タムスロシン塩酸塩

成分名

タムスロシン塩酸塩

適応症状

前立腺肥大症に伴う排尿障害

簡易説明

タムスロシン塩酸塩は前立腺肥大量に伴う排尿障害に用いられる医薬品です。
1980年に山之内製薬により発見されたスルファモイルフェネチルアミン誘導体のα1受容体遮断薬であり、平滑筋のα1受容体に対して強力な拮抗作用を有しています。
膀胱と尿道、および尿道括約筋で構成される下部尿路には、尿を貯める機能、つまり畜尿機能と、尿を排出する機能つまり排尿機能があります。これらの機能が障害された状態を排尿障害と言います。前立腺が肥大してくると尿道が圧迫され、排尿障害が生じます。
タムスロシン塩酸塩はこの肥大した前立腺に作用する事で排尿障害を治療します。

処方可能な診療科目

泌尿器科/内科/外科等

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

疾患によって治療方針・検査項目が異なります。
病院によっても若干前後しますがおおよそ以下の通りですが、検査する項目が多ければさらに加算されます。PSA検査を行えば例えば、1000円前後かかります。その他、超音波診断、尿流率測定、残尿測定などもあります。外科的治療をする場合は入院も必要となります。検査項目に関しては病院でご確認ください。
診察料としては3500円~5000円
検査料としては1100円~
薬剤料としては1500円(30日分)[ハルナールD錠0.2mgとして換算]~
手術費用としては3割負担の方:61,410円前後かかります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2004年9月16日製造販売承認
2005年6月10日薬価基準収載
2005年6月14日販売

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ハルナールD錠0.1mg/0.2mg【製薬メーカー:アステラス製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「VTRS」【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「ファイザー」【製薬メーカー:ファイザー株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「ケミファ」【製薬メーカー:日本薬品工業株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「日医工」【製薬メーカー:日医工式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「日新」【製薬メーカー:日新製薬株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「明治」【製薬メーカー:MeijiSeikaファルマ株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「CH」【製薬メーカー:長生堂製薬株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「TYK」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「KN」【製薬メーカー:小林化工株式会社】
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg/0.2mg「あすか」【製薬メーカー:あすか製株式会社】

タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg/0.2mg「MED」【製薬メーカー:メディサ新薬株式会社】
タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg/0.2mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg/0.2mg「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】
タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg/0.2mg「ケミファ」【製薬メーカー:日本薬品工業株式会社】
タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg/0.2mg「武田テバ」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】

効果・作用

タムスロシン塩酸塩は前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する医薬品です。
1)本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合は、手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。
2)前立腺肥大症の診断・診療については、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすること。

【前立腺肥大症】
前立腺肥大症とは、前立腺が肥大して、様々な排尿の症状を引き起こす病気です。前立腺が肥大する原因はわかっていませんが、男性ホルモンなどの性ホルモン環境の変化が関与すると言われております。前立腺肥大症を発症する明らかな危険因子は加齢ですが、その他に遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などが挙げられます。
前立腺肥大症でみられる症状としては①排尿困難(尿の勢いが弱い、尿が出始めるまでに時間がかかる、排尿の途中で尿が途切れる)②畜尿症状(頻尿、切迫性尿失禁、過活動膀胱)③排尿後症状(残尿感)があります。肥大している前立腺の状態を改善する事で排尿障害を改善することが期待できます。

【作用機序】
タムスロシン塩酸塩はα1受容体阻害薬と呼ばれる医薬品です。α1受容体の選択性はありません。主にα1A・α1D受容体を遮断します。α1A受容体は主に前立腺に、α1D受容体は主に膀胱や前立腺に存在します。
前立腺や尿道の平滑筋にはこのα1受容体が多く存在します。α1受容体を遮断する事により交感神経緊張状態を抑え、前立腺を弛緩させます。その結果として前立腺の尿道に対する圧迫を軽減し尿を出しやすくします。

使用方法

通常、成人にはタムスロシン塩酸塩として0.2mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

高齢者で腎機能が低下している場合は0.1mgから投与を開始し、経過を十分に観察した後に0.2mgに増量すること。0.2mgで期待する効果が得られない場合にはそれ以上の増量は行わず、他の適切な処置を行う事。

【重要な基本的注意】
1)本剤の過剰投与により血圧低下が予想されるので、投与量には注意すること。
2)立位血圧が低下することがあるので、体位変換による血圧変化に注意すること。
3)めまい等が現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
4)本剤投与開始時に、降圧剤投与の有無について問診を行い、降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し、血圧低下が見られた時には、減量または中止するなど適切な処置を行う事。

副作用

重大な副作用
1)失神・意識喪失(頻度不明)
2)肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

その他の副作用
1)精神神経系
めまい、ふらふら感(0.1~5%未満)
立ち眩み、頭痛、眠気、イライラ感、痺れ感(頻度不明)
2)循環器
頻脈(0.1~5%未満)
血圧低下、起立性低血圧、動機、不整脈(頻度不明)
3)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
掻痒感、蕁麻疹、多形紅斑、血管浮腫(頻度不明)
4)消化器
胃不快感、嘔気、嘔吐、胃重感、胃痛、食欲不振、嚥下障害(0.1~5%未満)
口渇、便秘、下痢(頻度不明)
5)その他
咽頭灼熱感、全身倦怠感(0.1~5%未満)
鼻閉、浮腫、尿失禁、味覚異常、女性化乳房、持続勃起症、射精障害、術中虹彩緊張低下症候群、霧視、視力障害、ほてり、熱感、灼熱感(頻度不明)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

有効成分:タムスロシン塩酸塩

添加物:セルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫
酸ナトリウム、ポリソルベート80、セタノール、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、D-マンニトール、乳糖水和物、アメ粉、ステアリン酸カルシウム

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
 (1)起立性低血圧のある患者
2)腎機能障害患者
 (1)重篤な腎機能障害のある患者
3)肝機能障害患者
 (1)重篤な肝機能障害のある患者
4)高齢者

上記にあてはまる方は、タムスロシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
タムスロシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)降圧剤:降圧剤服用中の患者は起立時の血圧調節力が低下している場合があり、起立性低血圧が起こる恐れがあるので、減量するなど注意すること。

2)ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤:本剤はα遮断作用を有するため、併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強する恐れがあり、併用により症候性低血圧が現れるとの報告がある。
シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ錠25mg/50mg、ODフィルム25mg/50mg、レバチオ錠20mg/ODフィルム20mg/懸濁用ドライシロップ900mg)
バルデナフィル塩酸塩水和(レビトラ錠5mg/10mg/20mg)等

上記を使用している方は、タムスロシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
タムスロシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
夜間頻尿改善のため寝る前服用でもよいか?

タムスロシン塩酸塩は食事の影響を受けるお薬です。1日1回食後服用により十分な効果を期待しているため空腹時の服用は避けた方がよいでしょう。

かみ砕いて服薬してもよいか?

ハルナールD錠は徐放性粒を含有している為かみ砕かずに服用すること。口腔内崩壊錠の為舌の上にのせ唾液を浸潤させると崩壊するような剤形です。

服用するうえで気を付けることはあるか?

白内障の手術を受ける際はこの薬を飲んでいることを、眼科の先生にお伝えください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。