リラグルチド(遺伝子組換え)

成分名

リラグルチド(遺伝子組換え)

適応症状

2型糖尿病

簡易説明

リラグルチドは、GLP-1に脂肪酸を付加することで作用時間が延長され、結果的に血糖値を低下させる作用を実現しました。1日1回の投与で血糖のコントロールが可能なため、患者さんの投与負担も軽減しています。
糖尿病領域において、多くの製品を持っているノボノルディスクファーマが開発しており、多くの国で販売されています。

処方可能な診療科目

糖尿病内科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ビクトーザ皮下注18mg【製薬メーカー:ノボノルディスクファーマ】18mg1キット9458円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2010年6月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ビクトーザ皮下注18mg【製薬メーカー:ノボノルディスクファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

【アメリカ】
日本と同じく2010年に発売されています。
用法・用量に関しては、1日1回、好きな時間に投与できる点が日本と異なっています。

【ヨーロッパ】
2009年に発売されています。

効果・作用

リラグルチドは、GLP-1に脂肪酸を付加することで、作用の持続化を図った製剤です。、GLP-1は生体内において、酵素によって速やかに分解されてしまうため、薬剤に向いておりませんでした。そこで、脂肪酸の付加をすることで、製剤化が可能となりました。HbA1cの改善効果を示しており、また、長期的な効果も認められています。

食事療法又は食事療法に加え経口糖尿病薬単剤投与にて治療中の2型糖尿病患者400名を対象とした国内第3相試験を実施しています。268名に本剤1日0.9mgを、132名にグリベンクラミド1日1.25~2.5mgを52週投与しました。本剤は、毎週0.3mgずつ漸増し、0.9mg まで増量しました。結果、投与後24週のHbA1cを指標とした血糖コントロールに関して、本剤のグリベンクラミドに対する非劣性が検証されました。投与後24週のHbA1cが治療目標である6.9%未満を達成した被験者の割合は、本剤投与群で26.9%、グリベンクラミド投与群で 10.6%でした。

グリベンクラミド、グリクラジド又はグリメピリドにて治療中の 2型糖尿病患者 264例を対象とした国内第3相試験も実施しています。
88名に本剤1日0.6mgを、88名に0.9mgを、88名にプラセボを朝もしくは夕に、投与中のSU剤と併用して 52週投与しました。投与後24週の HbA1cを指標とした血糖コントロールに関して、本剤 0.9mg と SU 剤との併用療法のSU剤単独療法に対する優越性が検証されました。
投与後 24 週の HbA1cが治療目標である 6.9%未満を達成した被験者の割合は、本剤 0.6mg+SU併用療法群で 23.9%、本剤 0.9mg+SU併用療法群で 46.6%、SU単独療法群で 4.5%でした。

使用方法

0.9mg を維持用量とし、1日1回朝もしくは夕に皮下注射します。ただし、1日1回 0.3mgから開始し、1週間以上のあけて0.3mgずつ増量します。患者の症状に応じて増減が可能で、1日0.9mgで効果不十分の場合には、1週間以上あけながら0.3mgずつ、最大1.8mgまで増量可能です。

副作用

主な副作用
主な副作用として、便秘や悪心などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

感染症・・胃腸炎(0.2~1%未満)
血液及びリンパ系障害・・貧血(0.2~1%未満)
内分泌障害・・甲状腺腫瘤(1~5%未満)
代謝及び栄養障害・・食欲減退(5%以上)、高脂血症(1~5%未満)、脱水(0.2~1%未満)
神経系障害・・頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻、味覚異常(0.2~1%未満)
眼障害・・糖尿病性網膜症(1~5%未満)
心臓障害・・心室性期外収縮(0.2~1%未満)、心拍数増加(頻度不明)
血管障害・・高血圧(0.2~1%未満)
呼吸器・胸郭及び縦隔障害・・咳嗽(0.2~1%未満)
胃腸障害・・便秘、悪心(5%以上)、下痢、腹部不快感、消化不良、腹部膨満、嘔吐、腹痛(1~5%未満)、胃食道逆流性疾患、胃炎、おくび(0.2~1%未満)、鼓腸(頻度不明)
肝胆道系障害・・肝機能異常(0.2~1%未満)、胆石症(頻度不明)
皮膚及び皮下組織障害・・じん麻疹、そう痒症、紅斑、湿疹、発疹(0.2~1%未満)、皮膚アミロイドーシス(頻度不明)
全身障害及び投与部位状態・・注射部位反応(紅斑、発疹、内出血、疼痛等)(1~5%未満)、倦怠感、胸痛(0.2~1%未満)
臨床検査・・膵酵素(リパーゼ、アミラーゼ等)増加(1~5%未満)、ALT増加、AST増加、体重減少(0.2~1%未満)

重大な副作用
<低血糖>
頻度不明ですが、症状として脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常等の低血糖症状があらわれることがあります。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行ってください。

<膵炎>
頻度不明ですが、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止してください。

<腸閉塞>
頻度不明ですが、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■リラグルチドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ビクトーザ皮下注の有効成分
リラグルチド

▼代表薬の添加物
リン酸水素二ナトリウム二水和物、フェノール、プロピレングリコール、塩酸、水酸化ナトリウム

・以前、リラグルチドを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者はインスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきではありません。

使用に注意が必要な方
・腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある方は、腸閉塞を起こすおそれがあります。
・膵炎の既往歴のある方
・糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患等の胃腸障害のある方は十分な使用経験がなく、胃腸障害の症状が悪化する恐れがあるため、注意をしてください。
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全/栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態/激しい筋肉運動/過度のアルコール摂取者は低血糖を起こすおそれがあります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤/スルホニルウレア剤/速効型インスリン分泌促進剤/α-グルコシダーゼ阻害剤/チアゾリジン系薬剤/DPP-4 阻害剤/SGLT2 阻害剤/インスリン製剤等)>
血糖降下作用が増強されるため、併用する際には注意をしてください。併用する際には、これらの薬剤を減量してください。

上記を使用している方は、リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
リラグルチド(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

リラグルチド(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
効果判定はどのくらい行えばよいでしょうか?

薬剤の効果が3~4か月出ていなければ速やかにほかの治療薬への切り替えをご検討ください。

重要な基本的注意とその理由

【上記引用元:ビクトーザ皮下注18mg 医薬品インタビューフォーム】

本剤を服用したうえでの運転は可能ですか?

禁止ではありませんが、低血糖症状が起こることがありますので、高所作業や自動車に運転には注意をしていただくよう患者さんにお伝えください。

重要な基本的注意とその理由

【上記引用元:ビクトーザ皮下注18mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

リラグルチド(遺伝子組換え) 添付文書

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。