塩化カルシウム水和物

成分名

塩化カルシウム水和物

適応症状

・低カルシウム血症が原因の下記病態の改善目的
テタニー、テタニーに関連する症状、マグネシウム中毒症、鉛中毒症
・下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給目的
妊婦、産婦の骨軟化症

簡易説明

塩化カルシウム注2%「NP」は妊娠している方の骨軟化症に対してカルシウムを補給する効果や、低カルシウム血症によって引き起こされるテタニー、テタニーに関連する各種病態、鉛中毒症、マグネシウム中毒症に対しても効果を発揮します。いずれも各種症状に対して治療目的で使用されますので、日常生活におけるカルシウム補給として用いることはできません。

処方可能な診療科目

内科/内分泌科/代謝内分泌科/婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1管あたりの目安:20ml約90円
薬代後発薬1管の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1974年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

塩化カルシウム注2%「NP」【製薬メーカー:ニプロ】
塩化Ca補正液1mEq/mL【製薬メーカー:大塚製薬】
塩化カルシウム「ヤマゼン」【製薬メーカー:山善製薬】
大塚塩カル注2%【製薬メーカー:大塚製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

塩化カルシウム注2%「NP」は低カルシウム血症が原因で起こるテタニー、テタニーに関連する症状、マグネシウム中毒症、鉛中毒症に対して効果を発揮するとともに、妊娠している方の骨軟化症に対してカルシウムを補給する効果もあります。
テタニー発作とは、手足の指が自分の意識とは無関係に収縮したりすることで、両手の指が硬くなったり、こわばったり、顔が勝手に引きつってしまったり、全身に痺れを感じたり、いわゆるてんかん発作と似ている症状が特徴と言われています。
骨軟化症にかんしては骨の痛みが生じることが多いですが、発症初期に明確な骨の痛みを感じることは多くなく、腰の痛み、股関節の痛み、膝関節の痛み、足がなんとなく痛い感じ、骨盤の痛み、大腿骨の痛み、下腿骨の痛みがみられますがどれも漠然とした痛みとなっています。妊娠している方はカルシウムやビタミンDが不足しがちで上記の骨軟化症が引き起こされるリスクを持っていますが、塩化カルシウム注2%「NP」を使用することでカルシウムを補給できるので症状の緩和をすることが可能です。
効果・作用のいずれにおいても予防目的で塩化カルシウム注2%「NP」を使用することはできず、あくまで治療目的となります。日常生活に置いてカルシウムやビタミンDの摂取を心がけることが重要です。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:塩化カルシウム水和物として0.4〜1.0g(カルシウムとしては7.2〜18mEq:塩化カルシウム注2%「NP」20〜50mL)を2%(0.36mEq/mL)液に調整し、1日1回静脈内に時間をかけて注射します(カルシウムとして0.68〜1.36mEq/分:塩化カルシウム注2%「NP」20mLあたり5〜10分間)。
※妊婦、産婦の骨軟化症に用いるケース:塩化カルシウムの内服投与ができないケースに限って塩化カルシウム注2%「NP」を使用してください。
※なお、年齢や症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。

<使用上の注意>
■投与する経路
・静脈内注射にのみ使用してください。
■調製する時
・次の成分と混和したケースにおいて、成分の沈殿が引き起こされる可能性があるので混和しないでください。(炭酸塩、クエン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酒石酸塩などを含む製剤)
・エタノールによって沈殿を生じる可能性があるので、エタノール消毒した注射器を使用しないで下さい。
■投与する前
・開封したらすぐに使用し、残った残液は絶対に使いまわさないでください。
・投与する際は、感染に対して十分に注意してください。
・寒冷期においては、塩化カルシウム注2%「NP」を体温程度の温度に温めてから使用してください。
■投与する時
・投与している時は、塩化カルシウム注2%「NP」が血管の外に漏れ出ないよう注意してください。
■アンプルをカットする時
・塩化カルシウム注2%「NP」は、ワンポイントカットアンプルを使用しています。アンプル頭部に記載されているマークを上に向けて下の方向(反対側)に力を軽く加えてカットしてください。
・アンプルをカットする時に異物が混入しないよう、アンプル首部のまわりをエタノールなどで拭いてください。このとき、エタノールが塩化カルシウム注2%「NP」内部に混入しないよう注意してください。

副作用

主な副作用
・消化器系:食欲の不振、便秘など
・代謝異常:アシドーシス
・長期投与:高カルシウム血症、結石症
・注射部位において:血管外漏出による組織の壊死、炎症など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・塩化カルシウム水和物を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、塩化カルシウム注2%「NP」はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼塩化カルシウム注2%「NP」の有効成分
塩化カルシウム水和物
▼代表薬の添加物
添加物は含まれていません

・ジゴキシンなどの強心配糖体を使用している方
※カルシウムが強心配糖体(ジギタリスなど)の作用を増強させ、心停止を引き起こす可能性があります。
・高カルシウム血症を患っている方
※高カルシウム血症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・腎結石を患っている方
※腎結石の悪化が引き起こされる可能性があります。また、腎臓の石灰化や尿路結石が誘発される可能性があります。
・重篤な腎不全症状をお持ちの方
※高カルシウム血症の悪化が引き起こされる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・腎不全を伴って低カルシウム血症を引き起こしている方
※アシドーシス症状をさらに促進させる可能性があります。
・性型ビタミンD製剤を使用している方
※高カルシウム血症が引き起こされる可能性が高くなります。
・高カルシウム血症を引き起こしやすい病態を患っている方
※高カルシウム血症が引き起こされる可能性があります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。

上記にあてはまる方は、塩化カルシウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
塩化カルシウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・ジギタリス製剤(ジゴキシンなど)
※ジゴキシンなどのジギタリス製剤の作用を、塩化カルシウム注2%「NP」が増強させ心停止を引き起こす可能性があります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

塩化カルシウム水和物に関する
よくある質問
塩化カルシウム注2%「NP」を長期間にわたって使用する際の注意点を教えてください。

塩化カルシウム注2%「NP」の長期的な使用によって血液中および尿中のカルシウム値が高くなる可能性があるので、長期使用するケースにおいては定期的に血液中または尿中のカルシウム値を必ずモニタリングしてください。なお、高カルシウム血症が引き起こされた場合には投与を中止してください。高カルシウム血症の初期症状は、倦怠感、食欲の不振、疲労感などから始まり、さらに重症になると筋力の低下、吐き気、悪心、口の渇き、多飲、多尿などが確認されます。塩化カルシウム注2%「NP」  【塩化カルシウム注2%「NP」  添付文書】

塩化カルシウム注2%「NP」を急速に投与してしまった時の初期症状を教えてください。

塩化カルシウム注2%「NP」を急速に静脈内注射してしまうと、徐脈、潮紅、動悸、血圧の大きな変動、熱感、発汗などが初期症状として引き起こされる可能性が高いです。静脈内注射は時間をかけ、カルシウムとして0.68〜1.36mEq/分を目安に行うことが推奨されています。塩化カルシウム注2%「NP」  【塩化カルシウム注2%「NP」  添付文書】

塩化カルシウム注2%「NP」の安定性について教えてください。

塩化カルシウム注2%「NP」の長期保存試験の結果として、「1〜30度の室温に3年間」の条件において外観や有効成分の含量などは規格の範囲から外れず問題なかったとされています。また通常の流通形態においても3年間の安定性が確認されています。塩化カルシウム注2%「NP」  【塩化カルシウム注2%「NP」  添付文書】

参考元一覧

塩化カルシウム注2%「NP」  【塩化カルシウム注2%「NP」  添付文書】

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