アガルシダーゼベータ(遺伝子組換え)

成分名

アガルシダーゼベータ(遺伝子組換え)

適応症状

ファブリー病

簡易説明

アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)はファブリー病の症状改善に使用されるα-ガラクトシダーゼAの遺伝子組換え薬剤です。本疾患はα-ガラクトシダーゼの低下が要因となっていますが、本剤は不足しているα-ガラクトシダーゼを補充する医薬品であり、病気の要因を軽くしたり解消したりするものではありません。
希少疾患であるため、優先的に審査され2004年に発売となりました。日本ではサノフィが販売していますが、JCRファーマから後発品も販売されています。

処方可能な診療科目

小児科/腎臓内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
<先発品>
ファブラザイム点滴静注用5mg【製薬メーカー:サノフィ】5㎎1瓶106082円(薬価)
ファブラザイム点滴静注用35mg【製薬メーカー:サノフィ】35㎎1瓶593430円(薬価)

<後発品>
5㎎1瓶72973円~(薬価)/35㎎1瓶408574円~(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2004年4月【ファブラザイム点滴静注用】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ファブラザイム点滴静注用5mg/35mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

アガルシダーゼベータBS点滴静注5mg/35mg「JCR」【製薬メーカー:JCRファーマ】

海外での使用実績

現在70か国以上で発売されております。
オーストラリア・韓国では2002年、アメリカでは2003年に承認されました。

効果・作用

アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)はファブリー病に使用される医薬品です。
ファブリー病はα-ガラクトシダーゼの活性が欠損するかもしくは低下することで起こる疾患で、足や指の痛みや異常な知覚があらわれます。
進行すると、腎不全や心不全となりますが、本剤は、ヒトα-Galの大量生産が可能になったことで開発に至りました。

ファブリー病患者58名を対象として海外第3相試験を実施しています。
本剤群29名に本剤1kgあたり1mgを、プラセボ群29名に偽薬を、1週間おきに20週間静脈内投与しました。
結果、血漿、尿、腎、心臓と皮膚組織中に蓄積している糖脂質グロボトリアオシルセラミドの除去が認められました。
McGill簡易表で痛みの評価を行ったところ、それぞれの投与群で投与後に有意差を認めましたが、両群の間にに有意差はなく、QOL評価でも有意差は認められませんでした。
毛細血管内皮細胞に蓄積したGL-3の除去に関する有効性は以下の通りでした。

プラセボ群
腎臓・・0/29
心臓・・1/29
皮膚・・1/29

実薬群
腎臓・・20/29
心臓・・21/29
皮膚・・29/29


海外第3相試験では20週間の投与でしたが、その後も継続して最長54カ月まで効果をみる試験を実施しています。
結果、腎臓や皮膚の様々な細胞でGL-3の除去効果が認められました。QOL評価においても改善が認められ、痛みの評価や糸球体ろ過速度、血清クレアチニンで評価した腎機能においても、維持されておりました。
血漿GL-3の値は本剤投与してから6ヵ月以内に正常範囲まで低下し、その後も維持されました。

発売されてから行われた試験においても、本剤を隔週で1kgあたり1.0mg、最長35ヵ月間継続投与しました。結果、腎機能障害、心機能障害、脳血管障害の発生進行を抑制すること認められました。
特に投与する際、血清クレアチニン、尿中たん白/クレアチニン比が低い方、推算糸球体ろ過量が多い方では、進行を抑制する効果が以外の方と比べて高いことが分かりました。

心ファブリー病患者6名を対象に行われた国内製造販売後において、1回1kgあたり1mgを156週間1週間ごとに静脈内投与したところ、血漿中GL-3濃度はベースラインでは4.98μg/mLでしたが、投与156週後では4.17μg/mLとなりました。

使用方法

体重1kgあたり 1 mgを1週間おきに、点滴静脈注射します。

副作用

主な副作用
主に悪心や疼痛、頭痛や呼吸困難、潮紅、嘔吐、蕁麻疹や発疹などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
血液およびリンパ系・・好酸球増加症(1%未満)
心臓・・徐脈/動悸(1%未満)、頻脈(頻度不明)
眼・・流涙増加(1%未満)
胃腸・・悪心/腹痛/嘔吐(1%以上)
全身および投与局所様態・・胸痛/悪寒/発熱/疲労/末梢性浮腫(1%以上)、体温変動感(頻度不明)
感染症および寄生虫症・・胃腸炎(1%未満)
筋骨格系および結合組織・・疼痛(1%以上)、背部痛(1%未満)、筋肉痛(頻度不明)
神経系・・頭痛(1%以上)、錯感覚(1%未満)
呼吸器/胸郭および縦隔・・呼吸困難/咳嗽(1%以上)、呼吸窮迫/喘鳴(1%未満)、鼻炎(頻度不明)
皮膚および皮下組織・・そう痒症/蕁麻疹/発疹(1%以上)
血管・・潮紅(1%以上)、高血圧/低血圧(1%未満)

重大な副作用
悪寒や発熱、体温変動感や悪心、高血圧や嘔吐などがあげられています。
上記の副作用は、頻度不明ですが、本剤を投与した日に出やすいことが分かっておりますので注意をしてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アガルシダーゼベータを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ファブラザイム注射の有効成分
アガルシダーゼベータ
▼代表薬の添加物
マンニトール、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸水素二ナトリウム七水和物
・以前、アガルシダーゼベータ、もしくはα-ガラクトシダーゼ製剤を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性もしくは授乳婦には治療することが副作用などと比較して有益と考えられる場合のみ投与を検討してください。
・小児は、臨床試験を実施していませんので、注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下していますので、副作用の発現に注意をしてください。

上記にあてはまる方は、アガルシダーゼベータ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
アガルシダーゼベータ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アガルシダーゼベータ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
本剤の調整方法を教えてください。

①溶解について・・溶解する30分前には室温に戻してください。本剤に日本薬局方注射用水を混ぜ、液が泡立たないように静かに溶解します。②希釈について・・溶解した液を生理食塩液に注入して、500mlまで希釈してください。また混ぜるスピードは緩徐に行ってください。

ファブラザイム 製品関連のよくあるご質問と回答

【上記引用元:サノフィ e-MR 医療関係者向け情報サイト】

IARが出た場合にはどのように対応したらよいでしょうか?

IARは分子標的薬を点滴した時に起こりやすい反応のことを指しています。もし現れた場合には、投与スピードをゆっくりと変えるか、一時的に投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤などの薬物治療を行ってください。

ファブラザイム 製品関連のよくあるご質問と回答

【上記引用元:サノフィ e-MR 医療関係者向け情報サイト】

参考元一覧

ファブラザイム 添付文書

ファブラザイム 医薬品インタビューフォーム

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