薬品、扶桑薬品工業、陽進堂、日本ケミファ、コーアイセイ、日本ケミファ、日本ジェネリック、ニプロ】
・炭酸ランタンOD錠250mg/500mg【扶桑薬品工業、日本ジェネリック】 |
効果・作用 |
炭酸ランタン水和物は、ランタンを含有するリン吸着薬です。
体内にあるリンを吸着して、リン排泄を促すことにより血中リン濃度の低下させ、骨折や動脈硬化などが引き起こされないように予防に期待ができます。
通常、慢性腎臓病で引き起こされる高リン血症の改善に使用されます。
◆慢性腎臓病への作用
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎臓の機能が低下して摂取した食事から吸収された余剰のリンの排泄が滞り、そのリンが蓄積して高リン血症が引き起こされます。これを放置するとリンとカルシウムの結合が過度に起こり、骨がもろくなったり、骨以外の組織でも石灰化が起きてしまいます。特に血管の石灰化は動脈硬化の原因となり血栓症などが発症されます。その他にも関節の石灰化で関節症、皮膚のかゆみなど多様な症状が起こりやすくなります。
透析期または保存期の慢性腎臓病患者に対して、血清リン濃度低下の効果が認められています。炭酸ランタン水和物が腸管内で食事からのリンと協力に結合することにより、体内にリンを吸収させず、便などを出す際に排泄させ、血清リン値を低下させる作用があります。
炭酸ランタン水和物がリンと結合すると、リン酸ランタンとなります。これらは難溶性あのため腸管内からほぼ吸収されることなく排泄されるというのが血清リン濃度を下げる流れになります。
標準薬である炭酸カルシウム(カルタン)と同程度のリン低下効果があるとされています。炭酸ランタン水和物はカルシウムを含まない為、高カルシウム血症が起きる可能性が低いです。検査において、血中カルシウム値が高く判断され炭酸カルシウム製剤が使いにくい場合は有用とされています。反対に、低カルシウム血症のリスクがある場合は本剤が適しています。
効果が不十分だと判断された場合は、炭酸カルシウムとの併用も可能です。 |
使用方法 |
通常、成人には1日750mgを開始用量としており、1日3回に分割して食後直ぐに経口服用して下さい。以降は症状や血清リン濃度の程度により医者の判断により適宜増減されます。最高用量は1日2,250mgとされています。
・投与開始時または、用量変更時にはおよそ1週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましいとされています。
・用量増量を行い際は、1日あたり750mgまでとしており、1週間以上の間隔を空けて行なって下さい。
◆チュアブル錠
この錠剤はかみ砕いて飲む必要があります。そのまま飲むと中々溶けず胃腸に悪いため、唾液または少量の水で飲みこんで下さい。
◆OD錠の場合
この錠剤は口腔内で崩壊しますが、口腔の粘膜から吸収されないため、唾液または少量の水で飲みこんで下さい。 |
副作用 |
主な副作用
・貧血、便秘、悪心、嘔吐
・胃不快感、腹痛、下痢、逆流性食道炎、腹部膨張感、食欲不振、消化不良
・副甲状腺機能亢進症 など
炭酸ランタン水和物には、副作用が起こる可能性があります。
炭酸ランタン水和物を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
重大な副作用
・吐血、下血及び、十二指腸、結腸等の潰瘍が現れることがあります。
・腹痛、嘔吐等の異常が見られた際は腸管穿孔、イレウスの恐れがあります。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■炭酸ランタン水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方炭酸ランタン水和物顆粒剤は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼炭酸ランタン水和物顆粒剤の有効成分
炭酸ランタン水和物
▼代表薬の添加物
・アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)
・ステアリン酸マグネシウム
・ヒプロメロース
・乳糖水和物
・デキストレイト
・軽質無水ケイ酸
使用に注意が必要な方 ・合併症。既往歴等のある患者
腸管憩室のある方、腹膜炎または腹部外科手術の既往歴がある方、消化管潰瘍またはその既往歴のある方、活動性消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管狭窄のある方
・重度の肝機能障害患者
・妊婦、授乳婦、妊娠している可能性のある方
治療上の有益性、母乳栄養の有益性を考慮して医師の判断で投与を検討して下さい。
・小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。
・高齢者
一般的に高齢者は生理機能が低下している為、状態を慎重に見ながら検討して下さい。
上記にあてはまる方は、炭酸ランタン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 炭酸ランタン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ドキシサイクリン等)
・ニューキノロン系抗菌剤(レボフロキサシン水和物、シプロフロキサシン塩酸塩水和物等)
・甲状腺ホルモン剤(レボチロキシンナトリウム水和物等)
上記を使用している方は、炭酸ランタン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 炭酸ランタン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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