リセドロン酸ナトリウム水和物

成分名

リセドロン酸ナトリウム水和物

適応症状

骨粗鬆症 など

簡易説明

「リセドロン酸ナトリウム水和物」は、骨を壊す過程を抑えて骨量の低下を抑え、骨を強くし骨粗鬆症による骨折などへの危険性を低下させる薬で、骨粗鬆症の治療に用いられます。
日本では、EAファーマがアクトネルの商品名で販売しており、また、富士製薬工業がリセドロン酸Naの商品名で販売しています。
「リセドロン酸ナトリウム水和物」は骨に付着して、骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを防ぐ骨吸収抑制作用があり、その結果、骨の密度が増加し骨が丈夫になることから、骨折の予防にもつながります。

処方可能な診療科目

内科/形成外科/整形外科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
アクトネル錠2.5mg 66.1円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2002年5月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

アクトネル錠2.5mg 【製薬メーカー:EAファーマ】

関連製品(ジェネリック)

リセドロン酸Na錠2.5mg「F」 【製薬メーカー:富士製薬工業】
リセドロン酸Na錠2.5mg「ファイザー」 【製薬メーカー:ファイザー】

効果・作用

「リセドロン酸ナトリウム水和物」は、骨を壊す過程を抑えて骨量の低下を抑えて、骨を強くし骨粗鬆症による骨折などへの危険性を低下させる薬です。
骨粗鬆症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れることで、骨がもろくなってしまい、転倒などにより骨折する危険性が高くなります。
骨が壊される過程を骨吸収といい、骨が新しく作られる過程を骨形成といいますが、骨粗鬆症では何らかの原因により骨吸収が骨形成を上回っている状態であり、骨吸収には骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きが必要となります。
「リセドロン酸ナトリウム水和物」は破骨細胞に作用しこの細胞の働きを抑えることにより、骨吸収を抑え骨密度と骨強度を高める作用をあらわします。

使用方法

▼用法用量
・成人にはリセドロン酸ナトリウムとして2.5mgを1日1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与します。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けてください。

▼重要な基本的注意
・患者の食事によるカルシウム、ビタミンDの摂取が不十分な場合は、カルシウム又はビタミンDを補給してください。ただし、カルシウム補給剤及びカルシウム、アルミニウム、マグネシウム含有製剤は、本剤の吸収を妨げることがあるので、服用時刻を変えて服用させてください。
・ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死.顎骨骨髄炎があらわれることがあります。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現しています。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られています。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認して、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受けて、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導してください。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮してください。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けることや歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明して、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導してください。
・ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告があります。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導してください。
・ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告があります。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行ってください。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認して、X線検査を行うなど、慎重に観察してください。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行ってください。

▼用法及び用量に関連する注意
・水以外の飲料(Ca、Mg等の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)や食物あるいは他の薬剤と同時に服用してください。本剤の吸収を妨げることがあるので、起床後、最初の飲食前に服用し、かつ服用後少なくとも30分は水以外の飲食を避けてください。
・食道炎や食道潰瘍が報告されています。立位あるいは坐位で、十分量(約180mL)の水とともに服用し、服用後30分は横たわらないでください。
・就寝時又は起床前に服用しないでください。
・口腔咽頭刺激の可能性があるので噛まずに、なめずに服用してください。
・食道疾患の症状(嚥下困難又は嚥下痛、胸骨後部の痛み、高度の持続する胸やけ等)があらわれた場合には主治医に連絡してください。

副作用

重大な副作用
▼上部消化管障害
食道穿孔(頻度不明)、食道狭窄(頻度不明)、食道潰瘍(頻度不明)、胃潰瘍(0.9%)、食道炎(0.1%)、十二指腸潰瘍(0.1%)等が報告されています。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼外耳道骨壊死(頻度不明)
外耳道骨壊死があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折(頻度不明)
大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・胃不快感
・悪心、上腹部痛、便秘、消化不良(胸やけ)、腹部膨満感、胃炎、口内炎
・口渇、嘔吐、食欲不振、下痢、軟便、おくび、鼓腸
・舌炎、味覚異常、十二指腸炎、歯肉腫脹
・そう痒症、発疹、紅斑、じん麻疹
・皮膚炎(水疱性を含む)、血管浮腫
・γ-GTP増加、ALT増加、AST増加、血中AL-P増加、LDH増加
・眼痛、ぶどう膜炎
・霧視
・好中球数減少、リンパ球数増加、白血球数減少、貧血
・めまい
・感覚減退(しびれ)、頭痛、耳鳴、傾眠
・筋・骨格痛(関節痛、背部痛、骨痛、筋痛、頸部痛等)
・血中カルシウム減少
・尿潜血陽性、尿中β2ミクログロブリン増加
・浮腫(顔面、四肢等)、ほてり、倦怠感、無力症(疲労、脱力等)、BUN増加、血中AL-P減少、血中リン減少、血圧上昇
・動悸、脱毛、発熱

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者
食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者は、本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなります。投与しないでください。

■本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■低カルシウム血症の患者
低カルシウム血症の患者は、血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。

■服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者
服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者には投与しないでください。

■妊婦又は妊娠している可能性のある女性
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないでください。

■高度な腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:約30mL/分未満)のある患者
高度な腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:約30mL/分未満)のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者
嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者は、食道通過の遅延又は上部消化管粘膜刺激による基礎疾患の悪化をきたすおそれがあります。観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■中等度又は軽度の腎機能障害患者
中等度又は軽度の腎機能障害患者は、排泄が遅延するおそれがあります。観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されます。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関します。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではありません。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。母動物(ラット)へ投与後授乳された乳児への移行がわずかに認められています。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、リセドロン酸ナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
リセドロン酸ナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・水以外の飲料、食物
 特に牛乳、乳製品などの高カルシウム含有飲食物
 多価陽イオン(カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム等)含有製剤
 制酸剤、ミネラル入りビタミン剤等

上記を使用している方は、リセドロン酸ナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
リセドロン酸ナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「リセドロン酸ナトリウム水和物」はどういった薬ですか?

「リセドロン酸ナトリウム水和物」は、骨を丈夫にする薬で、おもに骨粗鬆症の治療に用いられます。

「リセドロン酸ナトリウム水和物」を使用するにあたって医師に伝えておくことはありますか?

食道や胃腸に病気のある人、妊娠中またはその可能性のある人、胃腸薬など別の薬を飲んでいる場合は、医師に伝えてください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。