成分名 |
コンドリアーゼ |
適応症状 |
保存療法では十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア
<適応症状に関する注意>
・20歳未満の方に対する安全性、有効性は確立されていません。とくに成長期の方では、成長板が閉鎖していない状態のため、コンドリアーゼ使用による成長板の欠損によって腰椎不安定性を増強させる可能性があります。また、軟骨層の骨化によって軟骨細胞の増殖がブロックされ、椎体の伸長が妨げられるリスクもあり使用可否を慎重に判断する必要があります。なお、コンドリアーゼを使用することになった場合には、患者さんの病態を慎重にモニタリングしてください。
・コンドリアーゼは異種タンパクです。成分の再使用によってアナフィラキシーなどの副作用発現リスクが高くなるので、コンドリアーゼ投与前に十分な問診を行って、使用経験がないことを確認してください。
・画像検査においてヘルニアによる神経根の圧迫が明らかであり、腰椎椎間板ヘルニアの症状が画像所見から説明することのできる方のみが適応となります。
・脊椎すべり症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症などの腰椎椎間板ヘルニア以外の腰椎疾患を併発している方、関節リウマチや骨粗鬆症などの併発によって椎体に症状が確認される方のケースでは、コンドリアーゼの使用によって腰椎の不安定性が強まる可能性があります。上記の方において、合併症が原因で症状が確認される場合は、コンドリアーゼの有効性が発現されない可能性があるので、安全面も考慮し、症状の原因をよく検証した上で、コンドリアーゼによる治療が優先すべきかどうか慎重に判断してください。なお、コンドリアーゼを使用することになった場合には、患者さんの病態を慎重にモニタリングしてください。 |
簡易説明 |
コンドリアーゼは、保存療法では十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニアに使用されます。椎間板ヘルニアでは髄核が神経を圧迫し強い痛みが引き起こされますが、コンドリアーゼはその髄核の主成分であるグリコサミノグリカンを選択的に分解し髄核を縮小させます。グリコサミノグリカン以外のタンパク質などは分解しないと考えられており、周辺組織に影響を与えず効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
整形外科/外科/代謝・内分泌科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:1.25単位約83,189円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2018年8月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ヘルニコア椎間板注用1.25単位 【製薬メーカー:生化学工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
コンドリアーゼは、保存療法では十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニアに使用されます。
ヘルニアとは、体内の臓器や器官が本来あるべき場所から逸脱してしまった状態を指します。したがって椎間板ヘルニアとは椎間板が本来の場所から逸脱してしまった病態を指します。椎間板ヘルニアは大きく分けると、経後縦靭帯脱出型、膨隆・突出型、遊離脱出型、後縦靭帯下脱出型があり、コンドリアーゼは「後縦靭帯下脱出型」に対して効果を発揮する成分となります。
椎間板ヘルニアでは、椎間板内部において飛び出している髄核が神経を圧迫し、腰や足などにしびれや強い痛みが引き起こされます。また、髄核はヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカンをメインの成分として含んでいます。コンドリアーゼが椎間板内に投与されると、そのグリコサミノグリカンが選択的に分解される作用メカニズムが起こります。グリコサミノグリカンが分解されると髄核が小さくなり、神経に対する圧迫が弱くなり、最終的に痛みやしびれなどの症状緩和につながります。またコンドリアーゼはグリコサミノグリカンを選択的に分解し、それ以外のタンパク質などは分解しないので、神経や血管などの周辺組織に影響を与えず効果を発揮できる利点もあると考えられています。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)のケース:コンドリアーゼとして1.25単位を、症状の原因と考えられる高位の椎間板内に単回のみ投与してください。
<使用上の注意>
高位への複数同時使用の経験はなく、安全性や有効性は確立されていません。コンドリアーゼの使用によって、腰椎不安定性の増強、アナフィラキシーなどが現れる可能性があり、それは複数高位への同時投与によりさらにリスクが高まる可能性があるので、高位への複数同時投与は行わないでください。 |
副作用 |
重大な副作用
・アナフィラキシー、ショック
※コンドリアーゼは異種タンパクなのでアナフィラキシーやショック症状が引き起こされる可能性があります。
その他の副作用
・筋、骨格系:腰の痛み、下肢の違和感、頚部の痛み、下肢の痛み、筋骨格の痛み
・過敏症:じんましん、発疹、中毒性皮疹、かゆみ
・その他:感覚マヒ、発熱、リンパ節炎、感覚障害、頭痛
・臨床検査異常:好中球数減少、椎間板高の30%以上の低下、トリグリセリド増加、C反応性タンパクの増加、ALTの増加、5度以上の椎間後方開大、ASTの増加、ビリルビンの増加、血小板数の減少、Modic分類の椎体輝度変化、白血球数の減少、一過性のラセーグ陽性
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・コンドリアーゼを配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ヘルニコア椎間板注用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ヘルニコア椎間板注用の有効成分
コンドリアーゼ
▼代表薬の添加物
マクロゴール4000、リン酸水素ナトリウム水和物、精製白糖、リン酸二水素ナトリウム
・骨軟骨異形成症による症状または脊柱の弯曲がある方
※上記症状の悪化や腰椎不安定性が増強される可能性があります。
・急性の両下肢マヒや膀胱直腸障害を患っている方
※緊急手術が必要な病態でありコンドリアーゼの投与は適しません。
使用に注意が必要な方 ・腰椎不安定性を患っている可能性がある方
※腰椎不安定性が増強する可能性があります。
・アレルギー体質の方
※コンドリアーゼによる過敏症リスクが増強する可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している方また妊娠している可能性のある方は使用しないことが推奨されています(妊娠中の使用に関する安全性が確立されておらず、またコンドリアーゼ投与の際にはX線照射も実施するため)。
・授乳している方
授乳している方がコンドリアーゼを使用する際、授乳は避けてください。
※動物実験(ラット):放射能の乳汁中への移行が確認されています。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者では一般的に加齢によって椎間板の変性が起き、髄核におけるプロテオグリカン含量が低下しています。そのため、コンドリアーゼを使用しても治療効果が得られないケースがあるので、使用要否自体を慎重に検討する必要があります。
※高齢者に対する安全性が確立されていません。
※70歳以上の方に対する使用経験がありません。
※一般に高齢者においては軟骨終板が薄くなっていて、椎体の変性が引き起こされる可能性があります。
上記にあてはまる方は、コンドリアーゼを使用する事が出来ない可能性があります。 コンドリアーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
コンドリアーゼに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ヘルニコア椎間板注用 【ヘルニコア椎間板注用 添付文書】 |
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